肌ざわりが気持ちよく、使い込むほどに風合いが変わって楽しめる「革」のアイテム。ただ、経年変化を楽しむためには何もしなくていいわけではありません。
ここでは、革素材を扱ううえで基本となる「手入れ」のコツをご紹介します。適度な手入れで革製品を長持ちさせましょう。
革製品は手入れが必要?しないとどうなる?
リュックや財布、ジャケット、靴など、本革素材のアイテムは多く、スベスベな肌ざわりや高級感のある雰囲気を好んで使っている人も多いと思います。
長く使うあいだにやわらかくなって独特のツヤが生まれる楽しみがありますが、実はそれは定期的なケアがあってこそ。
そもそも「革」は、動物からとった皮ふを加工して仕上げた天然素材なので、人間の肌と同じようにデリケート。なので、定期的に手入れしてあげないとすぐに使えなくなってしまいます。
手入れと聞くとなんとなくむずかしそうなイメージがあるかもしれませんが、むずかしくありません。こまめにケアしてあげると愛着もわいて経年変化をより楽しめますよ。
革製品の手入れに必要な道具は?
- 必須
- 革用のクリーム
- 革用のブラシ
- 拭き取り用のクロス
手入れに使うのはたった3つだけ。はじめて手入れをする人なら、クリームだけは必ず準備しましょう。
ブラシはやわらかい毛素材のものであれば何でもOK。革靴用のブラシで代用できます。クロスも、いらないTシャツを切ってハギレにしたもので大丈夫。使い捨てにできるので、手入れの後処理がラクになりますよ。
もしこれから新たに道具をそろえるなら、次のような商品があると便利です。参考にしてみてください。
『レザーケアキット』(COLUMBUS)
革の手入れははじめてで、道具をまったく持っていない!という場合は、ひとまとめになったケアキットがおすすめ。
革財布やバッグなど、革小物全般に幅広く使えるので、1つ用意しておくと何かと重宝しますよ。
『1909 シュプリームクリームデラックス』(コロニル)
革用品に使うクリームは、ドイツのレザーケアブランド「コロニル」のクリームがおすすめです。
革靴やバッグなど、つるつるした革素材であれば何に使っても大丈夫。クリーニングのプロも使うクリームなので、大切な一品に使ってみてくださいね。
『馬毛ブラシ』(コロニル)
革の手入れには、天然毛のブラシが向いています。コロニルの馬毛ブラシは弾力性にたけ、汚れを効果的にかき出してくれるのが特徴。
クリームにもなじみやすいので、仕上げの磨き作業などにも使えるのがうれしいポイントです。
革製品の手入れ方法は?
手入れ用品をそろえたら、あとは実際に手入れするだけ。革製品であればほとんどが同じ手順で手入れできます。
「汚れ」と「湿気に弱い」素材のため、手入れもその2点を意識するのがポイント。ふだんの手入れと、雨に濡れたときで対処法がことなるので、それぞれの方法を覚えておきましょう。
ふだんの手入れ
革製品の手入れはとってもシンプルで「汚れを落として、クリームを塗り込む」だけです。次の順番で手入れしましょう。
ブラッシングする
ブラシで軽くこすり、表面についたホコリなどの汚れを取り除く。
クリームを塗り込む
クロスに少量のクリームを取って表面に塗り込む。できるだけ薄く、均一に塗り込むと仕上がりよくなる。
乾かす
クリームは革になじむまでに時間がかかるので、一晩ほど風通しのいい場所に置いて乾かせば完了。
乾かしたあとにもクリームが表面に残っている場合は、ブラッシングでなじませるか、クロスで乾拭きして仕上げましょう。くすんでいた革も、クリームで栄養補給してあげるとツヤが出てきます。
月に1回ほどが目安ですが、かさつきを感じたら都度おこなうとキレイな状態を保てますよ。
雨に濡れたときの手入れ
革が雨に濡れると、水滴のシミができます。一度シミができると取り除くのに手間がかかるので、手入れで予防しましょう。
方法は、濡れた革を「固く絞った布巾で水拭きしてなじませ、風通しのいい場所でしっかり乾燥させる」だけ。
水拭きすると雨粒は生地になじみ、シミになりません。乾かしたあとで表面がカサカサするようなら、クリームを塗ってあげましょう。これで完了です。
革製品を長持ちさせる手入れのコツは?
革製品を長持ちさせるためには「こまめな手入れ」が欠かせません。汚れや湿気などを近づけないように次の点に意識しましょう。
収納は湿気から遠ざける
革は湿度の高い環境がとても苦手なので、湿気の多い場所に収納したままだとカビや臭いなどのトラブルを引き起こします。できるだけ風通しのいい場所で保管しましょう。
カバンなどは内側に丸めた新聞紙などを詰めておくと、型崩れするのも防げますよ。
汚れはすぐに取る
汚れは時間がたつほど取れにくくなります。
手入れを後回しにすると取れない黒ずみ汚れなどが発生するので、汚れがついたその日のうちに手入れしましょう。
定期的に栄養補給する
「毎月最初の休日」にやるなど決めてカレンダーに記載しておくと、乾燥などのトラブルを未然に防げます。
頻度にかかわらず、かさつきを感じたらすぐにクリームを使って手入れしてくださいね。
革製品の手入れを省く方法ってないの?
手入れが必要とはいっても、できるだけ手間はかけたくない…と思う人も多いのではないでしょうか。
その場合は、「防水スプレーをかける」ひと工夫で水によるシミや汚れから靴を守れます。
「できるだけたっぷりスプレーする」のがコツで、表面が濡れるくらいまでかけたら一度乾かし、再度吹きつけて…を繰り返すと防水効果を確実にプラスできます。
新品の使いはじめのときも同様にケアしましょう。
これで汚れがつきにくくなって、定期的な手入れの手間が少しだけ軽減できます。
革製品はこまめな手入れで長持ちする!
革製品をキレイに経年変化させるには、こまめな手入れが欠かせません。汚れをササッと落とす程度でいいので、マメに手入れしてあげましょう。
こまめに手入れできれば、そのアイテムへの愛着も増して使うのがどんどん楽しみになりますよ。