ふだんの洗濯では、なんとなく「自動(標準)コース」で洗っている、という人は多いと思います。でもその最後の工程にある「脱水」でひと手間くわえると、洗い上がりがよくなることをご存知ですか?
ここでは一段上の仕上がりにするための脱水テクニックを紹介します。大切な服がより長持ちするので、ぜひ覚えてくださいね。
もくじ
洗濯の脱水って何をしているの?
洗濯機の通常コースでは、洗剤で洗ったあとに水ですすぎ、最後に脱水をする場合がほとんどです。
ただ、この最後におこなわれる脱水は、すべての工程のなかでも特に衣類への負担が大きいステップでもあります。
洗濯機の脱水は、洗濯槽を速く回転させることによる遠心力で水気を切る仕組みなので、強く押しつけられたときのようにかなりの負担がかかっているんです。
洗濯の脱水が引き起こすトラブルとは?
脱水で強い力がかかると、次のようなトラブルを引き起こすことがあります。
生地が伸びる
洗濯中は、洗濯物同士がからまりあった状態になります。そのまま脱水に入ると、からまった状態で強い力がかかるので、生地が伸びてしまうことがあります。
丈夫な服であればほとんど気になりませんが、デリケートな服は着たときの雰囲気が変わってしまいます。
シワができる
脱水では遠心力を使って服が洗濯槽に押しつけられた状態になるため、シワができてしまうのは避けられません。
とくにワイシャツなどはシワができやすく、アイロンがけの手間にもなってしまいます。
洗濯をうまく仕上げる脱水のコツ
洗濯物をうまく仕上げるためのコツは、「からまりを防ぐこと」と、できるだけ力がかかった状態にならないよう「短時間ですませること」の2点。
このコツを覚えておけば、おしゃれ着やお気に入りの洋服でも安心して洗うことができますよ。
からまりを防ぐ
洗濯物同士がからまるのを防ぐため、洗濯ネットを活用しましょう。
すべての服をネットに入れるのは大変なので、「トラブルを防ぎたい大切な服」「伸びやすいニット類」など、守りたい服だけを入れればOKです。
短時間ですませる
脱水では、したたらない程度に水分を取れれば十分なので、途中で止めて取り出しても問題ありません。
脱水の途中で取り上げた分、乾くまでに少し時間はかかりますが、水分の重みでシワが伸びやすくなるなどのメリットもありますよ。
洗濯の脱水時間の目安は?
生地が伸びたりシワができたりする心配がなければ、洗濯機任せで脱水してかまいませんが、次のようなデリケートな服を洗うときは時間を見ながら早めに取り出すのがおすすめです。
薄手の服
インナーや夏物の服など、脱水時間は3〜5分もあれば十分。薄いので、短時間でもふつうに脱水するのと同じくらい水気がきれます。
シワができやすい服
ワイシャツなどのシワができやすい服も3〜5分を目安に脱水を切り上げるのがおすすめ。水気が多いほうが重くなり、自重でシワが伸びやすくなります。シャツ類は生地が薄いので多少水気が残っていても1日あれば十分乾きます。
デリケートな服
ウールのニットなど、生地が伸びやすい洋服の脱水は要注意。1分ほどと短時間で切り上げましょう。あとは服に合った干し方をしてゆっくり乾かせば大丈夫。これで傷むことなくキレイに仕上がります。
洗濯機が壊れて脱水できない!どうする?
とくにデリケートな服やシワを作りたくない服はいっそのこと「脱水しない」という手もあります。
脱水しない分乾くまでの時間は長くなりますが、シワなどのトラブルはなくなるので、大切な服を洗うときはおすすめです。
その場合には、水がしたたらなくなるまで床が濡れてもいいお風呂などに吊るし、水気がなくなった段階で他の服と一緒に干したり、タオルで水気を取る「タオルドライ」をしたりすれば問題ありません。
ただ、乾かすのに手間がかかるので、時間に余裕があるときに試してみてくださいね。
脱水時に洗濯機が止まる…解決方法は?
洗濯をしていると「脱水が途中で止まってしまう」といったトラブルはつきもの。生地に負担がかかった状態で止まらないよう、これを機に対処法を身につけておきましょう。
かたよりを直す
縦型洗濯機の場合は、洗濯槽の片側に洗濯物が集まると重みのバランスが崩れて運転が止まることがあります。止まったら底にまんべんなくならしましょう。分厚い服などを洗うときに起こりやすいので注意してくださいね。
洗濯物の量を調節する
洗濯物が多すぎると洗濯槽がうまく回転せず脱水が止まってしまうことも。パンパンに詰め込んでいる場合は一度止め、半分ずつ脱水しましょう。これでスムーズに水気がきれますよ。
排水口をチェックする
排水口に汚れが詰まっていると、脱水で水分が取れても流せず止まります。排水トラブルのエラー表示がでるはずなので、取扱説明書などを確認しましょう。
排水口のつまりは糸くずがメインなので、掃除はゴミを取り除くだけでOK。ゴミ袋とティッシュがあればすぐにとりかかれますよ。
洗濯の「脱水」でひと手間くわえれば、一段上の仕上がりに!
ふだんは洗濯機任せにしている「脱水」も素材や服にあわせて調節できます。
毎回調節する必要はありませんが「大切な服は短時間にする」と一歩上の仕上がりになり、服も長持ちしますよ。