「テンセル」という素材をご存知でしょうか。洋服の繊維としては比較的歴史の浅い高性能な素材で、「はじめて見た!」という人も多いと思います。

馴染みのない素材でどう洗っていいか迷ってしまいますが、ここではそんなテンセル(リヨセル)の洗濯方法と注意点をまとめてご紹介します。

テンセル(リヨセル)とはどんな特徴の素材?

ブラウス

テンセルとは、ユーカリなど植物を原料に1990年代ころから「未来の新素材」として生産され始めた素材です。人体に無害な溶剤を使って糸をつむいでいるため、土に還すこともできるエコ素材でもあります。

● 丈夫
● 吸湿性・速乾性に優れている
● しなやかな風合い
● 光沢がある
 

といった点が特徴で、ブラウスやワイドパンツなどの婦人服、ユニフォーム、ストール、寝具などによく使われています。

その半面、摩擦で表面がすれて傷みやすいという弱点も。毛羽立ったり、白っぽくなったり(白化)するので取り扱いには注意が必要です。

ちなみに「テンセル」はブランド名で、正式には「リヨセル」といいます。ただ日本の洋服のタグには「テンセル」の表記で書いてあることがほとんどです。

テンセル(リヨセル)を洗濯するときのコツ

テンセルの洗濯のコツは「摩擦を避ける」ことです。

洋服の表面が毛羽立ったり、白っぽくなってしまうので、「裏返して洗濯ネットへ」「洗濯時間は短く」「乾燥機は使わない」など、できるだけ表面がこすれないよう工夫しましょう。

何に気をつけるかは「洗い方」のところでくわしくご紹介します。

テンセル(リヨセル)の洗濯に使う道具は?

洗濯ネット

用意するもの
必須
中性の洗濯洗剤
洗濯ネット

洗濯ネットは必須です。すれて表面が傷むのを防いでくれるので、少し網の目が細かい方がおすすめです。

あとは洗浄力の強い『アタック』などのアルカリ性洗剤よりも、『ナノックス』などの中性の洗剤の方が傷みが少なくすみます。『エマール』や『アクロン』といったおしゃれ着洗剤を使うさらに傷みを軽減できますよ。

テンセル(リヨセル)の洗い方は?洗濯時に注意することは何?

洗濯ネットに洋服を入れる

それでは、ここから洗濯方法をご紹介します。「洗濯機で洗う場合」と「手洗いする場合」に分けて見ていきましょう。洗濯表示を見ればどちらの洗濯方法がいいかわかりますよ。

必ず30℃以下の水で洗濯し、お風呂の残り湯などは使わないでくださいね。

洗濯機で洗う場合

洗濯機 洗濯ネット

洗濯ネットに入れる

洋服を裏返して洗濯ネットに入れて、洗濯機に入れる。

洗剤をセットする

『エマール』などの中性の洗剤と柔軟剤をセットする。

洗濯する

洗濯機のドライコースや手洗いコースなど、弱い水流でていねいに洗い上げるモードを選べば完了。

脱水時間は20〜30秒ほどに設定するのがポイント。洗濯機に脱水時間の設定ボタンがなければ、脱水中に一時停止して取り上げましょう。

手洗いする場合

手洗い

洗浄液をつくる

洗面器に水を張り、水量に合わせて中性洗剤を溶かす。洗面所のシンクでもOK。

押し洗いする

洋服を裏返して洗浄液に入れ、20回ほど押したり浮かせたりして洗う。

洗剤をすすいで脱水する

洗面器にキレイな水を張り直し、押し洗いの要領で衣類についた洗剤をすすぐ。

柔軟剤をつける

最後にキレイな水に柔軟剤を入れ、洋服をたたんだ状態で少しつける。

洗濯ネットに入れて脱水する

洗濯ネットに入れて洗濯機で20〜30秒ほど脱水すれば完了。

これでさっぱり汚れを落とせますよ。

テンセル(リヨセル)を洗濯したら、どう乾かす?

ピンチハンガーで布巾を外干しする

テンセルの洋服は、「風通しのよい日陰で平干し」が基本です。

乾燥機はぜったいに使わないようにしてください。高温で縮みがでる可能性があるうえに、槽の回転で表面の繊維も傷めてしまいます。

自然乾燥でしっかり乾かしてあげてくださいね。

テンセル(リヨセル)にシミがついたらどう洗濯すればいい?

子供服 シミ 染み抜き

テンセルでできた洋服に、食べこぼしや飲みこぼしでシミをつくることもあると思います。

染み抜きをすることはできますが、ここでも摩擦で傷めないように注意が必要です。染み抜きといえば、たたいたりこすったりするものですが、毛羽立ったり、繊維が白っぽく変化してしまうので、慎重に取り組んでくださいね。

不安があるなら、クリーニング屋さんにお願いするのが安心ですよ。

テンセル(リヨセル)の洗濯は「こすれを避ける」のがコツ!

服とハンガー

テンセルの洗濯はむずかしいことはありません。「摩擦をいかに避けるか」これだけを念頭に短い時間で洗ってあげましょう。

素材の特徴がわかっていれば、大切な洋服を長持ちさせられますよ。