鞄や靴など、身のまわりに多くある革のアイテム。高級感がある一方で、カビ汚れができやすいなど、デリケートなのも特徴のひとつです。

そんな革製品にカビが発生してしまったときの対処方を今回はご紹介します。落ち着いて手入れしてあげれば、元通り使えるようになりますよ。

革製品にカビが生える原因は?

革製品のバッグについたカビ

革にカビができるのは「革自体がカビの栄養になる」から。

一般的にカビが繁殖するには「湿気」や「汚れ(食料)」が必要ですが、革の場合は革そのものがカビにとっての食料になるので、あとは「湿気」さえあれば繁殖できてしまう状況なんです。

ただ救いなのが、革に生えるカビは「白カビ」がほとんどという点です。カビと聞くと根を張ってガンコにこびりつくイメージがありますが、白カビは表面にくっついているだけなので、すぐに対処すれば簡単にキレイに戻せるんですよ。

革製品のカビ取り方法は?

革製品に生えたカビを取り除くには、下記の4つの方法があります。

ブラッシングでこすり落とす

革靴 ブラシ 靴磨き

ブラッシングや水拭き+乾拭きで表面的なカビを落とす方法。初期段階のちょっとした汚れやカビであれば目立たない程度にカビは取れます。

革専用クリーナーで汚れと一緒に掃除する

クリーム 革靴 ブラシ お手入れ

革専用のクリーナーを使って、カビを含めたホコリなどの汚れも一緒に掃除する方法。クリーナーで拭いたあと、補修クリームなどで失った油分を回復させてあげましょう。ケアもできて一石二鳥ですよ。

消毒液を含ませた布で拭く

革 ソファ

パストリーゼなどのアルコール分を含んだ消毒液で、カビを除菌する方法もあります。この方法はカビに有効な反面、アルコール分が革製品のコーティングを剥がしたり、革を変色させたりする可能性も。

一部分を拭いてからしっかり乾燥させ、変色しないことを確認してから全体に使うよう注意しましょう。下記で詳しく解説しますね。

革専門の修理業者へ依頼する

革靴 雨

革製品も色合いやコーティングが場所によってさまざまなので、専門業者へ依頼するのが最も安心・安全な方法です。お金と時間に余裕がある方は、衣服のクリーニングと合わせて依頼するのも1つの手ですよ。

革製品のカビの取り方を解説|革専用クリーナーを使った方法

ここではまず、革専用クリーナーを使ったカビの落とし方を詳しく解説します。

革製品 カビ取り

必須
革用のブラシ
革用の掃除クリーナー
革用の掃除クリーナー用の布(目が粗い)
あると便利
革用のケアクリーム
革用のケアクリーム用の布(目が細かい)

  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り

ベランダや玄関先に移動する

カビを含んだホコリが舞うので外で作業できる場所に移る。マスクをしておくと安心

ブラッシングで汚れを落とす

革製品をブラッシングして大まかな汚れやカビを払い落とす

クリーナーを布につけて革製品をこすって汚れを落とす

カビの部分以外もクリーナーで掃除する場合は布の利用部分を変える

ケアクリームを布につけて革製品に塗る

布クリームを取り、全体に塗り込んでいく

しっかり乾燥させる

全体に塗ったら1時間ほど日陰に放置して浸透するのを待つ

乾拭きする

布で革製品を磨く。目の細かい布を使うとよりツヤが出る

しっかり乾燥させる

日陰で風通しの良い場所におく。湿気があるとカビが再発生しかねないので半日ほど日陰の風通しのいい場所で乾燥させる

クリームを塗った後と乾拭きをした後、それぞれきちんと乾かすことがポイントです。

革製品のカビの取り方|アルコール除菌液を使った掃除方法

次に、アルコール除菌液を使ったカビ取りの方法を解説します。

パストリーゼ 

必須
『パストリーゼ』などのアルコール除菌スプレー
革靴用のブラシ
ティッシュ
あると便利
革用の掃除クリーナー
革用の掃除クリーナー用の布(目が粗い)
革用のケアクリーム
革用のケアクリーム用の布(目が細かい)

基本的な手順は、革専用クリーナーを使った掃除方法と同じです。

消毒用アルコールはすぐに蒸発するので直に触っても問題ありません。除菌液を使って次の手順でカビを落としていきます。

  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り
  • 革製品 カビ取り

ベランダや玄関先に移動する

カビを含んだホコリが舞うので外で作業できる場所に移る

ブラッシングで汚れを落とす

革製品をブラッシングして大まかな汚れやカビを払い落とす

除菌液で変色しないかテストする

アルコールを含ませたティッシュで目立たない場所を拭き、5分ほど待って色落ちなどが起こらないかたしかめる

ティッシュでカビをこすって落とす

アルコールを含ませたティッシュで、カビを中心に全体を拭いていく。ティッシュはこまめに取り替えるのがポイント

乾かす

数分待って、アルコールが乾いたのを確認する。

ケアクリームを塗る

布にクリームを取り、全体に塗り込んでいく。全体に塗ったら1時間ほど放置して浸透するのを待つ。

乾拭きする

別のクロスを使って乾拭きし、表面に余ったクリームを落とす。

干す

湿気が原因でカビが発生したので、半日ほど風通しのいい場所でしっかり乾燥させれば完了。

アルコール除菌のタイミングで革を傷める可能性があるので、あらかじめ目立たない部分に馴染ませて劣化しないかテストしてみてくださいね。

革製品のカビ予防!湿気の高さと通気性の悪さは大敵

革製品のカビを退治したら、今後は同じようなことで困らないよう、ふだんからカビ対策を心がけましょう。

「湿気をためない」を念頭に、次の2点を意識してくださいね。

こまめに干す

革靴

鞄や革靴など、革製品は一度使っただけでも湿気を含んでしまいます。そのまま収納すると湿気がこもった状態になってしまうので、しまう前に一晩干しましょう。長期間収納する場合も、数ヶ月に1回は干すとカビ予防に効果的です。

風通しのいい場所で保管する

玄関

もう一つ収納場所もポイントです。できるだけ風通しのいい場所にしまいましょう。下駄箱や引き出しなどは空気がこもりがちなので、保管方法を見直してください。

革製品のカビ取りにおすすめ|ブラシや布(クロス)

革製品のカビを取る上で掃除グッズを準備することはとても大切です。初めて革製品を手入れする方は次のブラシや布、一式ケアセットなどを参考にしてみてください。

『レザーケアキット 革財布・バッグ・革小物ケア4点セット』(コロンブス)

税込価格
2,970円

シューズケアメーカーのコロンブスが販売しているレザーケアキットです。ブラシと布、クリームのばしのスポンジ、ケアクリームの4点がセットになっています。

何を買えばいいのかわからない人や初めて革製品をケアする人におすすめです。

『シューケア 靴磨き ホコリ落とし用ブラシ』(エム・モゥブレィ)

靴磨きに使われるホコリ落とし用のブラシです。革製品用のブラシを持っていない人におすすめで、ブラシは1つもっていくだけでカビ取りの手間が断然楽になります。

税込価格
550円

『靴クリーム塗布用ブラシ ジャーマンブラシ』(コロンブス)

100年以上の革製品のケアグッズを販売してきたコロニルが販売するブラシです。上質な革製品にも使用できる質の高さがポイント。

毛の範囲が広いので大きめのバッグなどの革製品を扱っている人にもおすすめです。

税込価格
550円

『ポリッシングクロス 』(コロニル)

コロンブスが販売しているケアクリームを伸ばす用のハンディブラシです。

模様やデザインに凹凸のある革製品を使っている場合などは、こういった形のブラシを使うことで溝の奥までキレイにクリームを浸透させられます。

税込価格
440円

革製品のカビ取りにおすすめ|リムーバーやクリーナー

革製品には専用のクリーナーやリムーバーといった汚れ落としグッズが販売されています。

革製品の繊細さを理解して作られているので、革への負担が少なく汚れを落とせます。また、ケア用品を使いこなすことで製品が長持ちするので愛用の革製品がある方はぜひ参考にしてみてください。

『革製品の防カビに レザーキュア・カビ用ミスト』(コロンブス)

コロンブスが販売するカビ落としにも、カビの予防にも使える革専用ミストタイプのクリーナーです。無色なのでどんな革製品にも利用できます。

税込価格
3,961円

『レノマットリムーバー』(サフィール)

サフィールが販売する掃除に特化した革専用のリムーバーです。カビの除去もできるのが特徴でサフィールが販売する3つのリムーバーの中で洗浄力があります。とはいえ革専用なので初めての方でも安心して使えます。

税込価格
1,760円

『皮革用汚れ落とし クリーニングローション 125ml』(サフィール)

こちらもサフィールから販売されている掃除用クリーナーです。サフィールが販売する3つのリムーバーの中で1番バランスよく洗浄力や保湿性が保たれています。日々の掃除とケアにおすすめです。レノマットリムーバーよりも保湿と栄養分が少量含まれており、ケア後の光沢感も期待できます。

税込価格
1,760円

革製品のカビ取りにおすすめ|ケアクリーム

革製品にケアに欠かせないのが革製品用のクリームです。革を長持ちさせるための保湿効果や栄養分がふくまれており、革本来の光沢や肌触り、色合いを維持したり、蘇らせてくれたりします。

『ユニバーサルレザーローション』(サフィール)

サフィールから販売されている革専用のリムーバーです。サフィールが3つ販売しているリムーバーの中で最も保湿や栄養分、光沢成分が含まれています。残り2つに比べて多少、洗浄力は劣るものの、一度もケアをしたことの無い革製品に使うのであればこちらがおすすめです。

税込価格
1,760円

『1909 シュプリームクリームデラックス』(コロニル)

ドイツの老舗ブランド「コロニル」のクリームは人気の商品。一般的なスムースレザーをはじめ、デリケートレザーやソフトレザーなど革製品全般に使えるのが特徴です。月に1回ほど塗り込んであげれば、美しいツヤをキープできますよ。

税込価格
1,566円

『ミンクオイル (50cc) RSO016』(RSタイチ)

革製品のレザースーツやグローブ、ブーツ専用に作られたミンクオイルです。革製品に必要な油分を取り戻し、革本来の味を引き立ててくれます。

税込価格
610円

革製品のカビ取りには素材に合うクリーナーか専門店に依頼するのが◎

革製品 カビ取り

革製品はとくにカビが発生しやすいアイテムのひとつ。高価なものも多いので、カビができているのを見つけたらできるだけすぐに対処しましょう。

「アルコール除菌スプレー」を使えば簡単に落とせるので、焦らずしっかり対応してくださいね。