重曹は掃除で大活躍してくれる便利なアイテム。油汚れもサラッと落としてくれたり、皮脂汚れを分解して消臭してくれたりするので、「雑菌もキレイになっている」ような気がしますよね。
でも、実際のところどうなのでしょうか?
今回は重曹の殺菌効果について、コジカジ編集部がご説明します。
重曹って殺菌できる?
重曹は油汚れや皮脂汚れをキレイに落とせるので、「菌まで退治してくれているのかな?」と思ってしまいますよね。でも実は、重曹に殺菌するほどの強い力はありません。
重曹は水に溶かすと「アルカリ性」の性質を持ちますが、そのアルカリ度を指すpH(ペーハー)という数値で見ると8前後。水道水などpHが6〜8のものは中性とよばれ、ほとんど特性をもちません。つまり、重曹は中性といってもいいくらい弱いアルカリ性なんです。
殺菌効果をもつほどのアルカリ性の目安は12〜13以上といわれるので、重曹には菌を退治する効果はほとんどありません。
重曹は殺菌ではなく「静菌」の効果をもつ
重曹には殺菌効果はありませんが、菌の繁殖を抑える「静菌効果(あるいは、静菌作用)」があります。
静菌効果とは、字のごとく細菌の動きを静めて増殖を抑える効果のこと。
三角コーナーやゴミ箱など、雑菌が繁殖して汚れる場所に事前に重曹をふりかけておくと、雑菌が繁殖しにくくなるんです。汚れを防止できるのはこのためなんですよ。生ゴミの腐敗が遅くなって、イヤなニオイも出にくくなります。
「事前にかけておく」が習慣づけば、殺菌までする必要があるしっかり掃除の回数をぐっと減らせます。
重曹よりも殺菌効果が高いのは熱湯やアルコール
殺菌をしたい人にとっては、重曹以外に何か方法がないのか知りたいですよね。ここではいくつか身近なもので殺菌する方法をご紹介します。
熱湯
熱に耐えられる素材であれば一番手っ取り早いのが「熱湯消毒」です。菌が気になる場所に沸騰したお湯をかけるだけ。水しか使わないのでヤケドに注意すればあとは安全です。
熱湯をかけると変形や傷みが起きそうなものなら、60度ほどのお湯で10分ほど浸けておく方法でも大丈夫。これなら素材をダメージから守りながら効果的に殺菌できますよ。
アルコール
熱に弱い素材であったり、木や石といった建物に使われるデリケートな素材にはアルコールを使った消毒がおすすめです。アルコールは手指の消毒などでも使われる安全性の高い消毒方法。
すぐに蒸発して何も残らないので気軽に使え、拭き掃除の洗剤代わりに使って布巾で拭くとカビ予防などに効果的です。
塩素系漂白剤
水回りなどにおすすめなのが『カビキラー』などの塩素系漂白剤を使った除菌方法です。塩素を使っているので殺菌力は高い反面、肌にふれないようにしたり、他の洗剤と混ざらないようにしたり注意が必要です。
強い匂いがあるので、苦手な人は換気しながら使ってくださいね。
重曹は殺菌目的よりも掃除や静菌目的で
掃除に重宝すると聞く重曹ですが、水に溶かしても粉のままでも殺菌作用は持っていません。あるのは静菌作用だけ。
なので、菌が繁殖しているようなら、重曹以外の方法で掃除しましょう。
重曹の静菌作用を活かせば、日々の汚れがつきにくくなるので、「菌が増えるまでの予防に便利」と覚えておきましょう。