キッチンなどの油汚れは、こすっても伸びて広がってしまうだけで、なかなかキレイにならないですね。そんなつい放置したくなる面倒な汚れも、「重曹」を使うことで手軽に落とせるかもしれませんよ。
ここでは油汚れの落とし方を中心に、重曹の使い方をいくつかまとめてご紹介します。身近なアイテムでおうちがキレイになるので確認してみましょう。
もくじ
油汚れに重曹が効くのはなぜ?
「油汚れには重曹が便利!」と耳にしたことがあると思いますが、これには2つの理由があります。重曹の特徴を知っておくとほかの掃除にも応用できるので、ぜひ覚えておきましょう。
酸性の汚れを分解できる
重曹は水に溶かすと「アルカリ性」の性質をもち、反対の「酸性」のものと結びつくと互いのはたらきを打ち消して、水に溶けやすい成分に変化させます。この酸性の性質をもつ代表が油汚れというわけです。
クレンザーとして使える
重曹は粒子が細かく水に溶けにくい性質があるので、水と混ざってもペースト状になります。これも油汚れに効果的で、こびりついた汚れにくっついてクレンザーのようにこすり落とせます。重曹で油汚れを落とす!キッチンやレンジに効果的?
おうちのなかで油汚れがよくつく場所といえば、キッチンですね。重曹はそのキッチン周りの油汚れをだいたい落とせる万能洗剤です。
具体的には次のような汚れに活用できますよ。
日々の掃除や、大がかりな汚れを落とすときは重曹が大活躍します。
重曹での油汚れの落とし方は3パターン
重曹の使い方は「① 水に溶かす」「② ペーストにする」「③ 粉のまま使う」の3つの方法があります。どれも簡単なので、手元に重曹があればすぐに実践できますよ。
それぞれどんな使い方なのか詳しく見てみましょう。
① 水に溶かす
洗剤を使う感覚で手軽にシュッと吹きかけてタオルで乾拭きするだけで、軽い油汚れなら簡単に落とせます。
スプレーの作り方は、コップ1杯の水(約200ml)と重曹小さじ2杯(約10g)をスプレーボトルなどに入れてよく混ぜ合わせるだけ。これでただの水がアルカリ性をもつ洗浄液にあっという間に早変わりします。
3つの掃除法のなかで1番使い勝手がよく、キッチンの床や壁、換気扇、電子レンジ内などさまざまなところに使えますよ。
② ペーストにする
酸性汚れの分解とクレンザーとしての役割、その両方をうまいバランスで活かせる方法です。油汚れなどに塗って放置すると汚れが落ちやすくなりますよ。あとは雑巾やスポンジなどでこすればスルッと落とせます。
基本は「重曹と水を2:1の割合で混ぜたペースト」を使います。油汚れの具合によって、ベタベタ汚れには「重曹と液体石鹸を3:1に混ぜたフワフワペースト」、頑固なこびりつきには「重曹と液体石鹸を4:1に混ぜたジャリジャリペースト」と配合を変えると効果的。
③ 粉のまま使う
研磨効果が1番活かせる方法で、特別な準備はいらず、重曹を粉のまま汚れにふりかけるだけです。あとは濡れ雑巾やスポンジ、ラップなど、掃除場所にあわせた道具でこすり、仕上げに乾拭きをして完了です。
コショウなどの調味料入れに重曹を入れておけばとっても便利。コンロの周りはとくに有効ですよ。
重曹で油汚れを落とす!キッチンの換気扇
今回は換気扇のフィルターにたっぷりついた油汚れがどこまで落とせるのか、実際に試してみました。
① 重曹を粉のままふりかける
まずは新聞紙の上にフィルターの汚れた面を上にして置き、たっぷりと重曹をふりかけます。
② 3時間ほど放置する
そのまま3時間ほど放置して油汚れが吸着されるのを待ちます。
③ ティッシュでこする
ティッシュでこすっておおまかな汚れを落とします。こすってみると、ベタベタの汚れがスルスル落ち、銀色の金属が出てきました。
④ 洗う
シンクに移し、最後に軽くスポンジで仕上げ洗いをしたら完了。重曹だけでここまでピカピカになりました。
フィルターなどの取り外せる部品は、重曹をまぶして油汚れを吸着させる方法で、水をほとんど使わなくてもキレイにできました。
頑固な油汚れを重曹で落とすにはひと手間加えるのが◎
キッチンのコンロ周りにあるような、ガンコにこびりついた汚れは重曹を使ってもなかなか落とせないことがあります。そんなときには、重曹水を一度沸騰させると効果的。
アルカリ性の強さはpH(ペーハー)という指標で表され、温める前の重曹のpHは8.2。熱を加えると「炭酸ソーダ」に変化してpHが11.2まで高まり、より油汚れが落ちやすくなります。
触れるくらいまで冷めてから、雑巾などに含ませて汚れを拭いていきましょう。重曹をそのまま使うよりも汚れ落ちがいいですよ。コンロの五徳などは鍋に直接入れ、重曹水で一緒に煮てもキレイにできます。
ただし、洗浄成分が強くなって肌への負担も少しだけ増すため、肌の弱い人はゴム手袋をつけると安心です。
油汚れを落とすときに重曹とクエン酸をあわせて使うのもおすすめ
アルカリ性の性質をもつ重曹とは反対に酸性の性質をもつのがクエン酸です。重曹とクエン酸を混ぜ合わせと「中和」という反応がおき、ブクブクと泡が発生します。この発泡を利用して汚れを浮かせるのが重曹とクエン酸の合わせ技です。
やり方は簡単。重曹スプレーを汚れに吹きかけて放置したあと、水に溶かしてスプレー状にしたクエン酸スプレーをその上から吹きかけ、最後に汚れを拭き取るだけ。
クエン酸だけで油汚れを落とすことはできませんが、重曹と合わせることで汚れを浮かせる働きをしてくれるのでとても便利ですよ。
重曹で油汚れを落とすときの注意点
油汚れを落とすのに便利な重曹ですが、2つ注意することがあります。それぞれ詳しくご紹介するので、確認してみてくださいね。
キズがつきにくい素材か確認する
プラスチックや漆器などのやわらかい素材は重曹を粉のまま使ってこすると傷がつきます。重曹水にしてしまえば問題ありませんが、粉の状態で使う場合には素材の確認をしておきましょう。
アルミには使わない
アルミは重曹と反応して黒ずみを起こしたりコーティングを剥がしたりトラブルの原因になってしまいます。重曹水などを温めるときにアルミ製の鍋を使わないよう気をつけましょう。
重曹で油汚れをスッキリ落とそう
油汚れをスッキリ落としてくれる重曹は、スプレーにしておけばいつでもサッと使えて便利です。リビングやキッチンが清潔な空間になりますね。
重曹は、油の汚れ落としだけでなく消臭などにも使える家事に必須のアイテムです。100均でも手に入る身近なアイテムなので、手軽におうちのキレイを保てますよ。
ほかにどんな使い方があるか気になる人は、次の記事も参考にしてみてくださいね。