水回りの掃除で活躍するクエン酸。落ちにくい水垢汚れに強く、スルッと溶かしてくれるので重宝しますよね。
ただ、何でもキレイにしてくれるわけではありません。意外と注意するポイントがあるんですよ。
今回はクエン酸で安全に掃除するための注意点を4つ紹介します。
もくじ
クエン酸掃除の注意|落とせるのはアルカリ性の汚れ
クエン酸はレモンなどに含まれる、すっぱい成分のことです。クエン酸は食品添加物としても使われることもあり、口に入るものの掃除もできます。安全面は心配いらないものの、使い方にはちょっとした注意が必要です。
その理由はクエン酸が「酸性の性質をもつ」ということ。酸性の性質は反対側のアルカリ性の成分を分解しやすいため、基本的にはアルカリ性の汚れを落とすのに使われます。
食器用の中世洗剤などでは落としにくい「水垢」を落とせる一方で、間違えた方法で使いすぎると、有害なガスが発生したり、掃除した場所が変色したりすることも。
これからクエン酸を使った掃除をするときは次に説明する4つの注意点を忘れないでくださいね。
クエン酸掃除の注意|①塩素系漂白剤と混ぜない
クエン酸を使うときに絶対に守ってほしいのが「塩素系漂白剤と併用しない」という点です。
カビ退治をするのに便利な『カビキラー』などの塩素系漂白剤は、アルカリ性の性質を持ちます。なので、クエン酸と混ざると化学反応がおき、有毒な塩素ガスを発生させます。
特にお風呂やトイレなどの密室ではガスがすぐに充満するので「ちょっとくらいなら…」と思わず、洗剤を使う日をずらすなど工夫しましょう。
最低限はこの1点だけ守れれば危険がともなうことはありません。「水垢掃除はほかの掃除と一緒にやらない」と覚えておくと間違いありませんよ。
クエン酸掃除の注意|②劣化する素材にはNG
クエン酸を使うときの第2のポイントは「傷む素材に気をつける」という点。おうちに使われている建築材料のなかにはクエン酸などの酸と反応して劣化が早まるものがあります。初めて使うときは確認しておくと安心です。
大理石などの石材
石材は、アルカリ性の性質をもつカルシウムやマグネシウムを多く含んでいます。クエン酸をつけると溶けてツヤが消えてしまう恐れがあります。
コンクリート
タイルの目地などに使われるコンクリートはアルカリ性の性質があるので、クエン酸を使うと劣化が早まる危険があります。
鉄などのさびやすい金属
掃除したいものが鉄でできている場合、クエン酸を使うと錆の原因になります。鉄の表面にできた細かな傷から入り込み、酸化させてサビを発生させます。また、錆を落とすためにクエン酸を使う方法が知られていますが、すすぎ残しは逆に錆の原因となるので注意しながら進めてくださいね。
上の3つの素材でなくても、クエン酸の使用に不安があれば、クエン酸を薄めた液を目立たない場所に少しつけてテストしてみましょう。泡が出たり変色したりしたときは使用しないでくださいね。
クエン酸掃除の注意|③濃度は薄く
クエン酸は水に溶かして使うのが基本ですが、濃度には注意してください。クエン酸が濃いほど洗浄力もアップしますが、その分素材や手肌への影響も大きくなります。
クエン酸水は「水200mlに小さじ1杯」がベースなので、汚れの強さに合わせてクエン酸の量を増やして調整しましょう。
濃くつくったクエン酸水はふれるとピリピリとした感触があります。手荒れの原因になるので、うすめてから使ったり、ゴム手袋をしたりしてくださいね。
クエン酸掃除の注意|④長時間つけ置きしない
クエン酸は自然由来の洗剤ということもあり、作用はとてもおだやか。水垢の分解もゆっくり進むのでクエン酸水をかけて放置し、分解を待ちます。
ただ、濃度と同じように放置する時間が長いほど分解は進みますが、長くしすぎると素材を傷めてしまいます。
放置する時間は1〜2時間からはじめ、ひと晩ほどを限度に調整していきましょう。こまめに汚れ落ちを確認するようにするとトラブルを防げますよ。
使い方に注意してクエン酸での掃除を安全に
クエン酸掃除に注意点がいっぱいあると不安になってしまいますね。
とはいえ、ふだんの使いみちが鏡についた水垢などであれば大きな問題ありません。水回りは酸に強くできているので神経質にならなくても大丈夫ですよ。それ以外に活用するときは紹介した点に気をつけましょう。
最低限「塩素系漂白剤と一緒に使わない」と覚えておけば危険はありません。きちんとした使い方を押さえておけば安全に掃除できますよ。