「シャツにコーヒーをこぼした!」「ごはんのときにケチャップがかかった…」など、洋服にシミをつけた経験はだれでもあると思います。そんなとき染み抜きのやり方を覚えておくと便利です。
ただ、染み抜きのやり方を間違えると失敗して色落ちしたりすることも…。そこで今回は、染み抜きを失敗しないために注意したいことをまとめました。
もくじ
染み抜きならピンポイントで汚れを落とせる
染み抜きとは、汚れがある部分だけを洗剤でキレイにする方法のことです。
洗濯前の「下処理」としておこなうことで、洗浄効果が高まってお気に入りの服をキレイにできます。
衣類にはケチャップやカレー、コーヒーなどの食べこぼし・飲みこぼし、泥、皮脂などさまざまな汚れがつきますね。そんな場合は、すべて染み抜きの出番ですよ。
特に色物を染み抜きするときは、丁寧に行う必要があります。次から紹介するポイントをおさえて、染み抜きを失敗しないようにしましょう。
色物の染み抜き!素材をチェックする
染み抜きで汚れがキレイになっても、服自体の色が落ちたり、傷んだりしてしまっては元も子もありません。
染み抜きをはじめる前に最低限「水洗いできるかどうか」は必ず確認しましょう。普段よく洗濯している洋服なら問題ありませんが、あまり洗ったことのないおしゃれ着などは確認しておくと安心です。
綿100%でも洗濯できるものとできないものがあるように、洋服一つひとつで洗い方がことなるので注意してくださいね。
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色物の染み抜き!汚れを見極めて洗剤を選ぶ
洗える洋服だとわかったら、次は汚れの確認。
服につくシミ汚れには大きくわけると3種類しかありません。それぞれに特徴があり、どんな道具で落とすのかもちがってきます。
① 水溶性の汚れ
醤油やオレンジジュース、お酒、コーヒー、お茶、血液などが水溶性の汚れ。
字のごとく水に溶けやすいのが特徴です。通常の洗濯だけでも十分落ちやすいのですが、ちょっと染み抜きするとキレイさっぱり落とせます。
色素が強い場合やついてから時間がたった場合、熱などで変化して落ちにくい場合などは『キュキュット』などの「食器用中性洗剤」を使うとキレイに落とせます。
② 油溶性の汚れ
チョコレートや口紅、機械油、化粧品、ペン類などがこの油溶性の汚れに当たります。
油溶性のシミは油分を多く含んでいるのが特徴で、そのまま洗濯機で洗うだけでは水を弾いてしまい、なかなかキレイになりません。
このシミにも食器用洗剤が使えますが、それより効果があるのは「クレンジングオイル」です。油には油が効果的。化粧を落とすときと同じ原理です。
③ 不溶性の汚れ
書道の墨汁や泥汚れ、ホコリ・ちりなどが該当します。
不溶性の汚れは、字のとおり水や油など、何にも溶けない汚れのこと。衣類につくとかなりやっかいな汚れです。
この汚れは、化学反応を起こしてシミを落とすか、物理的に汚れの粒子を押し出す必要があります。使う洗剤は汚れによってかなり違うので、それぞれ確認しましょう。
色物の染み抜きは「熱」の力を利用する
染み抜きはほとんどの場合、次の準備とステップで進めていきます。
用意するもの- 必須
- 洗面器(洗面所のシンクでも可)
- タオル
- 歯ブラシ
- 汚れにあった洗剤
色落ちしないか確認する
目立たない部分に洗剤を直接染み込ませ、数分おいてタオルを当て、服の色が落ちないか確認。
シミに洗剤をかけタオルを当てる
洗剤を先に染み込ませてそこにタオルを当て、洋服を裏返す。
シミの裏側から叩く
歯ブラシや綿棒などを使ってシミの裏側からトントンたたく。タオルに汚れを移していくイメージ。
洗面器にぬるま湯を入れ、衣類を浸す
よくすすいで汚れと洗剤を落とす。ゴシゴシこするとシミが広がるので注意。
洗濯機に入れる
いつも洗濯している手順で洗濯機で洗えば完了。
40℃ほどのぬるま湯を使うことで、油が溶けやすくなる上に、洗剤の洗浄力も高まって汚れが落ちやすくなります。
色物の染み抜きのポイントは、時間を開けないこと
洋服にシミがついてしまったら、下記のポイントに気を付けて染み抜きしましょう。
できるだけすぐに対応するのがキレイに落とすコツです。空気に触れる時間が長いほど、汚れが定着してしまいます。
「シミがつく→染み抜き→洗濯機で洗う」までの時間がなるべく短くなるように意識しましょう。
ただし、出先ですぐに染み抜きができない場合もあると思います。ティッシュでおおまかな汚れをつまみ取り、軽く濡らしてトントンたたくなど応急処置だけしておきましょう。
ついついティッシュやおしぼりなどでこすってしまいがちですがそれはNG。汚れが伸びたり、繊維に傷がついたりしてしまうので、たたくように汚れを落とすのがポイントですよ。
色物の染み抜きは市販のグッズを活用する
染み抜きは基本的におうちにある道具だけでできますが、市販のグッズを活用すればより汚れ落ちがよくなったり、時間をかけずに落とせたりします。
作業の時間が短ければ生地への負担も減るので、より長くお気に入りの洋服を楽しめますよ。
『プレウォッシュ ステインリムーバー』(ドクターベックマン)
ベルリン発のランドリーケアブランド「ドクターベックマン」の染み抜き洗剤。皮脂汚れの分解を促進する成分を配合し、水洗いでも高い染み抜き効果を発揮します。トマトソース、チョコレートなど油と色素が混じったシミにも使えます。
『超音波ウォッシャー』(シャープ)
染み抜き用に開発されたクリーナーで、毎秒38,000回の超音波振動でどんどん汚れを弾き飛ばすすぐれもの。汚れ落ちがよく、生地への負担もすくなくすみます。染み抜きの機会が多いなら、1つあると重宝しますよ。
『A ベンジン』(大洋製薬)
ベンジンは石油からつくられた溶剤で、油をふくむシミを落とすときに便利な道具です。歯ブラシなどに含ませてトントン叩くだけでどんどん油を溶かします。火気の近くを避けて、換気しながら作業しましょう。
色物の染み抜きで無理は禁物
そもそも水洗いできない洋服、色落ちが心配な洋服、高価な洋服などは、いさぎよくはじめからクリーニングにお願いすることも大切です。
無理におうちで染み抜きするとシミが伸びるだけでなく、定着して落ちない汚れになったり、洋服自体の色を落として元に戻せなくなったりする可能性もあります。
おうちで洗濯するよりもクリーニングに出したほうがキレイに仕上がります。必要があればプロの力も借りましょう。
色物の染み抜きのコツを覚えて失敗を防ごう
染み抜きは難しいイメージがあるかもしれませんが、汚れを見極め、それにあう洗剤で汚れを落とすだけです。できるだけ時間をかけずにシミ汚れを押し出すのがポイントですよ。
染み抜きを覚えて大事な洋服をいつまでも長く楽しみましょうね。