ナチュラルクリーニングを始めようとクエン酸に興味をもったり、実際に手に取ったりしたことがある人は多いと思います。でも、クエン酸がどんなもので、どう使えばいいのか、よくわかりませんよね?
そこで今回はコジカジ編集部が、クエン酸で掃除するときの使い方を14通りにまとめました!実践写真付きで初めて使う人にも安心です。
これを覚えておけば、水回りの頑固な水垢汚れもキレイにできますよ。
クエン酸とは?掃除用のものがあるの?
もともとは食材に含まれているものなのでクエン酸自体も体に害がなく、よく目にする加工食品やサプリメントの添加物としても使われている成分です。
「クエン酸」と書いてあれば何を買ってもいいの?と思うかもしれませんが、掃除に使うのは「掃除用」や「工業用」と呼ばれるもので、「食用」のクエン酸と区別されています。
その違いは純度。体内に入れるため、食用のほうがクエン酸の純度が高く、そのぶん高価。掃除の用途として購入するなら、パッケージに掃除の絵が描かれた「掃除用」のクエン酸を1袋用意しましょう。
クエン酸の掃除に役立つ3つの効果!
① 「酸」の力でアルカリ性の汚れを落とす
一番の特徴は、水に溶かすと「酸性」の性質をもつ点。
一般的な水道水のpH(ペーハー)は7前後の中性にあたりますが、クエン酸を溶かすだけでpHが2.12に変化し、酸性のパワーをもつように。
この酸の力で反対のアルカリ性の汚れを中和してやわらかくする効果があることから、おうちの掃除にクエン酸が重宝されるのです。
② アルカリ性のにおいを消す
クエン酸には、気になる臭いを消す効果もあります。
たとえば、トイレ特有のいやな臭い。これはアンモニアによるもので、アルカリ性の汚れがもとになっているため、中和で打ち消して消臭できます。
ほかには、タバコの臭いや魚の臭いなどもアルカリ性の性質をもつのでクエン酸の力で消臭できます。
③ 抗菌作用でキレイが続く
クエン酸の掃除での使い方は?
スタンダードな使い方は、水に溶かしてクエン酸水を作り、洗剤のように使う方法。もう一つは、粉をそのまま入れて使う方法です。
クエン酸水の作り方を以下で簡単に説明するので、参考にしてください。
クエン酸水の作り方
- 必須
- クエン酸
- 水
- 空のスプレーボトル
- 計量カップ
クエン酸は水に溶かした「クエン酸水」をスプレーなどに入れて洗剤のように使うのが基本です。
水に溶けやすいので、30秒ほどかき混ぜると粉が残らず溶けてくれますよ。
クエン酸で掃除!基本的な使い方は?
ただ、この水垢はクエン酸スプレーをシュッと吹きかけただけで簡単に落とせません。クエン酸の成分で少しずつゆるめていくような頑固な汚れです。
そのため、いかに効率的に「クエン酸を浸透させるか」がポイント。一般的に、次の手順で落としていきます。
キッチンペーパーをかぶせる
水垢がついた場所をキッチンペーパーなどでおおう。
クエン酸水をかける
かぶせたキッチンペーパーの上からクエン酸スプレーを吹きかける。クエン酸がたれ流れたりせずに、汚れにしっかり密着する。
放置する
2時間ほどそのまま放置する。こうすることでクエン酸が汚れに少しずつ浸透していく。
スポンジでこする
キッチンペーパーを剥がし、スポンジなどでこする。
このキッチンペーパーを使った「クエン酸パック」の方法は、おうちのさまざまな場所に応用できるので、ぜひ覚えておきましょう。
クエン酸の効果を高める使い方は?
基本は先ほどの分量を目安にし、ガンコな汚れを落とす時はクエン酸を少し多めに入れて濃い目にすると、汚れ落ちがアップします。
2. 浸ける時間を長くするクエン酸を浸透させる時間を長めにするのも有効。2時間以上しっかり浸透させれば、汚れのゆるみも進んでよく落とせます。
3. ラップをかぶせるガンコにこびりつく水垢には、クエン酸水を染み込ませたキッチンペーパーを貼りつけた上から、さらにラップまですれば水分が蒸発しなくなり、長時間のつけ置きが効果的になります。
クエン酸の用途は?
基本的には、クエン酸は「水回り」の掃除に重宝すると覚えておくといいですよ。
ここからは実践的な使い方を14通りご紹介します。
もくじ
【クエン酸の使い方①】キッチンの掃除
洗い物をするキッチンのシンクまわりは、水道水で濡れて乾燥してを繰り返し、水垢がたくさん。こまめにクエン酸で掃除するとピカピカに保てます。
①-1 シンク
- 必須
- クエン酸スプレー
- キッチンペーパー
- スポンジ
シンクの壁などに斑な模様がついていたら、それは水垢。クエン酸の出番です。次の手順で落としてあげましょう。
水垢部分にクエン酸水をかける
水垢部分にスプレーをかける。シンクの壁面にはキッチンペーパーを当ててその上からクエン酸水をかけてパック。
放置してクエン酸を浸透させる
水垢とクエン酸水が密着した状態で30分〜2時間ほど放置する。水垢がガンコなときは放置する時間を長めに。
水垢をこすり落とす
時間が経ったらキッチンペーパーを剥がし、スポンジなどでこすり落とす。
水で流したあとに乾拭きする
水垢がとれたらクエン酸が残らないように水で流す。最後にキッチンペーパーやタオルなどで水気をサッと拭き取れば完了。
①-2 蛇口
- 必須
- クエン酸スプレー
- キッチンペーパー
- スポンジ
- 輪ゴム
- 布巾
蛇口にも水垢がよくつきます。基本的な流れはシンクとほとんど同じですが、輪ゴムを使って少しだけ工夫するのがポイントです。
汚れにクエン酸水をつける
クエン酸水が垂れ流れないよう、キッチンペーパーにクエン酸を浸してから蛇口に貼りつける。
輪ゴムを巻く
しっかり密着させるため、根本の部分などには輪ゴムを巻きつけてキッチンペーパーを固定する。
放置する
クエン酸がしみ込むまで2時間ほど待つ。水垢がどんどんやわらかくなる。
こすり落とす
貼り付けていたキッチンペーパーを剥がし、スポンジでゆるんだ水垢をこすり落とす。
よくすすぎ、乾拭き
クエン酸をキレイな水で洗い流し、布巾で乾拭きしたら完了。
①-3 排水溝
- 必須
- 粉のクエン酸
- 粉の重曹
- 鍋(電気ケトルでも可)
クエン酸は重曹と混ぜると化学反応を起こし、発泡する作用があります。この反応を使えば、配管の汚れをはがし、キレイにできます。
クエン酸水をつくる
2Lほどの水を沸騰させ、そこにクエン酸大さじ1を入れて混ぜる。
粉の重曹をまく
沸騰させているあいだに1/2カップほどの重曹を排水溝のまわりにまんべんなくかけておく。
クエン酸水をかける
沸騰したら火を止め、排水溝に。重曹と混ざってぶくぶくと泡立つ。泡が落ち着いたら水で流して完了。
【クエン酸の使い方②】洗面所・トイレの掃除
洗面所やトイレなどの水回りにも水垢はたくさん!クエン酸が大活躍します。
②-1 洗面台
- 必須
- クエン酸スプレー
- キッチンペーパー
- スポンジ
- あると便利
- ラップ
洗面台にも水垢がよくつきます。キッチンペーパーでクエン酸パックしましょう。
水垢にクエン酸水をつける
クエン酸水にキッチンペーパーを浸し、水垢がついている部分に貼りつける。
放置する
2時間ほど放置し、汚れにクエン酸水が浸透するのを待つ。
こすりおとす
貼っていたキッチンペーパー剥がしてスポンジなどでこすり落とし、すすいだら完了。
②-2 トイレの壁
- 必須
- クエン酸スプレー
- トイレットペーパー
トイレの壁紙には、見た目にはわかりませんがハネた尿がたくさんついています。これを放置すると、トイレ特有のイヤな臭い「アンモニア臭」に変わってしまいます。
クエン酸でこまめに尿ハネを拭き取ると、この臭いの予防につながります。
壁にクエン酸水をかける
尿がよくハネているのは、腰から下の高さの壁。そこに重点的にクエン酸スプレーを吹きかける。
トイレットペーパーで拭く
あとはトイレットペーパーや雑巾などで拭き取るだけで完了。
②-3 便器のヘリ
- 必須
- クエン酸スプレー
- トイレットペーパー
- あると便利
- 硬めのトイレ用ブラシ
便器のヘリなどにこびりつく石のように固まった汚れを尿石といい、これもクエン酸の力で落とすことができます。
尿石ができた場所をチェック
尿石がどこにできているかを確認。尿がハネてこびりつきやすいフチ裏や便器内の水面近くなどに黄色い汚れがないかよく見る。
便器にトイレットペーパーを敷く
尿石ができた場所をトイレットペーパーでおおう。フチ裏にも数枚重ねたトイレットペーパーをつめる。
クエン酸スプレーをかける
トイレットペーパーが浸るくらいたっぷりかける。クエン酸水を吸収して尿石に密着することで、浸透しやすくなる。
こすり落として流す
2時間ほど放置してから、トイレットペーパーをどかして尿石をブラシでこする。水を流して汚れが落ちたか確認する。
クエン酸には『サンポール』などの市販の尿石落としほどの洗浄力はないので、ガンコにこびりついた尿石までは落とせません。
クエン酸を何度か試してみて、それでも落ちないようなら別の洗剤に切り替えましょう。
②-4 手洗い器
- 必須
- クエン酸スプレー
- トイレットペーパー
トイレタンクの手洗い器にも水垢がつきます。トイレットペーパーでクエン酸パックしてあげましょう。
汚れにクエン酸水をつける
クエン酸水を含ませたトイレットペーパーを水垢に当てる。
放置する
クエン酸が浸透するまで2〜3時間ほど待つ。こうすることで汚れがゆるむ。
トイレットペーパーで拭き取る
浸していたトイレットペーパーを剥がし、乾いたトイレットペーパーなどでこする。
軽く水拭き
クエン酸が残らないように水拭きすれば完了。
【クエン酸の使い方③】お風呂の掃除
お風呂は水垢以外にも「石鹸カス」などがつき、汚れています。汚れ自体もガンコになりやすいため、クエン酸を使ってマメに掃除してあげるのがおすすめです。
③-1 鏡
- 必須
- クエン酸
- 洗面器
- キッチンペーパー
- ラップ
- スポンジ
- あると便利
- 『激落ちくん』などのメラミンスポンジ
お風呂の鏡は水垢がとくに目立つ場所。クエン酸でしっかり落としてあげましょう。
ガンコな水垢の場合は、通常のスポンジではなく、研磨力の強いメラミンスポンジでこすってあげるよく落ちますよ。
鏡にキッチンペーパーを貼る
洗面器にクエン酸水を作ってキッチンペーパーを浸し、鏡に隙間なく貼っていく。
ラップして放置する
クエン酸水が乾かないようにさらに上からラップし、3時間ほど放置する。
こすり落とす
貼っていたラップを剥がし、ふやけた水垢をスポンジでこすり落としていく。『激落ちくん』などのメラミンスポンジ使うと効果的。
よくすすぐ
シャワーですすいで、乾いたキッチンペーパーやタオルで乾拭きすれば完了。
③-2 浴槽
- 必須
- クエン酸スプレー
- キッチンペーパー
- お風呂掃除用のスポンジ
- あると便利
- 『激落ちくん』などのメラミンスポンジ
浴槽が黄ばんだり、黒ずんだりするのも水垢が原因の可能性があります。まずはクエン酸で落とせないか試してみましょう。
汚れの上からキッチンペーパーを貼る
水垢が気になる部分にキッチンペーパーをあて、クエン酸スプレーを吹きかけて貼り付ける。
放置する
1〜2時間ほど放置して、水垢にクエン酸をなじませる。
こする
貼り付けたキッチンペーパーを剥がし、スポンジなどで汚れをこすり落とす。
洗い流す
シャワーで洗い流して完了。水垢が落ちたか確認。
③-3 洗面器やイスなどの小物
- 必須
- クエン酸スプレー
- キッチンペーパー
- お風呂掃除用のスポンジ
洗面器や椅子には、水垢のほかにボディソープやシャンプーなどの泡がついて固まった石鹸カスもついています。クエン酸パックで柔らかくしましょう。
キッチンペーパーにふくませ汚れに貼る
水垢が気になる部分にキッチンペーパーをあて、スプレーを吹きかけて貼り付ける。
放置する
1〜2時間ほど放置して、水垢にクエン酸をなじませる。
こする
貼り付けたキッチンペーパーを剥がし、スポンジなどで汚れをこすり落とす。
洗い流す
シャワーで洗い流して完了。水垢が落ちたか確認。
③-4 シャワーヘッド
- 必須
- 粉のクエン酸
- 洗面器
- 歯ブラシ
- お風呂用スポンジ
- あると便利
- つまようじ
シャワーヘッドもよく見ると水垢で白くなっていることが…。クエン酸水にドボンと浸してゆるませましょう。
シャワーヘッドを浸して放置する
洗面器にクエン酸水をつくったらシャワーヘッドを入れる。シャワーヘッドの吹き出し口を完全に浸すのがポイント。
歯ブラシでこする
1時間ほど放置し、やわらかくなった汚れは歯ブラシでこすり落とす。落ちにくい水垢はつまようじで削る。
全体をスポンジで洗う
シャワーヘッドの吹き出し口の汚れをとったら、全体をスポンジでこすり洗いする。最後にクエン酸水や汚れを洗い流せば完了。
【クエン酸の使い方④】家電の掃除
クエン酸は家電にも使えます。家電というとデリケートなイメージがありますが、自然由来のクエン酸なら、掃除も安心して進められますよ。
④-1 電気ポット・電気ケトル
- 必須
- クエン酸
- 布巾 or キッチンペーパー
ケトルやポットの底につく白いモヤモヤは水垢。カルキ汚れとも呼ばれます。この汚れもクエン酸で取れますよ。
電気ケトルを満水にする
水垢は底だけでなく、壁面にもついている。ケトル全体の水垢を落とすために、満水まで水を入れる。
クエン酸を大さじ1杯入れて沸騰させる
満水の水に大さじ1杯ほどのクエン酸を入れる。厳密に測る必要はなく、ざっくりスプーン1杯くらいで大丈夫。
浸す
軽く混ぜてクエン酸を溶かしたらスイッチを入れてお湯を沸かす。沸騰してから約1時間ほど放置して、水垢が分解されるのを待つ。
お湯を捨て、すすぐ
時間がたったらクエン酸を溶かしたお湯を捨て、なかを数回水ですすぐ。汚れれがまだ残っていたら、②の洗浄を繰り返す。
④-2 食洗機
- 必須
- クエン酸
- スプーン
食洗機自体の掃除にもクエン酸。サッと入れてふだん通り動かすだけなので簡単にキレイにできますよ。
準備する
お皿が入っていれば取り出し、たまっているゴミを簡単に取り除いておく。
クエン酸を入れる
洗剤投入口にクエン酸をスプーン1杯分ほど入れる。
洗浄する
通常コースの洗浄を選び、運転すれば完了。
④-3 加湿器
- 必須
- クエン酸
- 歯ブラシ
加湿器もクエン酸でOK。フィルター類をまとめてクエン酸水に浸しましょう。くれぐれもクエン酸水をタンクに入れて運転しないでくださいね。
電源を切る
掃除前に電源を切る。余裕があれば外側を拭き掃除するとさらにキレイに。
部品を外す
水を溜めるトレイ(タンク)、加湿に使うフィルターなど水垢がついているパーツを取り出す。
洗面台のシンクでクエン酸水をつくる
シンクに水を張り、水1Lに対しクエン酸を大さじ1杯(15g)ほど入れて混ぜる。
部品をつけおき洗いする
外したトレイやフィルターを端までしっかりつけこみ、そのまま3時間ほど放置する。
すすぐ
時間がたったらキレイな水でよくすすぐ。細かい部分は歯ブラシでこする。
取り付ける
よく乾燥させてから、元の通りにパーツを戻せば完了。
掃除だけじゃない!クエン酸を洗濯に使う方法とは?
- 必須
- クエン酸
クエン酸は、石鹸洗濯の柔軟剤の代わりとして使う方法もあります。
洗濯石鹸や洗濯洗剤は「アルカリ性」のものが多く、その衣類についたアルカリを酸性で中和することで、ふわっと仕上げることができるんです。
すすぎのタイミングで洗濯機を一時停止
洗濯機のすすぎのタイミングで一度洗濯機を止める。
クエン酸を入れ、洗濯機をふたたび動かす
水30Lほどに対して1gほどのクエン酸を入れ、洗濯機を再度動かす。
干す
最後に脱水までして洗い終わったら、いつも通り干せば完了。
「すすぎ」のタイミングでクエン酸を入れるのがポイントなので、しっかり意識しましょう。
クエン酸で取れない汚れは「重曹」で掃除!
それは「酸性の汚れ」。キッチンの油汚れに代表される酸性汚れは、同じ酸性をもつクエン酸を使ったところで、キレイに落とせないんです。
そこで活躍するのが重曹。重曹は水に溶かすとアルカリ性を示すため、酸性汚れと中和してしっかり汚れを落とせます。
反対の性質をもったクエン酸と重曹の2つを用意し、汚れによって使い分ければ、おうちのさまざまな汚れに対応できますよ。
クエン酸の使い方の注意点は?
クエン酸は重宝するお掃除アイテムですが、使うときに2つ注意点があります。
塩素系漂白剤と混ぜない
ひとつは『カビキラー』などの塩素系漂白剤とクエン酸を一緒には使わないことです。2つが混じり合うと有害なガスが発生して危険です。
大理石や金属に使わない
もうひとつは、大理石や金属には使わないことです。酸性成分が大理石を溶かしたり、金属をサビさせたりして劣化を早めてしまうことがあります。間違ってクエン酸がかかってしまったときはしっかりと拭き取ってください。
クエン酸の保管方法は?
クエン酸スプレーは7〜14日ほどで使い切ってください。加工した場合は、できるだけ早めに使い切るのがポイントです。
掃除にクエン酸を使いこなそう
100均やドラッグストア、ホームセンターなどで手軽に購入できるので、ぜひクエン酸を掃除に使ってみてください。