裾上げなどでよく使われる「まつり縫い」。名前は知っていても、まつり縫いに種類があることを知らなかったり、正しい縫い方がわからなかったりする人も多くいますよね。また「かがり縫い」と間違えて覚えていることも。
そこで今回は、まつり縫いの種類や縫い方、かがり縫いとの違いについてくわしく説明します。
もくじ
まつり縫いとは?縫い目が見えない縫い方って?
まつり縫いとは、縫い目が表から見えないようにする縫い方のこと。スカートやズボンなどのすそ上げのときによく使います。
むずかしそうと思われがちですが、やり方がわかってしまえば簡単にできますよ。
まつり縫いのやり方|かがり縫いとの違いは?
まつり縫いとあわせてよく使われる「かがり縫い」は、布の端を巻きこむようにして縫う方法です。
布の端がほつれないようにしたり、破れた箇所を閉じたりするときに使います。
かがり縫いは、縫い目は表から見えるので、まつり縫いとは違いますね。
まつり縫いのやり方|必要なものって?
まつり縫いをするときは、布を折り返して行います。
表側に見える布を「表布」、裏側に折り返している布を「縫い代」と呼び、この2つを縫ってくっつけます。
ズレないように、まち針を刺したりしつけ糸で並縫いをしたりして、予防する方法もあります。
まつり縫いのやり方|3つの種類
まつり縫いには、いくつか種類があり、縫い方や仕上がりが変わってきます。
なかでもよく使われる「流しまつり縫い」「縦まつり縫い」「奥まつり縫い」の3種類をご紹介しますね。
①流しまつり縫い
流しまつり縫いは、まつり縫いのなかでも基本の縫い方です。斜めに縫い進めていきます。
スカートやズボンをササッと直すなら、この方法が簡単で早くできますよ。
②縦まつり縫い
布の端に対して直角にまつる方法で、流しまつり縫いに比べて頑丈に仕上がります。
アップリケをつけるときなどのパッチワークにも使われる縫い方です。
③奥まつり縫い
まつり縫いは普通、裏から見ると縫い目が見えますが、奥まつり縫いの場合は、布と布の間に糸が隠れる縫い方をします。
そのため、すり切れにくいメリットがあります。
まつり縫いのやり方|①流しまつり縫い
基本の流しまつり縫いは、次のように行います。今回は、表布と縫い代の違いをわかりやすくさせるため、2枚の布を使っています。
- 縫い代の裏側から針を出す針に糸を通して玉結びをし、縫い代の裏側から針を出します。
- 表布をほんの少しだけすくう5mmほど先に針を動かして、表布をすくいます。ほんの少しだけしかすくわないのがポイントです。
- 縫い代の裏側からななめに針を出す縫い代の裏側からななめに針を出して抜きます。ギュッと引っ張らず、軽く針を引きましょう。
- 繰り返す①〜③を繰り返します。
- 玉止めをする縫い終わったら玉止めをして完了です。仕上がりはこんな感じ。とても簡単にできました。
まつり縫いのやり方|②縦まつり縫い
流しまつり縫いよりも強度がある縫い方です。
- 縫い代の裏側から針を出す針に糸を通して玉結びをしたら、縫い代の裏側から針を出します。このとき、縫い代の端に近い場所から出しましょう。
- 真上の表布を少しすくう針を出した場所のすぐ上の表布を少しだけすくいます。糸を抜ききるとこんな感じ。
- 縫い代の裏側からななめに針を出す縫い代の裏側の端からななめ方向に針を出して抜きます。
- 繰り返して玉止め①〜③を繰り返します。最後まで縫いきったら玉止めをして完了です。裏面からみてもかわいらしいですね。
まつり縫いのやり方|③奥まつり縫い
表面からも裏からも縫い目が目立ちにくい縫い方です。
- 縫い代の端を折り返し、針を通す針に糸を通して玉結びをしたら、縫い代の端を折り返し、縫い代の裏側に針を刺します。
- 表布を少しだけすくい縫い代から出すここからは、流しまつり縫いと同じ要領です。5mmほど先に針を動かして、表布を少しだけすくい、縫い代の折り返しているところの端から針を抜きます。
- 繰り返して玉止め②を繰り返し、最後まで縫い終えたら玉止めをします。このようになります。
- 折り返しを戻す最後に、折り返した部分をもとに戻せば完了です。縫い目があまり目立ちませんね。
まつり縫いを上手にするコツは?
まつり縫いを上手にするなら、次の2点に気をつけてくださいね。
すくうときはほんの少しだけ
針で布をすくうときは、たくさん取らず、少しだけすくうのがポイントです。
針の先で引っかけるような感覚で十分。こうすれば表面に見える縫い目がわずかで、仕上がりが美しいですよ。
力を入れて引きすぎない
糸を引っ張るときに力を入れすぎるのはNG。布も一緒に引っ張られ、くしゃっとシワがよってしまいます。
ゆるすぎてもいけませんが、布の様子を見ながらほどよい力加減で糸を抜いてくださいね。
正しいまつり縫いでほつれにくさアップ!
すそを正しくまつり縫いすれば、ほつれにくくなり、手直しするタイミングが減ります。
また、「よくすれて切れやすいからから奥まつり縫い」など、縫い方を使い分けるとさらに長持ちしますよ。
まつり縫いの正しいやり方を、ぜひこの機会にマスターしてくださいね。