「重曹が掃除や洗濯時の洗剤代わりになる」と耳にしたことはありませんか?ちょっと使い方を工夫すれば、汚れを分解する洗剤としてさまざまな場面で活躍してくれるんですよ。
ここでは重曹を洗剤の代わりに活用する方法を3つご紹介します。
もくじ
重曹で食器洗いできる?洗剤の代わりになるってこと?
重曹はおうちの汚れを落とす洗剤として活用できます。その秘密は重曹のもつ性質にあります。
① 油を分解する
水に混ぜると重曹は弱いアルカリ性を持ち、油などの酸性汚れを中和して落とすことができます。おうちの汚れの多くは皮脂などの油分を含むので、重曹のアルカリ性の力で落とすことができます。
また、食器についた油汚れを綺麗にすることもできます。
② 研磨作用がある
重曹は「水に溶けにくい」性質も持っています。細かい粒がいつまでも残るので、クレンザーのように汚れに絡みついてはがし取ってくれます。
③ 消臭効果がある
重曹には悪臭も中和して消してくれるはたらきがあります。そのときに水分も取り込むので、除湿効果も期待できますよ。
重曹を洗剤として使う方法!食器洗いでの使い方は?
重曹の性質をうまく活かすには、3つの方法があります。まずはそれぞれどんな使い方なのか確認しましょう。
スプレー洗剤として使う
- 必須
- 重曹
- 空のスプレーボトル
重曹と水を混ぜてスプレーボトルに入れれば、油汚れを落とす洗剤や消臭スプレーと同じように使えます。軽い油汚れを落としたいときにおすすめの方法です。
水と重曹をボトルに入れる
目安は「水200mlに重曹小さじ2杯」。スプレーボトルに入れる。
よく混ぜる
完全に混ざるまでよく振ったらできあがり。
1本置いておけば、いつでもシュッと吹きかけて汚れを落とせます。
クレンザーとして使う
- 必須
- 重曹
- 底が深い器
- スプーン
重曹の研磨作用を活かせば、クレンザーの代わりとしても使えます。キッチンの五徳や換気扇など、ひどい油汚れがこびりついている場合に便利な使い方です。
重曹と水を器に入れる
器に「重曹と水を2:1の比率」で入れる。
混ぜる
スプーンなどでぐるぐるかき混ぜ、ペースト状になったら完成。
トロッとしていて汚れに密着しやすいので分解する力が強く、こすれば粒子が汚れをかき出してくれますよ。
粉末洗剤として食器洗いに使う
- 必須
- 重曹
- スポンジ(ラップでも可)
洗剤というと水で溶いて使うイメージがあるかもしれませんが、重曹の場合は粉のままでも使えます。研磨効果を1番発揮する使い方です。
粉をふりかけてスポンジや丸めたラップなどでちょっとこするだけ。どんな汚れにも応用できる方法です。特に油汚れに効果を発揮するので、鍋やフライパンを洗うときにおすすめです。
重曹を使った食器洗いや掃除を実践してみよう!
重曹洗剤の3通りの使い方がわかったところでさっそく実践です。
ここでは、どんな場所にどんな方法で使うといいのかをご紹介します。汚れの性質と重曹のはたらきを意識しながら掃除方法を選びましょう。
キッチンの油汚れ
キッチンでよく目にする油汚れを落とすのは重曹の得意分野。床や壁など、汚れが比較的軽いものはスプレーをかけて拭き取るだけでキレイにできます。
コンロ周りなどのガンコな汚れには重曹のペーストを塗り込んで少し放置し、油がゆるんできたところをスポンジなどでこすり洗いすればスッキリきれいに落とせますよ。
茶渋
普通に洗っただけでは落ちない器の茶渋。これをキレイにするのにも重曹が便利です。
少量の粉の重曹と水を入れ、指で軽くこするだけでOK。これだけでこびりついた着色汚れも新品のような白さを取り戻しますよ。
フローリングのベタつき
フローリングのベタつきは、素足が繰り返し触れたことによる皮脂汚れが原因。
この汚れも重曹スプレーを使って拭き掃除で仕上げれば十分キレイにできますよ。特別な洗剤を用意することなくサラサラのフローリングに戻ります。
お風呂のザラザラ汚れ
浴槽のザラザラとした汚れは身体からでた皮脂。湿らせたスポンジに粉末の重曹をかけてこすり洗いしていきましょう。
それほどガンコにこびりつくことはないので軽くこするだけでツルツルに戻りますよ。最後は洗剤を使ったときと同じように軽くすすげば完了です。
カーペットやソファの汚れ
カーペットやソファなど、洗いにくい布製品にも重曹スプレーが大活躍。イヤなニオイは皮脂汚れが原因なので、軽くスプレーするだけで消臭効果が期待できます。
スプレーにアロマオイルなどを入れておくと消臭した上にお部屋がいい香りでいっぱいになりますよ。
重曹を食器用洗剤と混ぜれば、洗浄力アップ!
重曹洗剤はおうちのさまざまな汚れを落としてくれますが、重曹自体もともと作用が穏やかな掃除アイテムなので汚れ落ちが悪いこともあります。
そんなときは、次の工夫で汚れ落ちを強化してみましょう。
方法①|洗剤と混ぜる
食器用洗剤の力を借りると、いっきに洗浄力がアップします。食器用洗剤は油をなじませる力が強いので、ひどい油汚れでも簡単に落とせますよ。
重曹スプレーなら食器用洗剤を数滴、重曹ペーストであれば水の代わりにくわえるだけ。洗剤と重曹が残らないように拭き跡に注意しながら掃除しましょう。
方法②|熱と時間を味方につける
洗剤の力を強化するのではなく、汚れ自体を弱らせることも有効。ほとんどの汚れは熱でゆるみます。さらに、重曹のアルカリ度も高まるので汚れ落ちが向上します。
汚れがひどい場合はお湯に重曹を溶かし、汚れたものを浸して10分ほど放置するといいですよ。
重曹を活用した洗剤も売られている!
おうちにある重曹で手軽に始められるとは言え、最初のうちはトラブルが起きないかと、ちょっと使うのにも気が引けますよね。
市販でも重曹を使った洗剤が売られているので、まずは市販のものから取り入れてみるのもいいですよ。
『暮らしの重曹せっけん泡スプレー』(ミヨシ石鹸)
重曹と石鹸の成分を使ってつくられた自然由来のスプレー洗剤です。合成洗剤を使っていないので、小さな子どものいるおうちや妊婦さんのいるおうちでも使いやすいですよ。
『重曹アルカリ電解水クリーナー』(miwaQ)
汚れ落ちを重視したいのなら、アルカリ電解水と呼ばれる水を原料につくったこの洗剤がおすすめ。身体や環境にやさしいのに、キッチンのコンロ周りにこびりつくギトギトの油汚れもスッキリ落としてくれるすぐれものです。
『暮らしの重曹せっけんエリそで泡スプレー』(ミヨシ石鹸)
重曹は皮脂汚れを分解できるので、襟元などの黒ずみ汚れにも効果的なんです。スプレーしてから洗濯機にいれるだけでいいのでとっても使いやすいですよ。
重曹の洗剤で落とせない汚れもある?
重曹はおうちの掃除で活躍する洗剤ですが、実は苦手とする汚れもあるんです。
それは「カビ」と「水垢」。
重曹は除菌作用は持っていないので、カビの退治はできません。一度カビによるシミができてしまうと、漂白剤を使わない限り完璧には取り除けません。
また、蛇口やシンクなどにできる水垢も、重曹で落とすのはほとんど無理。水垢は重曹と同じアルカリ性の汚れなので、水垢を落としたいときは酸性のクエン酸などを使うとキレイにできますよ。
重曹を食器洗いや掃除用洗剤として活用しよう!
重曹は何かと便利とは聞くものの、いざ使おうと思うとどうすればいいのかわからないものです。
洗剤として使うには「①スプレーにする」か、ペーストにして「②クレンザーにする」、「③粉のまま使う」の3通りがあります。たいていの汚れに効果があるので、「とりあえず重曹を使ってみる」と考えておいても大丈夫なくらいです。
鍋の焦げや茶渋取りなど、食器洗いとしても大活躍。重曹を使いこなせると家事上手に一歩近づきますよ。