セーターやマフラーなど、冬物の温かい洋服によく使われているアクリル素材。洗濯すると縮むイメージがあって自宅で洗うのを躊躇している人は多いかもしれません。
そこで今回は、アクリルの洋服を洗濯するときのポイントやくわしい洗い方、注意点がないかなどをまとめてご紹介します。
もくじ
アクリルってどんな生地?
アクリルは、羊の毛から取れる「ウール」を真似て化学的につくられた合成繊維です。軽いのに保温性が高いことから、セーターやマフラーなどの冬物の洋服に使われているほか、ぬいぐるみや毛布などにもよく使われています。
一方で、欠点もあります。毛玉ができやすく、静電気が起きやすいので、空気中のホコリなどを引き寄せて汚れやすいため、どうしても洗濯したい場面が出てきます。
これからご紹介する洗濯方法をしっかり覚えてキレイに洗ってあげましょう。
アクリルを洗濯するときのポイントは?
ウールに似せてつくられたアクリル繊維ですが、洗濯には比較的強いのがうれしいところ。
とはいえ強い繊維ではないので、洗濯のときはすこし注意点があります。アクリル70%、アクリル100%など比率にかかわらず、できるだけ「ていねいに」洗うのがポイントです。
どうていねいに洗えばいいのか、洗濯方法を確認するために、まずは洗濯表示を見てみましょう。
アクリルは合成繊維なので洗剤などには比較的強いですが、なかにはバツ印がついた「水洗い不可マーク」がついているものも。その場合はムリにおうちで洗うのはNGです。クリーニングに出すしかありません。
水洗い不可のマークがなければ、おうちで問題なく洗えます。あとは洗濯表示にしたがって「手洗い」か「洗濯機洗い」をしていきましょう。
アクリルの洗濯方法|手洗いの方法は?
用意するもの
- 必須
- 洗面器(洗面所のシンクでも可)
- 『エマール』などのおしゃれ着洗剤
- 洗濯ネット
- あると便利
- 柔軟剤
大切にしたいアクリルの洋服は、基本的に「手洗い」で洗うのがおすすめです。洗濯機で洗うよりも時間の長さ、洗う強さを調整できるので生地にやさしいですよ。
洗剤も『アタック』などの通常の洗剤ではなく、シワやヨレ、毛玉ができにくい『エマール』などのおしゃれ着洗剤を使います。準備がととのったら、次の手順で洗いましょう。
アクリルの洗濯方法|手洗いの手順をチェック!
- 洗浄液をつくる洗面器に水を張り、水量にあわせて洗剤を入れる。お湯やぬるま湯を使わないこと。汚れが気になる部分には洗剤を直接つけておく。
- つけおき洗いか押し洗いする服を裏返して平たくし、洗浄液に浸す。そのまま放置してつけおき洗いするか、手の腹で押したり浮かせたりして洗う。
- 洗剤をすすぐ洗面器にキレイな水を張り直し、衣類についた洗剤をすすぐ。泡が出なくなるまで2〜3回繰り返す。
- 洗濯機で脱水する洗濯ネットに入れて、洗濯機で10秒ほど脱水にかける。ドラム式の場合は量が少ないと脱水できない場合があるので、バスタオルを何枚か一緒に入れると◎。
- 柔軟剤を含ませてから再度脱水する最後の仕上げに、柔軟剤を溶いた水にサッと浸し、再び10秒ほど脱水すれば完了!
ポイントは「強くもんだりこすったりしない」「脱水を短時間ですませる」の2つです。やさしく手早く洗ってあげましょう。
また、仕上げに柔軟剤を使うと静電気の予防につながるので、空気中の汚れを引きよせにくくなりますよ。
アクリルの洗濯方法|洗濯機での洗い方は?
- 必須
- 『アタック』などの液体洗剤
- 『レノア』などの柔軟剤
- 洗濯ネット
- あると便利
- 『エマール』などの中性洗剤
洗濯表示を見て「洗濯機洗い」できるものは、洗濯機で洗うとサッと時間をかけずに終わらせられます。
生地に負荷がかからないよう「洗濯ネット」を使うのがポイント。使う洗剤はふだん使いのものでも大丈夫ですが、『エマール』などの中性洗剤を使うと風合いそのままにキレイにできます。
アクリルの洗濯方法|洗濯機で洗う手順をチェック!
洗濯機で洗うときの手順はとっても簡単で「ネットに入れてコースを選ぶ」だけととってもシンプル。
- 洗濯ネットに入れる服を裏返し、汚れている部分ができるだけ外側にくるよう軽く折りたたみ洗濯ネットに入れる。マフラーのフリンジなどは内側に入れると伸びにくくなる。
- 洗濯する適量の洗剤をいれ、洗濯機の「ドライコース」や「手洗いコース」など、弱い水流で洗い上げるモードを選択する。
基本はたったの2ステップだけ。脱水の時間は10秒ほどにとどめて、できるだけ生地への負担を減らすとさらにキレイな仕上がりになります。
ドラム式の場合は量が少ないとうまく洗えないことがあるので、その場合はバスタオルなどを1〜2枚足してあげましょう。
アクリル生地の干し方は?乾燥機でアクリル100%の服は縮む?
アクリルの洗濯でとくに注意したいのが「熱」。
アクリルは変形しやすいので乾燥機の熱で傷んでしまう可能性があります。また、回転する力で伸びることも考えられます。
ジメッとして乾きにくいシーズンはつい乾燥機を使いたくなりますが、アクリルに関しては使わないほうがベターです。
部屋干しでもいいので、できるだけ風通しのよい場所で「平干し」して乾燥させましょう。
平干しネットがあれば簡単ですが、写真のようにハンガーなどを使って簡易的に平干ししても問題ありませんよ。
アクリル100%の服にアイロンがけはOK?
アクリルはもともとシワがつきにくい素材ではありますが、もしシワが気になる場合はアイロンをかけてもOKです。
ただ、そのときも「熱」には注意。温度を「低温(90〜110℃)」に設定したうえで、さらにあて布をしてからアイロンをかけましょう。
熱で溶けてテカらないか心配なら、アイロンの「浮かしがけ」をするのもおすすめ。生地から1cmほどアイロンを離し、スチームだけを含ませていきます。あとはその水分が乾くまで放置したら完了です。
アクリルの洗濯は「ていねい」を心がけて
アクリルの洗濯方法は、ウールを扱うようにできるだけ「ていねい」を意識するのが大切です。
おすすめの洗い方は「手洗い」。時間がない人は洗濯機で脱水時間に注意しながら洗いましょう。あらかじめ洗濯表示の確認を忘れないでくださいね。
ていねいに洗ったら縮みが少なく、いつまでもおしゃれな洋服を楽しめますよ。