青魚のなかでは比較的くせがなく、幅広い調理法でおいしくたべられるアジ。通年出回っていますが、旬である春先から初夏にかけてはとくに脂が乗っておいしい時期です。
そこで今回は、アジの下処理の方法をご紹介します。初心者でも比較的かんたんにさばける魚なので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
※包丁を持つ手が右手の場合で説明しています。もくじ
アジはどんな下処理が必要?
アジの下処理は、「ぜいご」という両側面のトゲ状のうろこを取り除いてから、それ以外のうろこを落として下処理をしていきます。
その後、頭を落として内蔵を取り除いて洗えば完了。初心者でも比較的かんたんに下処理ができますよ。下記で詳しく説明しますね。
ただし、刺身のように皮を除いて使う場合はこの下処理は必要ありませんよ。
アジの下処理のやり方|①ぜいごを取り除く
アジは最初に「ぜいご」と呼ばれる硬いウロコを取り除きます。ぜいごはアジ特有のトゲ状のうろこで、手で触るとチクチクしている尖っている部分。尾から頭まで細い帯状になって続いています。
まな板の上に頭を左、腹を手前にしてアジを置き、尾の付け根にある「ぜいご」の先端に包丁を入れます。
刃先を上に向けて包丁を上下に細かく動かしながら切り進み、ぜいごを取り除きましょう。途中で先に進まなくなったら、包丁の向きを少し変えてみると進むようになりますよ。あまり力を入れすぎると手を切りかねないので注意してください。
両面の触れて痛いと感じる部分がなくなればOK。赤い身ができるだけ出ないように気をつけて取り除いてくださいね。
アジの下処理のやり方|②うろこを取り除く
ぜいごを取り除いたら、全体のうろこを包丁でこそげ落とします。うろこは尾から頭に向かって包丁の刃でなぞる方法(ばら引き)で取り除きます。
先程と同様にまな板の上に頭を左、腹を手前にしてアジを置き、尾びれは頭側に倒して頭と一緒に軽く持ちます。
包丁の刃側を尾の付け根に当てて、頭に向かって小刻みに動かしながらうろこをこそげ取っていきます。手前側は刃元を使い、奥側は刃先でウロコを取るようにするとやりやすいですよ。
包丁についたアジのうろこは乾くとくっついて取りにくくなるので、濡らしたキッチンペーパーなどでこまめにふき取りましょう。
アジの下処理のやり方|③頭を落とす
うろこを取り終わったら、頭を落とします。尾びれから頭に向けて包丁の刃先を当ててなでつけていくと、胸びれの後ろあたりで自然と包丁が止まるポイントがあるはずです。ここが頭を落とす際に包丁を入れる位置になります。
その部分に包丁をななめに当て、まず頭の付け根部分を向こう側に突くようにして切ります。包丁が背骨に当たったら、今度は包丁を手前に引いて腹側を切ります。
これで片面は完了。アジを裏返し、逆の面にも同様に包丁を入れます。
最後に、頭の骨と背骨がくっついている部分に包丁の刃元をあて、包丁の持ち手(峰)部分を軽く叩いて、骨を断ち切って頭を落とします。
アジの下処理のやり方|④腹を開く
次に、アジの頭を手前、腹を右側にして縦に置きます。頭側の切り口から包丁の先を差し入れて、肛門部分まで腹を開くように切り進めます。
包丁を持っていない方の手で皮を外側に張るようにするとやりやすいですよ。このとき、内臓を切ってしまわないように注意しましょう。
アジの下処理のやり方|⑤内蔵を取り除く
腹を開いたら、包丁の刃をアジの腹の内側のカーブに沿うように動かして、内臓を取り出します。(まだ内臓と身はつながったままです)
取り出した内蔵を包丁でまな板に抑え、開いた腹を一度閉じます。アジを押さえていた方の手の親指を腹の中に差し入れ、そのままアジを向こう側に押し出すと、内臓が身から外れます。
その後、背骨の薄い膜に切れ目を入れて、残った血わたをかきだしましょう。
アジの下処理のやり方|⑥洗って水気を切る
内蔵を取り除いたら、うろこと細かい血わたを洗い流すように水ですすぎます。あまり時間をかけず、手早く行うのがポイントです。
洗ったらキッチンペーパーで表面と腹の中の水分をしっかりとふき取りましょう。腹の中に血わたや内臓が残っていたら、それもきれいに拭い取ってください。これでアジの下処理は完了です!
アジを正しく下処理しておいしく食べよう!
アジの下処理では、アジ特有の硬いうろこ「ぜいご」をきちんと取り除くのがポイント。残っていると口当たりが悪くなるので、しっかり処理するようにしてください。
慣れるまでは難しいかもしれませんが、下処理はなるべく短時間で行うのが新鮮さを保つポイント。手の熱が伝わりすぎないよう、強く握ったり長時間さわらないように気をつけてくださいね。