大さじ・小さじの計量スプーンを正しく使えていますか? ml(ミリリットル)やcc(シーシー)、g(グラム)をきちんと区別できますか?
「レシピをみながら作ったのに、味が微妙...」
「料理がなかなかうまくならない!」
そんな悩みの原因は、計量スプーンをきちんと使えていないからかもしれません。
今回は、大さじ・小さじの正しい使い方や表記の違いについてくわしく説明します。計量スプーンの役割を理解して、お料理上手を目指してくださいね。
もくじ
大さじ小さじとは?1杯は何ml?
大さじ1杯は15ml(=15cc)で、小さじはその3分の1の5ml(=5cc)です。小さじ3杯で大さじ1杯と同じ量になります。
大さじと小さじはどちらも、調味料の「体積(かさ)」をはかる道具です。少量の調味料を正確にすばやくはかるのに適しています。
ml(ミリリットル)とcc(シーシー)は同じ?
ml(ミリリットル)とcc(シーシー)は、体積を表す単位です。mlとccの2つの単位があると混乱してしまいますが、どちらも同じ体積を表していて「1ml=1cc」と考えて問題ありません。
単位ができた経緯が違うだけで、1mlも1ccも1辺が1cmのサイコロの体積を表します。ちなみに、現在はccを使う場面が少なく、mlを使うのが一般的です。
大さじ小さじ|1杯は何g(グラム)?
大さじ1杯と小さじ1杯それぞれの体積はわかりましたが、少しややこしいのがその「重さ」についてです。
大さじ小さじはでは「重さ」ははかれない!
体積(かさ)と重量(重さ)は別もので、大さじや小さじでは「重量(重さ)」ははかれません。
レシピを見て「ふむふむ、砂糖が大さじ1必要なのか。大さじ1は15mlだから...砂糖を15g入れればいいんだ」と考える人がいますが、これは料理初心者がやりがちな間違いです。
大さじ1(=15ml)の砂糖は、重さにすると9gしかありません。9gで十分なところに15g入れてしまうと、本来の味と変わってしまいますよね。
水は1ml(1cc)=1gなのですが、水以外の調味料となると体積と重さの違いが大きくなります。材料や調味料によって体積(ml)と重量(g)の数値が一致するわけではないので、注意が必要です。
単位によってはかる道具を使い分けよう
料理をするときは、レシピに指定されている通りに計量するのが、失敗しないコツです。mlやccで指定されていれば大さじ・小さじ、計量カップといった体積をはかる道具を使いましょう。材料や調味料がgで表記されていれば、キッチンスケールなど重量をはかる道具を使ってください。
大さじ小さじ|正しい計り方は?
大さじと小さじは正しく使わないと意味がありません。大さじや小さじの量がわかっても、それをきちんと入れてないと分量が変わるからです。
大さじと小さじは、酒や醤油などの液体をはかる場合と、砂糖や塩などの固体をはかる場合では、使い方が少し違います。
液体と粉末にわけて、「大さじ1」と「大さじ2分の1」のはかり方を説明するので、自分のやり方に間違いがないかを確認してくださいね。
液体調味料をはかる場合
醤油、酒、みりんなどの調味料のほか、水・油・牛乳などの液体のものを大さじ・小さじではかるときは「表面張力」がポイントになります。
液体は、スプーンの縁いっぱいまで入れて表面張力で盛り上がった状態にして「大さじ1杯」とカウントします。ギリギリこぼれないくらいが目安です。
こぼれ落ちる直前まで入れるので、加減を間違えるとこぼれてしまいます。こぼれた調味料が入ると味付けに影響が出るので、調理中の鍋やフライパンの上ではなく、ボウルやシンクなどこぼれてもいい場所ではかりましょう。
次に「大さじ2分の1」は目分量で見極める必要があるので、おおまかな目安を把握しておきましょう。「大さじ2分の1」は全体の7割くらいを目安に入れるとだいたい2分の1の分量になります。
粉末調味料をはかる場合
液体は盛り上がるくらいいれますが、砂糖や塩、小麦粉や片栗粉などの粉末調味料はスプーンを「すりきり」した平らな状態ではかります。マヨネーズやケチャップなどのペースト状調味料も同じです。
すりきりとは、容器の縁とぴったり同じ高さまで入れた状態のことです。盛り上がった部分はすりきりで切り捨てて大さじ1杯とカウントします。
そこで正しくはかるときは、最初に大さじで砂糖などをすくい、ふんわりと山盛りの状態にします。そして、小さじの柄やヘラなど平らな道具をスプーンの縁に当て、滑らせながら余分な部分を落とせばOKです。
大さじ2分の1はどうやってはかる?
次に粉末やペースト状の「大さじ(小さじ)2分の1」はかる方法です。大さじ(小さじ)1をすくってすりきりしたあと、半円に切るようにヘラを垂直に入れます。半分を払い落とせば完了です。体積が半分になるよう、まっすぐな道具を半円かつ垂直に入れるのがコツです。
液体は「表面張力」、固体は「すりきり」と覚えれば、正確に計量できますね。
大さじ小さじ|調味料ごとの1杯の重さは?
さきほど大さじと小さじでは重さははかれないといいましたが、あらかじめ調味料ごとに大さじ1杯・小さじ1杯あたりの重さを覚えておけば、重さで換算できます。
以下に、調味料ごとの大さじ・小さじの体積(ml)と重量(g)を一覧にしました。大さじ・小さじの代わりにキッチンスケールを使って計量するときの参考にしてください。
液体調味料の重さ
● 水 大さじ1=15g/小さじ1=5g
● 酒 大さじ1=15g/小さじ1=5g
● 酢 大さじ1=15g/小さじ1=5g
● 醤油 大さじ1=18g/小さじ1=6g
● みりん 大さじ1=18g/小さじ1=6g
● 油 大さじ1=12g/小さじ1=4g
粉末状調味料の重さ
● 上白糖 大さじ1=9g/小さじ1=3g
● グラニュー糖 大さじ1=12g/小さじ1=4g
● あら塩 大さじ1=15g/小さじ1=5g
● 食塩 大さじ1=18g/小さじ1=6g
● 小麦粉 大さじ1=9g/小さじ1=3g
● 片栗粉 大さじ1=9g/小さじ1=3g
ペースト状調味料の重さ
● 味噌 大さじ1=18g/小さじ1=6g
● バター 大さじ1=12g/小さじ1=4g
● マヨネーズ 大さじ1=14g/小さじ1=4.6g
● ケチャップ 大さじ1=15g/小さじ1=5g
ただし、メーカーや製造方法で同じ調味料でも比重が異なる場合があります。あくまで参考としてください。
大さじ小さじ|おすすめ計量スプーンは?
計量スプーンではかることに苦手意識がある人は、使い勝手のいい計量スプーンを使ってみてはいかがでしょうか?
おすすめのアイテムを紹介するので参考にしてください。
『ヨシカワ 目盛り入り計量スプーン 栗原はるみ』
料理研究家の栗原はるみさんがプロデュースした、大さじと小さじがセットになったオーソドックスな計量スプーン。目分量に頼りがちな「2分の1」を計量できる目盛りがついています。注ぎやすさを追求した横口、そのまま食卓に出せるシンプルなデザインも人気の秘密。
『パール金属 DELISH KITCHEN置いて量れる計量スプーン』
キッチン用品メーカーのパール金属と、レシピ動画メディアのDELISH KITCHENがコラボして生まれたキッチンツールシリーズ。これ1本で大さじ1、大さじ2分の1、小さじ1、小さじ2分の1と、4通りの計量ができます。置いた状態で量れるので、片手では正確に計りにくい少量の計量も楽ちん。
『ドリテック スプーンスケール』
デジタルキッチンスケールと計量スプーンのいいとこどりをした、デジタル計量スプーンです。30mlと15mlの大小2種類のスプーンが付属しており、材料をすくいながら0.1g単位で重量をはかれます。平らなところに置いた状態ではかれるのも便利。
大さじと小さじで正しく計量して料理上手に
どんなにレシピを読み込んでも、計量スプーンの使い方を間違ってしまっては意味がありませんね。
大さじは15mlで小さじは5ml、液体調味料は「表面張力」で固体調味料は「すりきり」という正しいはかり方を忘れないでください。
料理初心者や料理に慣れていない人はレシピ通りにきちんと計量し、忠実に調理して、その味を確かめてみてくださいね。まずは計量スプーンを正しく使いこなすのが料理上手への第一歩です。