大切にしている陶器にカビが生えてしまったら...。捨てるしかないのかと、不安になりますよね。

しかし、陶器にカビが生えてもきちんと除去すれば問題なく使い続けることができますよ。

今回は陶器にできたカビの取り方について詳しく説明します。

陶器にカビが生える?原因は?

陶器 カビ

陶器にカビが生えるとは思わなったという人が多いかも知れません。しかし陶器は表面に小さな穴があいていて吸水性が高いという特徴があり、ツルツルした磁器に比べるとカビが生えやすいといわれます。

陶器を使ったあとに洗わず放置していると、水分や汚れを一緒に吸い込んでしまいます。カビは湿度が高くてエサとなる汚れが多い場所を好むので、汚れと水分を吸い込んだ陶器は絶好の住処となりえます。

きちんと手入れせずにしまい込んだ陶器ではカビが時間をかけて成長し、気づいたときには目に見える黒カビへと変化を遂げてしまうのです。

陶器のカビを取るにはどんな方法がある?

食器洗い

陶器にできたちょっとしたカビであれば、食器用洗剤とスポンジで簡単に落とせます。ただ、こすり落としただけでは陶器の隙間の奥に入り込んだカビまで退治できない可能性があります。

そこで、陶器にできたカビをしっかりと除去する方法として「塩素系漂白剤を使う方法」「酸素系漂白剤を使う方法」「煮沸する方法」の3つがあります。

塩素系漂白剤は短時間でしっかりとカビを落とせますが、色落ちの心配や塩素特有のきつい臭いがあります。それが不安なら、色落ちなどの心配がない酸素系漂白剤を使いましょう。また、漂白剤自体を使うのが不安なら熱の力でカビ退治する煮沸がおすすめです。

次からはそれぞれのやり方を具体的に紹介します。

陶器のカビの取り方①|塩素系漂白剤で落とす

キッチンハイター 塩素系漂白剤

キッチン周り用の『キッチンハイター』などの塩素系漂白剤を使いましょう。

手元にキッチンハイターがなければお風呂で使う『カビキラー』や『カビ取りハイター』などでも代用できます。ただ、キッチンハイターより強力なので、色落ちしないか確認し、つけておく時間は短くするなど扱いに注意してください。

キッチンペーパーでカビを取る

キッチンペーパーかティッシュで目に見えるカビを拭き取る。カビを広げないように使い捨てる。

塩素系漂白剤を溶かした水に数分浸す

洗い桶に水を張り、塩素系漂白剤を規定量溶かす。そこに陶器を浸す。汚れの落ち具合を見ながら時間は調整する。

流水ですすぐ

取り上げたら流水でしっかりすすぐ。塩素系漂白剤が残らないように。

いつもどおり陶器を洗う

最後にいつも通り陶器を洗えば完了。

陶器が塩素系漂白剤を吸い込んでしまうので、つけおきする時間はできるだけ短くしましょう。汚れが落ちたら早めに取り上げてしっかりとすすいでください。

陶器のカビの取り方②|酸素系漂白剤で落とす

オキシクリーンを混ぜる

『オキシクリーン』などの酸素系漂白剤なら、塩素特有の臭いがなく、塩素系漂白剤ほどの刺激がないので安心して使えます。

キッチンペーパーでカビを取る

キッチンペーパーかティッシュで目に見えるカビを拭き取る。カビを広げないように使い捨てる。

40〜50度のお湯をはり、酸素系漂白剤を溶かす

洗い桶に40〜50度のお湯を張り、底に酸素系漂白剤を規定量溶かす。酸素系漂白剤は温かいほど効果が高まる。

陶器を浸す

酸素系漂白剤を溶かしたお湯に陶器を浸す。30分〜1時間様子を見ながら放置する。

流水ですすぐ

取り上げたら流水でしっかりすすぐ。

いつもどおり陶器を洗う

最後にいつも通り陶器を洗えば完了。

酸素系漂白剤を直接触ると皮膚の油まで落として、肌荒れの原因になります。陶器を取り上げるときは、トングを使うかゴム手袋をつけて対応しましょう。

陶器のカビの取り方③|熱湯消毒する方法

お湯 沸騰

カビは生き物なので、50度のお湯に90秒以上触れつづけると死滅します。熱の力を活用しましょう。

また煮沸するときにお酢を活用すると除菌効果が高まるのでおすすめです。

キッチンペーパーでカビを取る

キッチンペーパーかティッシュで目に見えるカビを拭き取る。カビを広げないように使い捨てる。

鍋に陶器が隠れるくらいの水を張る

熱の力が行き渡るように、たっぷりの水を入れること。

大さじ3杯くらいのお酢を入れて沸騰させる

殺菌効果のあるお酢を加えるとよりキレイになる。

沸騰したら陶器を入れて10分ほど放置

煮沸時間が短いと効果が半減するので、しっかり煮沸する。

いつもどおり陶器を洗う

やけどに気をつけながら陶器を取り上げ、いつも通り陶器を洗えば完了。

汚れを残さないようにしっかりと洗うことを忘れずに。

陶器のカビを防ぐ方法は?

食器

陶器は扱いに気をつけたい食器なので、カビを生やさないようにするには日々の手入れが大切です。

普段から、「汚れをしっかり落とす」「湿気を減らす」の2つを守りましょう。

使い終わったらすぐに洗う

陶器はその性質上、汚れや水分を吸い込んでしまいます。汚れが入り込むとそれをエサにカビが繁殖してしまうので、使い終わったあとはすぐに洗いましょう。

しっかり乾燥させる

陶器は水分を吸い込みやすく、乾かさずに収納すると周囲の湿度をあげてしまいます。洗ったあとは水気を拭き取って、自然乾燥させてから収納しましょう。

収納するときは湿気を防ぐ

乾燥させてから収納しても、収納棚のなかの湿度が高いとカビが生えやすくなります。陶器と陶器を重ねるときは薄い布や紙などを挟むと湿度を調整できます。また、収納棚も換気するなどして湿気をためないようにしましょう。

陶器を正しく手入れしてカビから守ろう

陶器にカビが生えていたら戸惑ってしまうと思いますが、きちんとケアする方法がわかればもう大丈夫ですね。今回ご紹介した方法でカビを取り除けば、安心して使い続けることができますよ。

カビを落としたあとは、汚れや湿気に気をつけて正しく手入れしてあげましょう。陶器は使い続けるほどに味が出てくる器なので、カビから守りながら長く愛用してくださいね。