使い込むほどに「味」が生まれる革の鞄やバッグ。ただ、その変化を楽しむためには、日々の手入れが必要だとご存知でしたか?
今回は、大切な鞄やバッグをよりキレイに、より長く使うための手入れについてご紹介します。どんどん愛着も深まりますよ。
革の鞄やバッグに手入れが必要な理由
革の鞄やバッグを持っている人で、買ってから一度も手入れをしたことがない…という人は多いかもしれません。
しかし、ふだん生活していると不意の雨で濡れたり、衣類にたえず擦れたりして、革にとっては過酷な環境なんです。しかも、汚れを吸着してシミをつくりやすいデリケートな素材。
何年も長く使っていきたい愛用品なら、こまめな手入れがとても重要ですよ。
革の鞄やバッグの手入れに必要な道具は?
- 必須
- 革用のクリーム
- クロス
- 汚れ落とし用の消しゴム
- あると便利
- 革用のクリーナー
- 防水スプレー
革の鞄やバッグの手入れには、最低限「革用のクリーム」と拭き取り用の「クロス」、汚れを落とす「消しゴム」の3つが必要です。
少しこだわりたい場合は、「クリーナー」と「防水スプレー」もあると便利。
はじめての手入れだと、どんな商品があるのかわからないと思うので、ここでいくつかケア用品とその役割について紹介します。おうちになければぜひそろえましょう。
『1909 シュプリームクリームデラックス』(コロニル)
革は使っていくうちに乾燥して、どんどん表面がカサカサになってきます。ほうっておくとヒビ割れなどのトラブルを引き起こすので、クリームで油分などを栄養補給し、柔軟性を与えてあげる必要があります。
この『1909 シュプリームクリームデラックス』は、バリエーションが豊富で革に色にあわせて7色のクリームから選べます。バッグはもちろん革全般のケアに使えるので、ひとつあると重宝しますよ。
『ソフトガミ』(コロニル)
『ソフトガミ』は単発の汚れ落としに便利な、革用の消しゴムです。ゴシゴシこするだけで汚れを絡め取って落とせるすぐれもの。
ちょっとしたシミ汚れはこすれば、あっという間に元通りに落とせますよ。
『デリケートクリーム』(コロニル)
名前に「クリーム」と入っていますが、革表面の汚れを落とすクリーナーです。
革のなかでもとくにデリケートな素材向きにつくられています。汚れ落としと同時に、少しだけオイルメンテナンスの効果もプラスできます。
『ウォーターストップ』(コロニル)
『ウォーターストップ』は革専用の防水スプレーなので、革への負担が少ないのが特徴。
シューと吹き付けると染み込んで、生地に直接防水機能をプラスします。水や汚れを弾いて、劣化を防いでくれますよ。
革の鞄を手入れする方法は?
必要な道具を用意したら、いよいよ手入れ。
毎回ていねいに手入れするのはむずかしいので、「ふだんの手入れ」と月に1度の「念入り手入れ」に分けて考えるとムリなく続けられますよ。
ふだんの手入れ
ふだんの手入れは、その日についた「汚れを落とす」だけで大丈夫。汚れを見つけたら「ソフトガミ」を使ってこすり落としましょう。
鞄の底面や洋服とこすれる部分はとくに汚れやすいので、念入りに確認してみてくださいね。
念入り手入れ
ふだんから汚れをこまめに落としていれば、月に1度の念入り手入れは「クリームを塗る」だけです。
クリームをクロスに少し取り、できるだけ薄くまんべんなく塗り込んでいきましょう。あとは数時間放置してクリームがしみ込んだら、乾拭きして仕上げれば完了です。
革の鞄に汚れがついたときの手入れの仕方は?
ふだん何気なく生活していても、鞄にはさまざまな汚れがつきます。
軽い汚れなら消しゴムでこすりおとせば大丈夫ですが、「雨によるシミ」「インク汚れ」「手垢による黒ずみ」などは、それぞれ対処法やポイントがことなります。どうすればいいのかチェックしましょう。
雨によるシミ
たかが雨と思いがちですが、雨滴を放置すると水玉模様のシミができてしまいます。
雨で濡れたら「水に濡らして固くしぼったクロスで拭き、風通しのいい場所で乾燥」させましょう。水拭きには汚れを拭き取りつつ、染み込んだ水分をなじませる効果もあります。
乾いたときにカサつきを感じるようなら、クリームを塗り込んでおけば完璧です。
インク汚れ
仕事に使う鞄やバッグだと、ボールペンのインクなどで汚れてしまうことも少なくありません。
インクの汚れはかなりガンコで落としにくいので、「定着する前にできるだけ早く取り除く」のがポイント。
消しゴムで大まかなインクをこすり落としたら、紹介した「デリケートクリーム」などのクリーナーを活用してやさしくこすれば元通りになります。
手垢の黒ずみ
持ち手部分は、長いあいだ手が触れるため手垢がたまって黒ずんできます。
「消しゴムのカスが白くなるまでていねいにこすった後、デリケートクリームで拭き掃除」しましょう。消しゴムの摩擦で革に負担がかかるので、最後にクリームで栄養補給するのがポイントです。
ふだんからこまめに取り除くようにすると、苦労して汚れを落とす手間を省けますよ。
革の鞄やバッグの手入れをラクにするコツは?
革のバッグやカバンは、使う前のひと工夫や保管の仕方ひとつで、手入れの手間を少なくできます。次の2点を心がけてみてください。
防水スプレーをかける
革は水や汚れに弱いデリケート素材。あらかじめ防水スプレーをかけて撥水効果をもたせておくと、汚れにくくなります。
スプレーは市販のアウトドア用のものでも大丈夫ですが、紹介した『ウォーターストップ』のような革専用のものがベター。
「表面が塗れるくらいまでたっぷり吹きつけたら数時間乾かし、再度スプレーする」を2回ほど繰り返せば防水成分がなじんで、しっかり水を弾くようになります。
防水効果はだんだん弱まるので月に1回ほど軽くかけ直してくださいね。
保管方法に注意する
革のバッグや鞄をキレイなまま長く使うには、保管方法にもコツがあります。
「フックのような細いものに吊るさない」「風通しのいい場所で保管する」の2つを意識してみてください。
細いものに吊るすと狭い範囲に強い力がかかった状態になり、型崩れの原因になります。また、革は湿気が苦手なので、風通しがよくジメッとしにくい場所で保管すると傷みを防げます。
革の鞄を手入れして長持ちさせよう
落ち着いた雰囲気を演出できる革のバッグや鞄は、できるだけ長く楽しみたいですよね。革素材はとてもデリケートなので、こまめな手入れが不可欠。
ふだんは汚れを落とすだけで、月に1回クリームを塗り込むのが長持ちの秘訣です。それほど手間もかからないので、ぜひ習慣にしてみてくださいね。