いつの間にか水まわりについてしまう「水垢」。そんな水垢汚れを効率的に落とす方法はないの?という人のために、今回は水垢の落とし方についてくわしく説明します。
もくじ
水垢ってそもそもどんな汚れのこと?
水垢は、もともとはただの水道水。透明な水がこんな汚れになるなんてと想像できないかもしれませんが、水道水にはカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分が含まれていて、これらが水垢の原因になります。
水道水が蒸発したあともミネラル成分だけが残り、「濡れる→蒸発する」を繰り返すことでどんどん積み重なって、白いウロコ状の目に見える水垢汚れに変化するのです。
水垢の落とし方は「溶かす」か「削る」
水垢は地層のように積み重なって石のように固い汚れになるので、スポンジでこすったところで簡単には落ちません。
そんな水垢にも大きくわけると2つの弱点があります。どんなにこすっても落ちなかった水垢がびっくりするくらいスルッと落ちるようになりますよ。
①「酸」で溶かして落とす
水垢は「アルカリ性」の性質を持った汚れなので、反対の「酸性」の洗剤を使えば互いの性質を打ち消し合い、中和してふやかすことができます。あとは軽くこするだけでスルッと落とせますよ。
「水垢にはお酢やクエン酸が効く」と聞いたことがあるかもしれませんが、これはまさに「酸性」の力を使っているからなんです。
② 硬いもので削り取る
水垢はガンコにこびりつく硬い汚れだと思われがちですが、実はプラスチックと同じくらいのやわらかさしかありません。「研磨作用のあるスポンジ」「顆粒入りの洗剤」などを使えばあっという間に取り除けます。
ただし、研磨剤でこするので表面に傷をつける可能性もあります。酸で溶かし落とせなかったときの最終手段として、削り取る方法を使うのがおすすめです。
水垢の落とし方|①クエン酸
まずは「酸」で溶かし落とす方法から。もっとも基本的なのが「クエン酸」を使う方法です。
クエン酸は自然由来の安心安全な成分で、キッチンや洗面所、お風呂、電気ケトルなど、水垢がついたものなら何にでも使えるのが特徴です。
クエン酸水をつくる
クエン酸小さじ1と水200mlを混ぜ、クエン酸水をつくる。
キッチンペーパーに含ませ汚れに貼る
スプレーボトルなどに入れて吹きかけると使いやすい。
放置する
1時間ほど放置して汚れがふやけるのを待つ。
キッチンペーパーでそのままこすり落とす
貼っていたキッチンペーパーかスポンジなどでこすりながら落とせば完了。
100均やドラッグストアなどで手に入るので気軽に使えますよ。
水垢の落とし方|②市販の酸性洗剤
クエン酸を使わなくても市販の酸性洗剤で落とせます。パッケージの裏側の成分表示に「液性」という欄があり、酸性のものを選びましょう。
あとは洗剤を吹きかけ、数分待ってからスポンジなどでこすり落とすと簡単にキレイに落とせますよ。
『技・職人魂 風呂職人 業務用風呂洗剤』
ハウスクリーニングの社長が作った業務用住居洗剤。頑固な水垢、石鹸カスを浮かすのではなく、溶かして強力に洗浄するのが特徴。ツルツルに落とせますよ。
『茂木和哉 お風呂用洗剤 なまはげ』
メディアでも話題の『茂木和哉』の洗剤です。使い方は石鹸カスがこびりついたお風呂のイスや床の溝などに直接スプレーして数分おき、水で流すだけ!酸性で水垢や石鹸カスがキレイに落ちますよ。
水垢の落とし方|③酢やレモン
クエン酸も酸性洗剤もすぐに用意できない…という場合には、おうちにある「お酢」か「レモン汁」を使ってみましょう。酢酸(さくさん)と呼ばれる酸性成分を含んでいるので、水垢を落とせるんですよ。
基本の使い方はクエン酸と同じ。ただし、酢やレモン汁の場合は薄めずに原液のまま使えばOK。キッチンペーパーに含ませて水垢が気になる部分に貼り付けましょう。
あとは30分〜2時間ほど放置してスポンジなどでこすり落とせば完了。
お酢を使う場合のポイントは「糖分の入っていないお酢を選ぶ」こと。また、臭いがキツイので換気しながら作業することをおすすめします。
水垢の落とし方|④クレンザー
次からご紹介するのは「硬いもので削り取る」方法です。
クレンザーは、小さな粒を配合して洗浄力を高めた洗剤のことで、こすると顆粒が水垢に絡みついてはがし取ってくれます。洗面台やシンクの中など、水を流しやすい場所におすすめ。
スポンジにクレンザーをふりかけ、円を描くようにこすりましょう。泡立てないようにゆっくりとこすると顆粒がスポンジに吸い込まれず、研磨の効果が高まります。最後にキレイに洗い流し、よく水分を拭き取ったら終わりです。
『ハイホーム』
温泉水に含まれるミネラル成分と石鹸を合わせた自然素材のクレンザーです。粒子が細かいので、鏡やシンクなどの素材を傷つけずに、水垢だけを落としてくれます。水垢だけではなく、換気扇の油汚れや鍋のコゲつきまで幅広く使えるので、一家にひとつ常備しておくといいですよ。
『茂木和哉』
水垢を中和してくれる酸性の成分をもちながら、研磨性もある洗剤なので、頑固な水垢もキレイにしてくれます。ほかの洗剤に比べるとお値段は少々高いですが、それだけの効果を発揮してくれますよ。
水垢の落とし方|⑤ダイヤモンドパッド
『ダイヤモンドパッド』は人工ダイヤモンドの研磨剤を表面にくっつけたスポンジのことで、こするだけでみるみるうちにキレイになります。使い方は次の通り。
水洗いして鏡表面の汚れを落とす
鏡や窓の表面についた汚れを水でサッと流す。濡らしたスポンジなどでこすってもOK。
濡らしながらダイヤモンドパッドでこする
水をかけながら水垢部分をダイヤモンドパッドでくるくると円を描くようにこする。細かく動かすのがポイント。
水で流して乾拭きする
こすり終わったら再度水で洗い流す。水垢がつかないように乾拭きかスクイージーなどで水気を取れば完了。
水垢の落とし方|おすすめのアイテムは?
そのほかにも水垢を削り取るアイテムはたくさん販売されています。必要があれば購入して試してみてくださいね。
「水垢とりダスター」を使う
『水垢とりダスター』は、アクリル製の硬い素材が使われているため洗剤を使わずに水垢をこすり落とせる便利グッズです。これと水垢に効く洗剤を組み合わせれば、相乗効果でより汚れ落ちがよくなりますよ。
「メラミンスポンジ+歯磨き粉」を使う
『激落ちくん』などでおなじみの「メラミンスポンジ」と「歯磨き粉」を組み合わせた方法も。メラミンスポンジを軽く湿らせてしぼり、歯磨き粉をつけてこすればOK。メラミンスポンジと歯磨き粉の研磨作用でキレイに水垢が落ちます。
ただし、粒入りの歯磨き粉だと素材の表面を傷つける恐れがあるので、必ず粒が入っていないものを選んでください。
ガンコな水垢を落とす3つのコツ
ガンコな水垢は紹介した方法でも太刀打ちできないこともあります。そんなときは効果をさらに高める工夫が必要です。いくつかご紹介するので試してみてください。
● いくつかの方法を組み合わせる酸を使って溶かすのと、削り取るのは組み合わせて使うとさらに効果が高まります。
「クエン酸でふやかしたところをダイヤモンドパッドでこする」「先にクレンザーで大まかな汚れを落としてからクエン酸を使う」など、汚れ具合に合わせてアレンジしながらやってみましょう。
● 酸に長い時間浸けるガンコな水垢には酸も浸透するまでに時間がかかります。放置する時間を長めに取るのも◎。
洗剤をかけたあとにキッチンペーパーで押さえつけてさらにラップをかければ、液が垂れたり、蒸発したりしません。これでひと晩ほどおいてみましょう。
● 何度か繰り返す上の2つをやってもなかなか落とせなければ、あとは根気強く繰り返すことも大切。
何度かやっているうちに水垢はだんだんと弱ってきます。元のピカピカな輝きを取り戻せますよ。
水垢が発生しやすい場所と簡単な対処法まとめ
水垢の基本的な落とし方はご説明しましたが、おうちのなかの場所ごとで水垢のひどさも違ってきます。そこで、場所ごとの水垢の落とし方をご紹介するので参考にしてください。
洗面所やキッチンの水垢
洗面所やキッチンのシンク・蛇口のあたりに水垢ができます。特に、蛇口のつけ根には水がたまりやすく水垢がこびりついているかもしれません。
①〜⑤のどの方法でも落とせますが、酸で溶かす場合はキッチンペーパーをかぶせてしっかり浸透させるのがポイント。複雑な形をした部分はゴムなどで巻きつけ、30分〜1時間ほど放置するとふやけて落ちやすくなります。
お風呂の水垢
お風呂のなかはいたるところに水垢ができますが、なかでも手強いのが鏡の水垢です。クエン酸水を湿らせたキッチンペーパーを貼りつけて、2時間くらいおいてこすり落としましょう。
鏡は表面にくもり止めのコーティングがされていることがあるので、クレンザーなどで削る方法は不向きです。
電気ケトルなど家電の水垢
電気ポットのように水道水を入れて使うものは、水垢がたまりやすくなります。沸かしたお湯は口に入れるので、①のクエン酸を使う方法がおすすめ。
水とクエン酸を入れて沸騰させるだけで水垢がふやけてこすり落とせます。ぜひ試してみてください。
水垢は「濡れたら拭き取る」で徹底予防!
いつも水垢と格闘してきた人にとっては、クエン酸などを使うだけで今までの苦労がウソのように感じるはずです。
ただ、水垢ができてしまうと掃除の手間がかかることには変わりないので、普段から水垢にならない予防が肝心です。もともとはただの水なので、水滴は拭き取る習慣をつけましょう。
洗面所でもキッチンでもお風呂でも、使ったあとは水滴が残らないようにすると水垢がつきにくくなりますよ。