汚れを落とすのに便利と聞いて重曹を活用している人は多いと思いますが、いつも迷ってしまうのが「アルカリ性」や「酸性」といった性質の話ではないでしょうか。
今回は、そんな重曹の性質についてくわしく紹介します。アルカリ性なのか酸性なのかしっかり理解して、掃除に活用してくださいね。
そもそも「アルカリ性」や「酸性」とは?
そもそもアルカリ性や酸性とよく聞きますが、一体何なのでしょうか?
アルカリ性や酸性というのは、水に何か物質を溶かしたときに現れる性質のことです。ただの水は何の性質もないので「中性」、それに何かを混ぜるとアルカリ性や酸性などの性質をもつようになります。
アルカリ性や酸性のなかにも強さがあり、pH(ペーハー)という0〜14の数値で表されます。ほぼ中間にあたるpH6〜8は「中性」と呼ばれ、水道水などはこれにあたります。pHが14に近づくほど「アルカリ性」、0に近づくほど酸性の強い液体となります。
小学校の理科の実験で使ったリトマス試験紙はまさにこの性質を調べるための道具。液に浸して赤色の紙が青色に変化したらアルカリ性、青色の紙が赤色に変化すると酸性を表します。
重曹は何性?アルカリ性と酸性どっち?
では、重曹はアルカリ性、中性、酸性のどれに当たるのでしょうか?
重曹は水に溶かすと「アルカリ性」を示します。粉の状態だととくにアルカリ性も酸性もありません。
この性質が汚れを落とすときに重要で、アルカリ性の重曹を使うと、対極にある酸性汚れを中和してふやかして落としやすくします。酸性汚れの代表は「油による汚れ」。なので、キッチン掃除などに使えるわけです。
酸性の性質をもつ掃除グッズは「クエン酸」。対極のアルカリ性汚れを落とすのに便利で、水垢などを落とせます。
重曹のアルカリ性のpHはどれくらい?
重曹がアルカリ性とわかったら、0〜14の強さがどれくらいなのかも気になりますよね。
重曹のpHは8.2ほど。水道水がpH6〜8なので、実はアルカリ性はそれほど強くなく、アルカリ性のなかでも「弱アルカリ性」と呼ばれる部類に属します。それほど作用が強いわけではないのです。
もともと自然由来の物質で、飲んでも害がないほど安全。料理のふくらし粉や胃薬としても使われているほどです。もちろん素手で触っても問題ないので、小さい子供がいるおうちなどでも安心して使えます。
さらに、重曹は人体にやさしいだけでなく、川に流れたり、土に埋めたりしても環境への害も少ない優れものといえますね。
重曹のアルカリ性は「熱」で高まる!
重曹のアルカリ性は、中性に近く作用が穏やか。そのため、軽い油汚れであればスルッと落とせますが、焦げついた油などを落とすときに、いまいち効果を発揮しきれない場面もでてきます。
その場合は、重曹水に「熱」を加えてみましょう。水500mlに重曹40gほどを混ぜてレンジに入れ、沸騰するくらいまで温めてみてください。
重曹は熱を加えると成分が変化してアルカリ性が強まるので、簡単に洗浄力がアップします。
ただし、そのぶん肌への刺激も少し強くなっているので、触るときはゴム手袋などをしておくと安心です。
コレ使ってみる?
重曹よりもアルカリ性が強い「セスキ炭酸ソーダ」も便利!
重曹よりもアルカリ性の強い物質に「セスキ炭酸ソーダ」があります。
重曹がpH8.2なのにたいして、セスキ炭酸ソーダのpHは9.8ほど。
なので、油汚れを掃除するときは、軽い汚れなら重曹、ガンコな汚れにはセスキ炭酸ソーダなどと使い分けるといいですよ。
重曹のアルカリ性を活用し、おうちをキレイに保とう
重曹は掃除に便利とは聞くものの、いざ活用しようにも「アルカリ性」やら「酸性」やら慣れない言葉が出てきて困ってしまいますね。
アルカリ性を持つ素材なので、油を含む酸性汚れにはとりあえず重曹、と覚えておけば大丈夫。使っているうちにだんだんと相性がわかってきますよ。
重曹のアルカリ性を活用すればおうちをキレイに保つのが簡単になりそうですね。