ナチュラルクリーニングでおなじみの重曹とクエン酸。それぞれ個別で使っている人は多いと思いますが、混ぜて使うことで一味違った掃除方法に応用できるのをご存知ですか?
今回は重曹とクエン酸を混ぜる特殊な活用方法をご紹介します。
もくじ
重曹とクエン酸ってそれぞれどんなもの?
まずは重曹やクエン酸がどういった物質なのか、おさらいしましょう。
重曹は「油汚れ」に強い
重曹は、別名「炭酸水素ナトリウム」と呼ばれる物質で、見た目はただの白い粉です。料理にも使われるくらい安全性の高い素材で、ベーキングパウダーなどのふくらし粉の原料にもなっています。
重曹は水に混ぜると「アルカリ性」の性質を示し、油汚れなどの酸性の汚れを落としやすくしてくれます。
クエン酸は「水垢」に強い
クエン酸は、簡単にいうとフルーツのすっぱい成分のことで、みかんやレモンなどの柑橘類に含まれています。クエン酸の見た目は透明がかった白い粉で、サラサラしているのが特徴です。
クエン酸は水に混ぜると「酸性」の性質を示し、水垢などのアルカリ性の汚れを落としやすくしてくれます。
重曹とクエン酸を混ぜるとどうなる?
紹介した重曹とクエン酸は、それぞれ単品でナチュラルクリーニングによく使われますが、実はこの2つを混ぜたところに水を注ぐと勢いよく泡が発生させる特徴があります。
この泡の正体は「二酸化炭素」。飲料の炭酸水が泡立つのと同じ原理です。
この発泡は、「アルカリ性の重曹」と「酸性のクエン酸」が混ざったことによる中和の反応です。ガスが出てくると危険なもののように思えますが、基本的には無害なので安心してくださいね。
重曹とクエン酸を混ぜたときの「泡」は汚れを浮かせる効果あり
重曹とクエン酸を混ぜてできる泡は、キッチンやお風呂、洗面所などの排水口をキレイにする場面で活躍します。
発生する泡には、汚れに入り込んで浮き上がらせる力があり、ちょっとしたヌメリ汚れなら泡の力で触らずに洗い流すことができますよ。
ただし、汚れを分解する力はないのでこびりついた汚れまで落とせないことは覚えておきましょう。
重曹とクエン酸を混ぜる掃除の仕方は?
重曹とクエン酸を混ぜる掃除は効果を高めるためのちょっとしたコツがあります。次の手順で進めましょう。
重曹をふりかける
排水口に粉のままの重曹を、まんべんなくふりかけます。白く覆われるくらいに多めにかけるのがコツ。
放置する
重曹が汚れにしみ込むまで、15分ほど放置する。軽くこすっておくと汚れが絡んで落ちやすくなります。
クエン酸水をかける
コップ1杯の水にクエン酸をスプーン1杯ほど混ぜたクエン酸水を排水口にかけましょう。
すすぐ
泡が収まったら水道水やシャワーなどでキレイにすすぎます。残った汚れを軽くこすり洗いしたら完了です。
重曹が汚れにしみ込むまで15分ほど待つのがポイントです。しみ込んだ重曹にクエン酸がかかり、汚れの内側から発泡して浮かしてくれますよ。
重曹が十分にかかっていないと汚れ残りが出やすいので注意してくださいね。
重曹で掃除したあとにクエン酸を混ぜて仕上げるのもおすすめ
「重曹とクエン酸の中和」はほかの掃除にも重宝します。それは重曹を使った拭き掃除のとき。
重曹は皮脂汚れなどを分解するのが得意。フローリングなどのベタベタ汚れは重曹を使って拭き掃除すれば簡単に分解できます。
ただ、重曹は水に溶けにくい性質があるので拭き残しが出やすいのが難点でもあります。
そこでクエン酸水を含ませた雑巾で上から拭き直せば、2つが混ざって消えるのでキレイに仕上がるというわけです。
重曹とクエン酸を混ぜるときの注意点は?
重曹とクエン酸を混ぜてできる泡は「どんな汚れも浮きあがらせる万能な泡」と思ってしまいがちですが、実際は違います。
中和してできるのは「炭酸水」。炭酸水自体はほぼ中性で、汚れを分解する力は持っていません。
発泡の力で直にこすらずに汚れを浮かせることができるのは利点ですが、汚れの弱点がわかっている場合は重曹、クエン酸、それぞれ単独で使った方が効果が高いことは覚えておきましょう。
油汚れなどの酸性の汚れには重曹を、水垢などのアルカリ性の汚れにはクエン酸を、と汚れに合わせて使い分けてくださいね。
重曹とクエン酸を混ぜるのは泡立たせて汚れを浮かせたいとき
重曹とクエン酸の合わせ技で、排水口のイヤな汚れまでキレイに流せます。触りたくもないイヤな汚れには重宝しそうですね。
シュワシュワと泡が出る中和の反応は、見ていても気持ちがいいですよ。ぜひ一度試してみて下さい。