洗剤の裏面に書かれた「弱アルカリ性」の文字。そもそも「中性」や「アルカリ性」などの違いもわからないのに「弱」なんてついていると、どんな意味があるのか理解できませんよね。
そこで「弱アルカリ性洗剤」とはどういう洗剤か、特徴やどんな商品があるのかをまとめてご紹介します。
もくじ
弱アルカリ性洗剤とは?ほかの洗剤との違いは?
弱アルカリ性洗剤は、名前の通り「弱アルカリ性」の性質を持つ洗剤です。「弱」とついているのは、ふつうの「アルカリ性洗剤」と区別するためにつけられています。
洗剤には液性という性質があって、pH(ペーハー)という0〜14までの数値で測られます。
pHが3以下だと「酸性」、6〜8だと「中性」、11以上は「アルカリ性」に分類されます。
ここで「中性」と「アルカリ性」のあいだにあたるpH8〜11が「弱アルカリ性」とされています。
弱アルカリ性洗剤とは?どんな特徴がある?
中央に位置する「中性」は、汚れを分解する力はそれほど強くありませんが、肌や素材を傷めません。
しかし、そこからpHが高くなればなるほどアルカリ性が、低くなればなるほど酸性がどんどん強まって、汚れの分解力も強くなっていきます。
そのため、「中性」と「アルカリ性」のあいだにある弱アルカリ性洗剤には「中性寄りで肌や素材を傷めにくく、アルカリで汚れを分解する力ももつ」という特徴があります。
弱アルカリ性洗剤が落とせる汚れは?
弱アルカリ性の洗剤は、酸性汚れを効果的に分解できるのが特徴です。
酸性汚れの代表は「油」。キッチンのコンロ周りにつくベタベタ汚れ、洋服につく皮脂汚れ、リビングのテーブルなどにつく手垢などはすべて酸性なので、弱アルカリ性の洗剤でキレイにできます。
よほどの強い油汚れでなければ弱アルカリ性洗剤で落とせるんですよ。普段なにげなく使っている洗剤にも「弱アルカリ性」の表記のものは多くあるので、ぜひ成分表示を確認してみてください。
次では実際にどんな商品があるかご紹介します。
弱アルカリ性洗剤にはどんな商品がある?
掃除用の汚れを落とす洗剤に目を向けると、たくさんの「弱アルカリ性洗剤」があります。代表的な商品に次のようなものがあります。
『除菌ジョイ コンパクト 食器用洗剤』(P&G)
食器用洗剤には中性洗剤が多いですが、ジョイは弱アルカリ性。食品のガンコな油汚れには弱アルカリ性が効果を発揮します。油を効果的に分解してくれるので、ストレスなくテキパキお皿洗いが進められます。
『かんたんマイペット』(花王)
リビングの汚れ全般に使える『かんたんマイペット』も弱アルカリ性。床や壁につく手垢などの皮脂汚れをキレイにできます。
弱アルカリ性洗剤は洗濯洗剤に多い!おすすめは?
じつは洗濯洗剤のほとんどが「弱アルカリ性」の性質です。というのも、毎日着る洋服につく汚れはほとんどが汗ジミや皮脂汚れなどの「油」。
汚れを効果的に落としながら服も傷めないようにするため、弱アルカリ性が多いんですね。
『アタック 抗菌スーパークリアジェル』(花王)
CMなどでおなじみの洗濯洗剤です。汚れ落ちがよく、除菌効果も持っているので臭う衣類でも安心して洗えます。すすぎ1回でも十分に洗い流せる泡切れのよさが特徴。
『アリエール サイエンスプラス7』(P&G)
弱アルカリ性のなかでも、粉末洗剤は液体洗剤より少しだけアルカリ性が強く、汚れ落ちがよくなっています。汗や泥で汚れた子供の靴下など、液体洗剤では落ち切らない汚れもスッキリと洗い流してくれますよ。子供がいると洋服がよく汚れるので、粉末がおすすめです。
弱アルカリ性洗剤は自然由来のアイテムでも代替できる
「弱アルカリ性の洗剤」というと市販の合成洗剤をイメージしがちですが、実は自然由来のアイテムにも同じ性質をもつものがあり、代替できます。
「重曹」と「セスキ炭酸ソーダ」は、弱アルカリ性の性質をもった自然由来の成分。どちらも、水に溶かすと弱アルカリ性の液体になり、洗剤のかわりに油汚れの掃除に使えます。
重曹はpH8.2、セスキ炭酸ソーダはpH9.8なので、弱アルカリ性のなかでも少し差があります。日々の軽い汚れの掃除には重曹、ガンコな汚れにはセスキ炭酸ソーダ、と使いわけるといいですよ。
弱アルカリ性洗剤は衣類の洗濯に活躍
衣類の洗濯洗剤としてよく使われている「弱アルカリ性洗剤」。「肌や素材を守りながら汚れをしっかり落とす」ことのできる、中性とアルカリ性のいいとこ取りの洗剤です。
洗剤を選ぶときにこの性質まで考えられると、もっと掃除上手になっておうちのキレイがキープできますよ。