お風呂のイスや洗面器、鏡などに白く浮き出た汚れはありませんか?それは「石鹸カス」かもしれません。石鹸の泡がこびりついてできたもので、普通のお風呂用洗剤では落ちないのが特徴です。まったく落ちずに、諦めてしまっている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は石鹸カスとはどういうものか、掃除する方法について詳しくご説明します。
石鹸カスって何?なぜ落ちないの?
もともとはお湯で泡立てて使っていたはずの石鹸が、どうして掃除で落ちない汚れになるのでしょうか?
これは、石鹸に含まれる「脂肪酸ナトリウム」と水道水に含まれる「カルシウム」が反応しあって性質が変化するからなんです。
石鹸カスは別名「金属石鹸」とも呼ばれ、水に溶けずに固くこびりつくので、スポンジでこすり洗いしただけでは落ちません。
お風呂の石鹸カスの掃除方法!おすすめ洗剤は?
一度こびりついた石鹸カスは、一般的なお風呂用の洗剤を吹きつけてこすっても落ちません。やみくもに力を入れてこすっても疲れてしまうだけです。
「酸性洗剤」を使えばスルッと落とすことができます。石鹸カスはアルカリ性の性質をもつミネラル成分が元になっているので、酸性で中和して溶かして落とせるというわけです。
酸性洗剤には以下のようなものがあるので、石鹸カスに吹きつけて放置しておくだけでキレイになりますよ。 (※1)
『お風呂用ティンクル すすぎ節水タイプW』(KINCHO)
CMなどでおなじみの『ティンクル』はお酢の力を使った酸性洗剤です。ガンコなヌメヌメやザラザラを簡単に落とせますよ。
『茂木和哉』(きれい研究所)
『茂木和哉』はもともと水垢落としのために作られた、酸性成分と研磨材が一緒になった洗剤です。石鹸カスもこれで落ちるのでお風呂掃除に1本あれば、ガンコな汚れはほとんど落とせますよ。
石鹸カスにはクエン酸も効く?使い方は?
「石鹸カスは酸性洗剤を買わないと落とせないの?」と思うかもしれませんが、おうちにある身近なもので落とせることもあります。それが「クエン酸」です。重曹などとあわせて常備している人も多いのではないでしょうか?
クエン酸は酸性の性質があるので、酸性洗剤と同じように石鹸カスを溶かしてくれます。
クエン酸を水に溶かす
約200mlの水に小さじ1杯のクエン酸を溶かします
キッチンペーパーにクエン酸を染み込ませる
キッチンペーパーを石鹸カスにかぶせ、クエン酸をかけます
石鹸カスにキッチンペーパーを貼り付けて放置
30分〜2時間ほど放置します
スポンジでこすり落とす
漬け置きしたあとはスポンジで石鹸カスをこすって落とします。
酸性洗剤に比べて力が弱いので一度でキレイに落とせるわけではありませんが、少しずつ石鹸カスを落とせます。
クエン酸がなくても食用のお酢でも同じ効果を得られます。作業中の臭いはきついですが、お酢の原液にキッチンペーパーを浸して貼りつけてみてください。
それでも落ちない石鹸カスはどう落とす?
クエン酸などの酸性洗剤を使ってもうまく落ちないのは、石鹸と水道の成分以外にも皮脂などの油汚れが混じって、汚れが何層にも重なっているため。
次の方法で、ザラザラ汚れを物理的に剥がし取ればピカピカになりますよ。
クレンザーでこする
もっともメジャーなのが、研磨剤入りの洗剤「クレンザー」を使う方法。石鹸カスによるザラザラを剥がし取ってくれますよ。
重曹でこする
クレンザーの代わりに重曹を使うのもおすすめ。重曹の粒が研磨剤のはたらきをして、ザラザラを絡め取ってくれます。おまけにクエン酸とは反対のアルカリ性の性質があるため、皮脂汚れを落とすのにも効果的です。
石鹸カスは毎日の一手間で予防するのが一番
石鹸カスは放置しておくほど落ちにくくなります。そんな掃除をちょっとでもラクにするには、日頃からお風呂や洗面所などを使ったら、石鹸カスができそうな場所を軽くスポンジでこすることです。
石鹸と水道水が反応する前に落とせば、石鹸カスができにくくなります。
普段の生活で石鹸を使っていれば、石鹸カスができるのは仕方のないことです。石鹸カスはできやすいものだとわかったうえで、日々のちょこっと掃除で予防していきましょう。
※1 酸性洗剤と『カビキラー』などの塩素系漂白剤が混じると体に有害なガスが発生して危険ですので、同時に使用しないでください。