洗濯表示に「タンブル乾燥はお避けください」や「タンブラー乾燥禁止」の記載を見つけて、どういうこと?と思ったことのある人も多いのではないでしょうか?

実はこの表示、洋服を長持ちさせるために、とても重要な意味をもっているんですよ。

今回は「タンブル乾燥」とはどんなものなのかを説明します。

タンブル乾燥(タンブラー乾燥)とは?

タンブラー乾燥とは タンブル乾燥

タンブル(あるいは、タンブラー)とは、機械の回転する部品のことを指します。洗濯機でいうところの「洗濯槽」のことです。

つまり、「タンブル乾燥」とは、洗濯槽を回しながら熱風をあて、洗濯物を乾かす乾燥方法を指します。家庭用のドラム式洗濯乾燥機や、コインランドリーの乾燥機などが当てはまります。

最近では乾燥機能付きの洗濯機もありますが、この乾燥機能はタンブル乾燥に当てはまるので、「タンブル乾燥」の衣類には使えません。コインランドリーの乾燥機も同様です。

タンブル乾燥は強い熱風を洗濯物に当てるので、短時間で乾かせるメリットがある反面、洋服にとっては大きな負担になるデメリットもあるからなんですよ。

タンブル乾燥(タンブラー乾燥)禁止の服の見分け方

新洗濯表示 タンブル乾燥

タンブル乾燥ができるかどうかは「洗濯表示」を確認すればすぐにわかります。

タンブラー乾燥 見分け方

乾燥機のマークはドラム式洗濯乾燥機を模した四角のなかに丸が描かれたもの。これがバツになっているものは乾燥機にかけることはできません

真ん中の丸は乾燥時の温度を指定しています。「・・」は上限80℃「・」は上限60℃。こまかな温度まで覚える必要はありませんが、家庭用の乾燥機よりもコインランドリーの方が高温でパワフルなので「丸がひとつのものは避けるのが無難」くらいに覚えておくといいですよ。

なかには乾燥機のマークがない服もありますが、そのときは注意書きを確認しましょう。「タンブル乾燥はお避けください」「DO NOT TUMBLE DRY」の文言があると乾燥機を使うのは避けたほうが安心です。

タンブル乾燥(タンブラー乾燥)はどんな服向き?


洗濯物

乾燥機の熱風は生地にとって負担が大きいため、どんな服でもタンブル乾燥をすると少なからず傷んでしまいます。そのため、丈夫な衣類であっても長持ちさせたいお気に入りの服に使うのは避けたほうが無難です。

お気に入りの服や傷みをそれほど気にしないのであれば、次のような服ではタンブル乾燥を使うと乾くのが早くなり、時短につながりますよ。

外からは見えないインナー類

肌着などのインナー類は別の洋服の下に隠れるものなので、乾燥機を活用して乾かすのがおすすめ。合成繊維のものが多いので短時間でカラッと乾きますよ。

靴下などの小物や消耗品

タオルや靴下などの毎日使う小物や消耗品は、タンブル乾燥を活用するとぐっと時短につながります。取り出してひとつひとつピンチハンガーにかける手間を省けます。

外出時に着ない服

部屋着やパジャマなど、外出時に着ない服もタンブル乾燥向き。乾燥機にかけると少しパサパサした仕上がりになるので、洗濯のときに柔軟剤を入れておくと着心地がよくなります。

タンブル乾燥が禁止の服を乾燥機で乾かすとどうなる?

洗濯の失敗

乾燥機が使えない服を誤ってタンブル乾燥させた場合はどうなるのでしょうか。

タンブル乾燥を禁止している服は、熱に弱い生地を使っていたり、細かな装飾がされていたりとデリケートな洋服がほとんどなので、次のようなトラブルを起こす可能性があります。

風合いを損ねる

光沢のある生地などはタンブル乾燥の熱風で毛羽立ち、風合いを損ねてしまいます。元に戻せなくなるほどいたんでしまうケースもあるので注意しましょう。

縮みやシワができる

おうちの乾燥機の場合、小さい洗濯槽をぐるぐると回転させるため、型くずれが起きやすくなっています。素材によってシワがついたり、縮んだりし、とくにウールなどの動物繊維は、熱風で激しく縮んでしまいます。

装飾が傷む

プリントや刺繍などの装飾は熱に弱く、タンブル乾燥で傷んでしまいます。お気に入りの柄がくすんでしまったり、ほつれてしまったりするので扱いに注意が必要です。

タンブル乾燥禁止の服を早く乾かす方法

タンブル乾燥を使わずにスピーディーに乾かすには、次の2種類の方法があります。

風を当てて自然乾燥させる

部屋干し

洋服を乾かすときにもっとも一般的な方法なので、時間をかけて水分を蒸発させるため洋服に負荷がかからず、傷みにくいのが特徴です。

乾く時間を早めるには「風を当てる」のが効果的。わざわざ扇風機を用意しなくても、窓をあけて風を通すだけで、乾きが早まりますよ。

機械の力を借りて乾かす

部屋干し 室内干し ハンガー

自然乾燥よりも早く乾かしたいときは、浴室乾燥機を使うのがおすすめです。吊り干しの状態で温風を当てるため、素材へのダメージがほとんどないのが特徴です。セーターなどのデリケートな服を干すのにも向いています。

とはいえ自然乾燥よりも電気代がかかるのがデメリット。雨続きの時期やどうしても時間がないときに浴室乾燥を使うのがいいかもしれませんね。

タンブル乾燥禁止の服は洗い方にも注意!

おしゃれ着洗い グッズ

タンブル乾燥のできない服は、つまりはデリケートな服ということ。乾燥時だけでなく、洗濯する際にも下記の点に気を付けてあげるとより良い状態を保てますよ。

おしゃれ着用洗剤を使う

『エマール』や『アクロン』などの「中性」のおしゃれ着用洗剤を使いましょう。繊維に負担をかけずに洗うことができますよ。

洗濯ネットを使う

デリケートな衣類をそのまま洗濯機に入れると、洗濯物同士がこすれて生地を傷める可能性があります。必ず洗濯ネットに入れて洗いましょう。

ドライコースや手洗いコースで洗う

デリケートな服を洗う際は、「ドライコース」や「手洗いコース」といった丁寧に洗えるコースを選びましょう。少量の水で揺らすように洗うため、手洗いのようにやさしく洗えます。

脱水時間を短くする

洗濯機の脱水は、洗濯槽を早く回転させて水分を切る仕組みです。遠心力で槽に強く押し付けられるため、長い時間脱水するほどシワができたり、伸び縮みしたりトラブルにつながります。できるだけ短めに、10〜30秒以内にすませるのがポイントです。

タンブル乾燥を使って家事をラクに!

タンブル乾燥は洗濯物を干す手間を省いてくれる、とても便利な機能です。

まずは、傷んでも大丈夫なインナーや部屋着などから試してみて、どんな仕上がりになるのか確認してみるといいですよ。

うまく使いこなせれば「洗濯→乾燥→取り込み」にかかる時間をぐっと短くできます。時短ですませれば、その分の時間をほかのことで有効活用できますね。