スーパーの一角にある「魚介コーナー」で冷凍された魚を見て、自宅でさばいて料理できたら美味しいんだろうな…なんて思ったことがありませんか。魚はアミノ酸やタンパク質など豊富な栄養素が含まれていたり、できることなら毎日の食事で取り入れたい食材です。

今回はそんな魚のさばき方について、自宅でもできる基本的な手順などをご紹介します。

※包丁を持つ手が右手の場合で説明しています。

魚のさばき方の基本って?

魚をさばく基本は「食べ方に合わせること」です。特殊なさばき方が必要な魚を除けば、生の刺し身で食べるなら骨や皮を取り除いたり、かまを使った料理なら切り落とした頭に身が残るような切り方をしたりと、食べ方によってさばき方が変わってきます。

もちろん、魚の種類や特徴に合わせたさばき方を選ぶ必要もありますが、今回はどんな魚でも行う基本的なさばき方についてご紹介していきます。

魚の鮮度や美味しさを保つさばき方のコツは?

せっかく魚をさばくなら、鮮度はそのままに美味しさも維持したいと思いますよね。そんなときは次の3つのコツを意識してみてください。

手で触れる時間を減らす

魚の身は手に長く触れるほど暖かくなり、鮮度が落ちていきます。さらに身が崩れる原因にもなるので手で触れる時間は短くすることが大切です。

できるだけ身は洗わない

さばいている間、魚の身は水分をよく吸収します。水分に雑菌が含まれていると痛みが早くなる可能性があったり、旨味となる成分が流れて出ていくことにもつながります。

臓器を取り出した後の水洗いなど必要なときだけ洗い流すようにして、水洗い後は必ずキッチンペーパーなどで水分を拭き取る習慣をつけましょう。

短い時間でさばいて食べる

手で魚の身に触れる時間を短くするのと同じで、さばく時間が長くなるほど身は温まり鮮度が落ちていきます。そもそも、水揚げしてからはできるだけ早く食べるにこしたことはありません。買ってきた翌日以降に食べるときなどは、その日のうちに料理の下処理まで済ませておくのも美味しさを保つ大切なポイントです。

魚のさばき方|①うろこをとる

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最初は魚のうろこを取り除きます。うろこが残っていると、口当たりが悪くなったり、包丁が入りにくくなったり、雑菌が身にもついてしまったりする可能性があるのです。

うろこは、尾から頭に向かって包丁の刃やウロコ取り器を使って取り除いていくのが基本です。包丁にくっついたうろこを取る用として、濡れたキッチンペーパーをそばにおいておくと便利ですよ。

皮が厚い魚によってはすき引きといって、うろこの付いた表皮だけを切り取ることもあります。

魚のさばき方|②頭を落とす

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焼き物や煮物などの頭と尾がついたまま料理することを除けば、基本的に頭は切り落とします。手順はシンプルで腹ビレの下に包丁を入れて、頭を切り落とすだけ。

頭の切り方は大きく3つあります。1つは腹ビレの下で真っ直ぐ切り落とす方法、2つ目は腹ビレの下に包丁を置き、数センチ頭側へ刃先を向けて斜めに切り落とす方法、3つ目は頭に身が残らないようにえら蓋に沿って切ったりする方法です。

いわし・あじのような小〜中型の魚であれば、真っ直ぐか刃先を頭側にずらした斜め切りが基本で、キンメダイのかま料理など頭に身を残したくないときは、えら蓋に沿ったりする特殊な切り方をします。

魚のさばき方|③内蔵やえらを取り除く

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頭を落としたあとは、内臓を取り除きます。内蔵は細菌がたくさんいるため放っておくと鮮度がみるみる落ちていくので注意が必要です。内蔵ごと利用する料理以外は、できるだけ早く処理しましょう。

頭を落とした場合は、そのまま腹を割いて内蔵を取り出します。魚によっては腹下が硬かったりするので、数ミリほど腹を斜めに切り落としてから内蔵を取り出しましょう。

頭を落としていない場合は、内蔵の前にえらを取り除くことがあります。えらは呼吸するための場所で血管が集まっているため、頭と一緒にえらを放っておくと、血なまぐさい臭いがのちのち料理に広がってしまうのです。

魚のさばき方|④水洗いする

真水で残ったうろこや内蔵などをさっと洗い流します。長時間水につけると身が水分を吸収して魚本体の旨味が失われるので注意してください。

魚のさばき方|⑤水気をとる

真水で洗ったあとは水気を拭き取ります。しっかり水気をとらないと痛みが早くすすんだり、旨味を失ったりします。血わたなどで汚れたときはキッチンペーパーなどで拭き取りましょう。

魚のさばき方を覚えて魚料理に挑戦しよう

魚によっては包丁ではなく、手も合わせて使うことで上手にさばける魚もいたりします。基本のさばき方を覚えてら、次は料理や好きな魚に合わせたさばき方にも挑戦してみてくださいね。