ワイシャツなど、毎日のように着る服は、ボタン周りが消耗して、取れかけてしまうこともしばしば。
外れそう…と思っていても直すのはなかなか手間ですよね。そのままにした結果、気づいたらボタンだけどっかにいってしまったなんていう経験もあるのではないでしょうか?
ボタンの付け方はコツを知ってしまえばそれほどむずかしくなく、すぐに対処できるもの。今回はコジカジ編集部が、コンビニなどで手に入る道具を使った簡単なボタンの付け方を説明します。
ボタンの縫い付けは穴の数と形の確認から
「ボタン」と一口にいっても、実はいろんな種類があります。たとえばシャツにつく小型のボタンは「4つ穴」、コートなどにつく大きなボタンは「2つ穴」ボタンの裏側に足がついた「足つきボタン(1つ穴ボタン)」などなど。
ボタンの種類によって付け方が少し異なるので、まずは外れたボタンがどのタイプであるかを確認しましょう。
ボタンは大きく3種類。順番にやり方を紹介するので、自分のボタンを確認してみてくださいね。
ボタンの付け方|必要なものは?
ボタンを付けるのに必要なのは、「針」「糸」「はさみ」の3つ。裁縫道具があると便利ですが、なくても
修繕セットはコンビニなどでも売られています。
今回は「100円ローソン」で見つけたこちらのソーイングセット。ひとつのパックの中には以下の道具が入っています。
ソーイングセット- 中身
- 糸7色
- 小バサミ
- 縫い針(ケース入り)
- 安全ピン2本
- ボタン2つ
- スナップボタン
糸が7種類入っているので、服にあわせられます。ソーイングセットをカバンに入れておけば、ボタンが外れてもすぐ対処できますよ。
ボタンの付け方|4つ穴の縫い方と留め方
ワイシャツなど、ボタンで一番多いのが「4つ穴」タイプ。まずは4つ穴ボタンの付け方から紹介します。
一見むずかしそうですが、やってみるととても簡単。はじめてのボタンつけでも、5分ほどでできますよ。
裁縫の基本になる
「玉結び」と
「玉止め」が苦手な人は、こちらの記事でやり方をチェックしておくとスムーズです。
それでは、実際のボタンの付け方を手順に沿って説明していきます。
①玉結びをつくる
外れかけたボタンは糸を切って取り除きます。
ほかのボタンに合わせた色の糸を選んで針に通し、玉結びしましょう。今回はわかりやすいように赤い糸を選びました。
②表から針ですくう
今回はボタンを付けたい場所に黒い印を付けておきました。印つけは不要ですが、ズレが心配な人はペンを使ってマークしておくといいですよ。
ボタンを付けたい場所に、表面から針を通します。裏には通しきらず、すくうようにそのままもう一度表に出しましょう。玉止めがきいて糸が外れなければOKです。
③ボタンの穴に糸を通す
外れたボタンを用意し、裏側から針を通します。
一度針を通しきったらUターンし、別の穴に通します。このとき、どの穴に通すかは他のボタンを参考にするのがおすすめ。対角線を結ぶ「+」型、隣通しを結ぶ「=」型など、服によって異なるので確認しておきましょう。
間違えても機能には問題ありません。それほど見栄えが変わるわけではないので、あまり気にしすぎなくても大丈夫ですよ。
今回は他のボタンにならって「=」型にするため、隣の穴に糸を通しました。
④生地に針を通す
ボタンと生地をつなぐように、今度は生地に針を通します。玉止めした場所に針を通しましょう。
裏まで通したら、再度針を表側に通します。
⑤3〜4を繰り返す
次は別の穴にボタンを通し、生地と縫い合わせます。3〜4を繰り返し、ボタンを生地に留めていきましょう。
繰り返すのは3回ほどやれば十分。他のボタンにどれくらい糸が通っているか確認しながら進めるとわかりやすくなりますよ。
ボタンはきっちり固定するのではなく、少しゆとりをもたせるのがコツ。引っ張ると少し浮くくらいにゆるめにしましょう。
固定してしまうといざ使うときに留めにくくなるので注意してくださいね。
⑥ボタンの周りをぐるぐる回す
ボタンに糸を通し終えたら、針を生地の表に出します。針をボタンの周囲にぐるぐると回し、巻き付けましょう。
5周ほど回せば十分。こうすることでぐらつきがなくなり、つけやすく外れにくく補強できます。
⑦輪をつくって針を通す
ボタンが糸でつながったら、後は生地から外れないように留めていくだけ。ボタンの周囲に1周ゆったりと糸を回し、輪をつくります。
できた輪に針を通しましょう。
ボタンを指で固定し、そのまま結び目を作るように引っ張ります。完全に引っ張ったら補強は完了です。
⑧裏で玉止め
針をボタンの根本から裏側に通します。糸の出口に針を添えてぐるぐると糸を巻き付け、玉止めしましょう。
⑨表に出して糸を切る
このまま切り取ると切りっぱなしの糸が目立ってしまうので、最後に一工夫します。
再度針を表側に通し、ボタンの根本で糸を切ればOK。こうすることでボタンが糸を隠してくれ、見栄えがよくなりますよ。
これでボタンがついて、元通りになりました。
ボタンの糸の通し方はどれにする?
4つ穴ボタンは、大きく3つの糸の通し方があります。それぞれの通し方をまとめたので、針を通すときの参考にしてください。
「=」型
一番多いのが「=」型のボタン。このボタンは「隣同士を結ぶ」と考えれば簡単にできます。はじめて通した穴から時計まわりに順につないでいけばOKです。
「+」型
「+」型もシンプルで「対角線をつなぐ」と考えましょう。通した穴の反対側から出すようにすれば大丈夫です。「抜いた穴の隣の穴に通す」とおぼえておけば、何度も同じところに通してしまうのを防げます。
「□」型
ちょっとむずかしいのが「□」型。これは「抜いた穴にもう一度通す」と考えると進めやすくなります。1辺あたりの糸の本数が少なくなりやすいので、何周か多めに通しておくのが長持ちのポイントです。
ボタンの付け方|2つ穴の縫い方と留め方
2つ穴タイプのボタンの付け方は、4つ穴ボタンとほとんど一緒。「糸を通す順番が決まってない」分、2つ穴のほうが楽に付けられます。
①玉結びをつくり、生地をすくう
針に糸を通して玉止めを作ったら、表側から針を通してすくいます。
玉止めが効き、軽くひっぱっても抜けないことを確認しましょう。
②ボタンに糸を通す
ボタンの裏側から針を通し、もう一方の穴に折り返して通します。
針をひっぱってたるみを取ると、生地に軽く固定された状態になります。
③再度生地をすくう
①のときと同様に、ボタンの根本に当たる部分ですくうように針を通し、生地にボタンを留めます。
④2〜3を繰り返す
3〜4周ほど繰り返してボタンをしっかり留めていきます。このとき、糸を強く引っ張らず少し浮くくらいのゆとりをもたせておくのがコツ。
きっちり引き締めてしまうとボタンが留めにくくなるので注意しましょう。写真のように少し余裕をもたせておくといいですよ。
⑤糸を巻き付ける
ボタンの根本に糸をぐるぐると巻き付けていきます。3〜5周ほどで十分。こうしておくと根本が束ねられて補強されるだけでなく、浮いた状態になりボタンを留めやすくなります。
⑥輪をつくってしばる
ぐるぐると巻き付けたあとは、そのまま糸を大きく回して輪をつくります。
つくった輪の内側に針を通し、しばりましょう。
これでぐるぐる回した糸がゆるんでしまうのを防げます。
⑦裏で玉止めをつくる
ボタンの根本に針を通し、糸を裏側に出します。
出した糸の根本に針を添え、玉止めしましょう。
爪でキュッと押さえながら糸を引っ張るのがコツ。根本でキレイに留められました。
⑧表に出して切る
最後に糸をもう一度表側に出しましょう。
裏側のままで糸を切ってしまうと、糸の端が目立ちやすく不格好になってしまいます。
これでボタン付けは完了です。最初のうちは時間がかかるかもしれませんが、手順はシンプルなので一度覚えてしまえばスムーズに進められますよ。
ボタンの付け方|1つ穴の縫い方と留め方
厚手の生地の服についていることが多い「足つきボタン」。ひとつ穴ボタンと呼ばれることもありますが、ボタンの下部に糸を通す穴がついているのが特徴です。
足つきボタンの場合も、付け方は他のボタンとほとんど同じ。前半が少し違うだけなので同じように取り付けられますよ。
①「二本取り」にして玉止めをつくる
生地が粗いもの、厚いものは玉止めをしても抜けやすいのでひと工夫します。両端を揃えて玉止めして輪をつくる「二本取り」というやり方が効果的。
こうしておくことで二本の糸を使うのと同様の効果があり、糸が抜けにくくなります。
②ボタンに糸を通し、結ぶ
ボタンの穴に糸を通します。
そのあと、輪になった糸に針を通し、糸が抜けないように結びましょう。
輪に針を通し、そのまま引っ張るだけでOK。
結び終えるとこんな感じに。糸の端にボタンがくっついた状態になります。
③生地を針ですくう
ここまでくればあとは他のボタンの付け方と同じです。ボタンを付けたい場所の表側から針ですくい、引っ張りましょう。
端まで引っ張ると生地にボタンがくっついた状態になります。
④繰り返しボタンに通す
「針で生地をすくう→ボタンに針を通す」を3回ほど繰り返し、補強しましょう。
⑤裏に出して玉止め
生地の裏に針を出し、根本に針を添えて玉止めします。
⑥表に出して糸を切る
そのまま切ってしまうと糸の端がでて不格好なので、最後に針を表に出します。
他の糸を切らないように気を付けながら、根本から糸を切り離せば完了です。
ボタンの付け方|縫い方や留め方のコツは?
ボタン付けは上で紹介したやり方にならえば間違うことはありませんが、上手に仕上げるために意識したいポイントも。ボタンの長持ちにもつながるので、2点をしっかりおさえておきましょう。
ひっぱりすぎない
しっかり固定しようとつい引っ張ってしまいますが、ボタンを引っ張ってしまうのは禁物。ゆとりを持ってとめて置かないと、付けにくいばかりか生地への負担も大きくなります。最後にぐるぐるとまわせばボタンは十分固定できるので、力をぬいてゆったりと進めましょう。
ニットは特別扱い
カーディガンなど、ニット生地についたボタンは糸が抜けやすいので用心しましょう。生地の目が粗く玉止めをしても止まりません。
そんなときは「二本取り」という方法がおすすめ。玉止めしていない糸の端を長めにとっておき、両端を結び合わせましょう。糸2本で固定できるので、糸が抜けてしまうのを防げます。
外出先でボタンが外れたときはどうする?
外出時などソーイングセットなどを持ち合わせてないときにボタンが外れてしまうと困ってしまいますね。実はそんなときも、道具を使わず応急処置する方法があります。
やり方は「ついていたボタンを生地の裏に置き、くるんで穴に通す」だけ。写真のようにやってみましょう。少しシワにはなってしまいますが、なくさないようにキープできます。
これなら少しの間は持つので、家に帰ってアイロンでシワを伸ばし、付け直してあげれば大丈夫です。
ボタンの付け方を覚えていざというときに備えておこう
ボタンが取れてしまうとなくしてしまう可能性が高まるので、ぐらぐらしているうちに直しておくのがおすすめ。
やり方さえ知っていれば、作業自体には5分もかかりません。ボタンを付け直して補強しておけば、ヒヤヒヤしながら服を着ることもなくなりますよ。