アジやタイなどの魚の殆どは、表面にウロコが付いていますよね。食材として調理するときは必ずと言っていいほどウロコを取る作業が必要になります。
今回はそんな魚のウロコを取る方法について改めて正しい手順や注意点をご紹介します。
※包丁を持つ手が右手の場合で説明しています。魚のウロコって何?取らないとどうなる?
魚の表面についているウロコ。ウロコが残っていると口当たりがわるくなったり、包丁の通りが悪くなったりします。そのため、魚を料理するときはまずウロコを取るのです。ウロコが取れて初めて、「頭を落とす」「内蔵を取り出す」…といった下処理の作業が可能になります。
ウロコ取りは、「ばら引き」と「すき引き」の2種類あるのでそれぞれについてご紹介します。
魚のウロコ取り|ばら引きの方法は?
ばら引きは、包丁やウロコ取り器(通称うろこ引き)を使ってウロコの流れに逆らいウロコをはがすことです。手順は簡単。タイなどの魚をまな板に置き、包丁またはウロコ引きを用意します。
後は、尾から頭に向けて包丁の刃先で表面をなでるようにしてウロコを取ります。ばら引きのポイントは、包丁の全体を使ってウロコを取ること、魚の身を傷つけないように力を入れすぎないことです。
魚の手前側のウロコは包丁の刃元で、奥側のウロコは先端部分の刃先を使うことで丸みががった部分のウロコもキレイに取れます。
ヒレや頭、エラの周辺などのウロコは取り残しやすいうえ、近くにトゲがあったりするので注意してください。
魚のウロコ取り|すき引きの方法は?
すき引きは、ウロコが付いている身ごと帯状に薄くそぎ取る方法です。ウロコが硬く取りづらかったり、身が分厚かったりする魚に向いています。例えば、アマダイやヒラメなどの魚はすき引きが向いている魚です。
すき引きは、まず魚の中央部分の数センチのウロコと薄皮からそぎ取り始めます。
魚は、腹側が奥を向きつつ、頭が包丁を持っている手の方へ向くように置いてください。これは、魚を抑える手の方へ包丁が進まないようにするためです。
魚を置いたら、片手で魚の胴体を軽く押さえ、尾の中央部分から薄く包丁を入れます。数センチの幅の帯になるよう頭に向かって包丁を進めましょう。
同じようにして背側や腹側のウロコもそぎ取りましょう。背側のうろこをとるときは、まな板の手前まで魚を移動させると角度を調整しやすいのでおすすめです。
腹側のウロコを取るときは、魚を抑えている手で少し腹の部分を浮かせるとウロコが取りやすくなりますよ。
平たい魚の場合
ヒラメなど平たい魚は身が柔らかいうえ、ばら引きではウロコが取りづらい魚です。下から手を添えて身を持ち上げるようにしてすき引きを行います。
魚の腹側が奥を向きつつ頭が包丁を持っている手の方向へ向くよう置いたら、両ヒレ際のウロコからそぎ取っていきます。
手前側のヒレを削ぐときは、包丁を動かしやすいよう魚をまな板の手前に移動させ、ヒレの内側に包丁を入れてヒレの曲線に沿うよう頭に向かってうろこをそいでいきます。
奥側のヒレ際のウロコは、削ぐ部分の身を下から手で持ち上げるようにして、盛り上がりに沿いながらウロコを削ぎます。
表面のウロコが削げたら次は裏面です。表面と同様にヒレ際のうろこから少しずつ削ぎ取ります。頭の近くのウロコも、下から頭を持ち上げるようにしながら傾斜をつけて削ぎ落としましょう。
魚のウロコ取りで注意することは?
魚のウロコ取りで注意することは3つあります。1つ目は魚を持つ手でトゲに触らないよう注意すること、2つ目はウロコ落としに時間をかけすぎないこと、3つ目は魚を強く握りすぎないことです。
魚の頭やエラ、ヒレの近くにはトゲが生えていることがあります。トゲに触ると怪我をしてしまう可能性があるので注意してください。
ウロコ落としをはじめとした下処理に時間をかけると、魚の温度が上がり鮮度や品質が低下してしまいます。できるだけ常温で放置する時間や手で触れる時間は少なくしましょう。
また、小型のアジなど柔らかい魚は、強く握ると身が崩れてしまいます。ウロコを落とすときは優しく固定するように持つよう心がけてください。
魚はウロコが取れると安心して料理できる
ウロコを持たないウナギなどの魚でない限り、魚はウロコ取りから始まります。ウロコ取りが覚えられれば、トゲや口当たりの悪い部分は取り除けるので、安心して料理が作れるようになりますよ。