ズボンやスカートの裾上げで使われるまつり縫いのなかでも、特に縫い目を目立たせたくないときに選ばれるのが「奥まつり縫い」です。
少し難しそうに感じるかもしれませんが、慣れればキレイに縫えるようになります。
今回は奥まつり縫いがどんなものか、具体的なやり方について説明します。
奥まつり縫いとは?表に見えないの?
まつり縫いは縫い目が表から見えないようにする縫い方のことで、スカートやズボンなどの裾上げのときによく使います。
まつり縫いにはいくつか種類があり、その中でも裏と表それぞれで縫い目が目立ちにくいのが奥まつり縫いです。まつり縫いは裏から見ると縫い目が見えるのですが、奥まつり縫いは布と布の間に糸が隠れてほとんど見えません。
糸が隠れているので、擦り切れにくいメリットがあります。
奥まつり縫いは縫う前の準備が大事
奥まつり縫いは、布を折り返して行います。キレイに縫うには最初の準備が大切です。
表側の布を「表布」、裏側に折り返している布を「縫い代」と呼び、この2つを縫いつけていきますが、この2枚がズレないように準備しましょう。
折り目をしっかりとつけた上で、ズレないようにまち針を刺したり、しつけ糸で並縫いをしたりしましょう。この準備をしっかりしているかどうかで仕上がりが違ってきます。
奥まつり縫いの縫い方
ここから奥まつり縫いの手順を一つずつ説明していきます。この手順に従って縫ってみてください。
① 針と糸を用意し、玉結びをつくる
縫い始める前に玉結びをして準備を整えます。
② 縫い代の端を折り返し、針を通す
縫い代の端を少し折り返して、縫い代の裏側に針を刺します。
② 表布を少しだけすくい縫い代から出す
5mmほど先に針を動かして表布を少しだけすくい、縫い代の折り返しているところの端から針を抜きます。表布をすくうときは、布の糸1〜2本分が目安。
③ 繰り返して玉止め
②を繰り返し、最後まで縫い終えたら玉止めをします。
このようになります。
④ 折り返しを戻す
最後に、折り返した部分をもとに戻せば完了です。縫い目があまり目立ちませんね。
奥まつり縫いを上手に仕上げるコツは?
奥まつり縫いを上手に仕上げるには、次の2点を特に気をつけましょう。
すくうときはほんの少しだけ
針で布をすくうときは、たくさん取らないことです。すくいすぎると縫い目が目立ってしまいます。布の繊維を1〜2本くらいを針先で引っかけるような感覚で十分ですよ。
力を入れて引かない
糸を引っ張るときに力を入れすぎるとシワがよってしまいます。ゆるすぎてもいけませんが、布の様子を見ながらほどよい力加減で糸を抜いてください。
奥まつり縫いを活用して裾上げをキレイに仕上げる
奥まつり縫いは細かいですが、その分縫い目が目立たず見た目もキレイに仕上がります。通常の縫い方と一緒に奥まつり縫いもレパートリーに加われば、手縫いでできることがどんどん増えますよ。
まずは裾上げに奥まつり縫いを活用して、擦り切れにくく仕上げてみてください。