「綿(コットン)」は、Tシャツをはじめ、ズボンやスカート、下着など、幅広く使われている素材ですが、洗濯で縮んでしまうことがあると知っていますか?
ここでは大切な綿(コットン)素材の服を、できるだけ縮ませずに洗う方法をご紹介します。
どうして綿(コットン)の服は縮む?
綿は洗濯することで少なからず縮みが起こる素材のひとつです。
植物からとった縮れた繊維をよりあわせて糸にしているため、水に濡れると繊維が元の縮れた姿に戻ろうと縮んで、生地にシワがついたり生地自体が縮んだりします。
多少のシワや縮みなら着ているうちに伸びきて直るのでそれほど心配する必要はありませんが、洗濯の仕方次第では縮んだままになってしまうこともあるので、注意点を覚えて正しく洗ってあげるようにしましょう。
綿(コットン)の服を縮ませない4つのコツ
コットンを縮ませずに洗うには「できるだけやさしく洗う」「熱を加えない」ことが大切。先ほどの3条件にあてはまる服は、次のやり方で洗ってみましょう。
① 洗濯ネットに入れる
洗濯機の水流はかなり強く、もみくちゃにされます。ほかの洗濯物と絡まりあって余計な負担をかけないためにも、洗濯ネットに入れて洗うようにしましょう。
汚れた面が外になるようにたたんで入れれば、汚れ落ちが悪くなることはありませんよ。
② 弱い水流で洗う
洗濯ネットに入れたら「ドライコース」「手洗いコース」「ソフトコース」など、できるだけ弱い水流で洗う機能を活用して洗濯しましょう。
絶対に縮ませたくない大切な服は、やさしく手洗いしてあげるのもいいですよ。
③ 脱水は軽めに
脱水は洗濯槽がグルグルとまわって水を飛ばすため、生地に大きな遠心力がかかります。負担になるので、できるだけ短時間で切り上げるのがコツ。
脱水後はシワが定着するのを防ぐためにできるだけ早く取り出し、軽く手で整えてから干すと仕上がりがよくなります。
④ 熱をくわえない
綿は熱をくわえると縮みやすくなるので「お湯洗い」「乾燥機を使う」のは厳禁。
お風呂の残り湯程度なら問題ありませんが、使うなら30℃以下のぬるま湯くらいにとどめておきましょう。また乾燥機は使わず外干しにするか、部屋干しで乾かしましょう。
縮んだ綿(コットン)の服の戻し方は?
うっかりふつうに洗濯し、綿素材の服を縮ませてしまうこともありますね。多くの場合は繊維の縮れがシワとなって現れるので、アイロンをかけて伸ばしてあげれば簡単に解消できます。
「綿100%」の丈夫な服であれば霧吹きで水分を含ませながら、高温に設定したアイロンをかければガンコな縮みもスッキリ伸ばせます。デリケートな洋服は洗濯表示にしたがった温度で、あて布などを使ってゆっくり伸ばしましょう。
基本的にはこれだけでほとんど元通りにできますよ。ただ、繰り返し縮みを直していると、洋服が傷んでしまうこともあるので注意してくださいね。
綿(コットン)の服の洗濯で注意することって?
綿を洗濯するときには特別な対策は必要ありませんが、次の3つの条件のどれかにあてはまるときはシワや縮みが起きないように注意する必要があります。
はじめての洗濯
もっとも縮みが起きやすいのが、はじめて洗濯するとき。綿を服に加工したばかりなうえに、水に濡れるのがはじめてなので、縮みが強くでてしまいます。また染料も溶け出しやすいので要注意です。
生地の目が粗いもの
ニットセーターなどの「編み込んでつくられた服」や「生地が薄い服」は、繊維の目が粗く、すき間が広いのが特徴です。そのすき間をうめるように縮みやすく、元に戻しにくいやっかいな性質があります。
縮みやすい繊維が混ぜられたもの
レーヨンやウールなど、縮みやすい素材と組み合わせてつくられた服は縮みが起きやすく、1度縮んでしまうと元に戻すのがむずかしいこともあります。あらかじめ、綿以外にデリケートな繊維が使われていないか確認しておきましょう。
綿(コットン)はやさしく洗えば縮まない
綿は洗濯すると縮みが起こりますが「やさしく洗う」という点に注意できればほとんどは問題なくキレイにできます。
すべて丁寧に洗う必要はありません。「はじめて洗うもの」「生地の目が粗いもの」「縮みやすい繊維が混ぜられているもの」など、縮みやすいものだけ注意をはらいましょう。
ケアの方法も、ネットに入れたり、ドライコースにしたりとすぐに実践できることばかりです。大切な洋服は意識的にやさしく洗ってあげてくださいね。