寒くなってくると重宝するニット。ただ、頻繁に着ていると汚れもついてきて、洗濯はどうしようか迷う人も多いのではないでしょうか。

そんなときは「手洗い」がおすすめ。ここでは、ニットの生地を傷めずに汚れを落とす手洗いの方法とコツをご紹介します。

ニットやセーターは手洗いするほうがいいの?

セーター

より合わせた繊維を編み込んでつくっているため、ニットの洋服はかなりデリケート。ふだんの洗濯と同じように洗濯機に入れてしまうと伸びたり縮んだり、型くずれします。

特にウールやカシミヤなどのデリケートな繊維を使っているものは型くずれだけでなく繊維の傷みも起こるので洗濯のときは細心の注意が必要です。

洗濯機を使わずおうちでニットを洗うなら「手洗い」がおすすめ。ここでは、普通に洗濯するよりも短時間でできて服にもやさしい洗い方を紹介するのでチャレンジしてみましょう。

ニットやセーターを手洗いするのに必要な道具は?

エマール 中性洗剤 おしゃれ着洗剤

必須
『エマール』などのおしゃれ着用洗剤
『レノア』などの柔軟剤
洗濯ネット
大きめの洗面器

洗剤は『エマール』などのおしゃれ着洗剤を使うのがポイント。おしゃれ着用の洗剤は、生地にやさしい中性につくられ刺激が少ないのが特徴。生地への負担を最小限に洗い上げることを考えてつくってあるので、デリケートなウールやカシミヤといった素材にも対応しています。

洗濯するのがむずかしそうに思えるニットも、きちんとした洗剤さえ用意しておけばおうちにある洗濯用品で十分キレイにできるんですよ。

洗剤の他には、柔軟剤や洗濯ネット、洗面器を用意しましょう。洗面器はセーターをいれても大きさに余裕のあるものが使いやすいです。バケツなどで代用しても大丈夫ですよ。

ニットやセーターの手洗い|負担をかけない「押し洗い」のやり方

ニットを手洗いでキレイにするときは「押し洗い」というやり方がおすすめ。ニットは強く握ったり引っ張ったりすると繊維が絡み合って縮んでしまうので「手のひらで押す」イメージで洗ってください。

「押し洗い→脱水→すすぐ→柔軟剤→脱水」の5ステップ。

洗面器に洗浄液をつくる

セーターの洗濯

洗面器いっぱいに水をため、水量にあわせた量の洗剤をいれます。使う洗剤によって量は異なりますが、今回使った「エマール」であれば、10mlほどが目安。

ボトル裏の案内に量が書いてあるので、参考にしながら進めていきましょう。

ニットを浸す

セーターの洗濯

軽くたたんだニットを洗浄液に浸していきます。しっかり水につけましょう。

汚れが目立つ部分には、たたむ前に直接洗剤をつけておくとさらに汚れ落ちをよくできますよ。

押し洗いする

セーターの洗濯

セーターを洗浄液に沈めたら、手のひらで押して汚れを液に溶かし出していきます。10〜20回ほど押して洗剤をしっかり行き渡らせましょう。

ゴシゴシとこすったり、力いっぱい押したりする必要はありません。軽く手のひらで押して離す、を繰り返すだけで大丈夫です。

すすぐ

セーターの洗濯

洗面器にキレイな水を入れなおし、先ほどの押し洗いと同じ要領ですすいでいきます。

今回は泡が出なくなるまでに3回くらい水をいれかえました。セーターが含んでいる水分がまわりにこぼれやすいので、洗面所やお風呂などで洗濯するのがいいかもしれませんね。

柔軟剤につける

セーターの洗濯

すすぎが終わったら再度水を交換し、水量にあわせた柔軟剤を溶かします。

セーターに柔軟剤がまんべんなく行き渡るようにかき混ぜながら、2分ほど待ちます。トリートメントのはたらきがあるので、ウールなどのデリケートな素材を使ったセーターは必ず柔軟剤を使ってケアしておきましょう。

脱水

セーター ウール 洗濯機

最後は液ごと洗濯機にいれ、15〜30秒ほど脱水します。水滴が滴らなければ大丈夫です。

脱水は長くかけると生地への負担が大きくなるので、早めに取り出すようにしてくださいね。

特に傷ませたくないニットは、押し洗いの代わりに5〜10分つけおきするだけでもOK。洗剤の液に浸すだけなので服への負担はほとんどありません。

ニットやセーターの手洗い|負担をかけない干し方

ハンガーでニットを平干し

ニットを手洗いしたあと、干すときにもポイントがあります。

水を含むと重くなって伸びやすくなります。そのままハンガーに吊るしてしまうと自重で縦に伸びてしまうので注意が必要なんです。

ニットを干すときは「日陰で平干し」にするのがベスト。物干しラックなどがあればいいですが、なければハンガーを2つ使って裾を持ち上げるなどできるだけ平らになるように工夫しましょう。

袖も宙ぶらりんだと伸びやすいので、持ち上げて物干し竿に掛けておくといいですよ。

ニットやセーターの手洗い|洗うときの注意点は?

手洗いは洗濯機とちがって様子をたしかめながら進められるので、デリケートなニットでも安心して汚れを落とせる洗い方です。

洗濯表示にしたがえば基本的にトラブルは起こりませんが、以下のポイントも押さえておくと安心です。

ニット 洗うときの注意点

洗剤を確認する

中性洗剤がない場合は普通の洗濯洗剤を使っていいかなと思ってしまいますが、これはNG。ニットはウールなど動物の毛を使ってつくられたものが多く、普通の洗剤ではゴワゴワになってしまうんです。

これは髪の毛を石鹸で洗うとゴワゴワになってしまうのと同じ。デリケートな衣類全般の洗濯に使えるので、おしゃれ着用の中性洗剤を用意しておきましょう。

温度に注意

お湯を使うと汚れ落ちがいいようにも思えますが、ニットによっては30℃以上のお湯が使えない場合があります。

事前に洗濯表示をよく確認し、できるだけ冷たいと感じるくらいの水で洗うようにしましょう。

脱水しすぎない

脱水は服に強い力がかかるので、できるだけ短い時間ですますのがコツ。あまり長くやっても効果は大きく変わらないので、1分ほどを目安に止めましょう。

多少湿り気はありますが、部屋干しでも1日で十分に乾きますよ。

「手洗い不可」マークのニットやセーターはクリーニングへ

洗濯表示

デリケートなニットには、そもそも水洗いができない洗濯表示がついていることもあります。

水洗いができないものは家庭では洗濯できません。クリーニング店でドライクリーニングでキレイにしてもらいましょう。

おうちで無理して洗っても傷みの原因になるだけです。お気に入りを長く着るためにも、洗濯表示にしたがって適切な洗い方を選んでくださいね。

大事なニットやセーターは手洗いで長持ちさせよう

ニットセーター ウール

「手洗い」と聞くとめんどくさいように思えますが、実際手を動かすのは押し洗いとすすぎだけ。かかる時間は普通に洗濯するよりも短いんです。

ニットはこまめな洗濯は不要なので、シーズンに1回くらいまとめて洗えれば大丈夫。これならお気に入りのニットもおうち洗濯で長く使えそうですね。