一尾魚を購入すると、下処理はどのようにすればいいのか迷いますよね。正しく行わないと臭みが残ってしまうので、やり方は覚えておきたいところ。
そこで今回は、魚の下処理はどうして行うのか、どのようなことをするのかについてご紹介します。
※包丁を持つ手が右手の場合で説明しています。もくじ
魚の下処理の役割は?
口当たりを良くする
魚の下処理では、うろこやぜいご(アジなどの側面についたトゲトゲとした部分のこと)、えら、小骨などを取り除きます。口当たりがよくなり食べやすくなりますよ。
生臭みを消す
魚を下処理するときは、内臓を取り除く工程があります。魚の内臓は傷みやすいので、新鮮なうちに取り除いてよく洗うことで臭みを消せますよ。
魚の下処理ってどんなことをするの?
①ウロコを取る
魚の表面にはウロコがついています。かたくて口当たりが悪いので、尾から頭に向かってこそげ落とします。素早くかつていねいに取り除きましょう。
②頭を落とす
魚の頭は、尾頭付きで使う以外、落としてから内臓などの処理をするのが基本です。頭を調理するかしないかで処理の仕方は変わります。
頭と胴は、頭の骨の上部と背骨でつながっているので、その部分を切り離しましょう。
③エラをはずす
エラは呼吸器官のため、毛細血管が集中していて血液量が多い部位。処理せずに調理すると、血生臭さが残り、味が劣化してしまいます。腐敗も早いので、新鮮なうちに早く取り除いてくださいね。ただし頭を落として調理するのであれば、エラを外す作業はありません。
④内蔵を取る
アジなどの一尾魚は、新鮮なうちに内臓を取り出すのが大切。内臓は傷みやすく、臭みの原因になってしまうので、きれいに取ってくださいね。
⑤洗う・拭く
ウロコや血液を残さないよう、流水できれいに洗います。残ってしまうと、口当たりが悪くなったり味が落ちたりするので、注意しましょう。
続いて、それぞれの方法をより詳しくご紹介します。
魚の下処理|ウロコのとり方
ウロコのとり方にはいくつか種類がありますが、「ばら引き」という方法が一般的。出刃包丁を使って行います。
背側の身を少し起こし、尾の付け根に包丁の反り側を当て、頭に向かって小刻みに動かしながらウロコをこそげ取ります。
魚の身の中央部分は、魚を平らに置いて、包丁の刃の真ん中あたりを使って同じようにこそげ取りましょう。魚の腹は、包丁の刃元を使って行えば、片面の完了です。
裏返して魚の背びれが手前になるように置いたら、魚の腹の部分は包丁の反り側、中央は真ん中辺り、背側は刃元を使って落としてくださいね。
魚の下処理|頭(エラ)の落とし方
頭の落とし方は、魚の大きさや種類、頭を料理に使うか使わないかでやり方が異なります。頭を落としてしまえばエラをとる必要はなくなるので、今回は、頭ごとエラを落としてそのまま料理に使える方法をご紹介しますね。
尾側から頭に向けて刃先でなでつけていくと、胸びれの後ろ辺りで自然と止まります。その位置から頭の付け根、腹びれの中央に斜めに包丁を当て、突くように包丁で切ります。
背骨に当たるまで切り込んだら包丁を手前に引いて、腹側をカットしましょう。
頭の付け根部分の切り口にも包丁を入れ、裏側に少し切り込みます。
背びれが手前になるよう裏返して、頭の方につけた切り込みから腹びれの中央に向かって斜めに包丁を当て、片面と同様に腹部、頭側の順に包丁でカットしましょう。
最後に頭の骨と背骨の接合部に包丁を当て、峰を軽く叩いて断ち切れば完了です。
魚の下処理|内臓の取り除き方
魚の大きさや種類などによって、内臓の取り除き方が変わってきます。ここではアジなどの頭を落とした小〜中形の魚に用いる方法をご紹介します。
魚の頭を落とし、頭の方を手前、腹を右にして縦に置きます。腹の皮を切る感覚で、逆さ包丁で肛門まで切り進めましょう。
包丁を順手に持ち替え、腹腔(腹壁で囲まれた部分)に入れカーブに沿わせるように包丁を動かします。腹膜(内臓が入っている袋)ごと中央にまとめましょう。
内臓を外に引き出して包丁で押さえ、身を指で軽く奥へ押しやると、腹腔に残っていた内臓が出てきますよ。
魚の下処理|水でキレイに洗ってから拭く
内蔵を取り除いたら、流水で体内に残っている内蔵や血わたを手でかき出しながらキレイに洗い流しましょう。
もともと魚の身は水分を吸収しやすく、吸水するほど品質が落ちてしまうので素早く洗ったらキッチンペーパーなどで水分をしっかり拭き取ってくださいね。
下処理は正しく行って魚をおいしく食べよう!
今回は魚の下処理の基本のやり方をお伝えしましたが、魚の種類や調理方法によって適した方法は異なります。魚ごとの処理方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。