料理中に包丁を使っていて、「最近切れ味が悪くなってきたなぁ…」と感じることってありますよね。
今回は、切れにくくなった包丁の研ぎ方を4通り、写真つきでくわしく紹介します。簡単に取り組めるものもあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
包丁を研ぐ意味は?
そもそも、どうして包丁を研ぐ必要があるのでしょうか?
その理由は包丁の「刃先」にあります。はじめは鋭く尖った状態だったのが、何度も食材を切っているうちにどんどん摩耗し、丸みを帯びていくので切れ味が落ちるわけです。
さらに摩耗を早めるのが、プラスチックなどの樹脂系のまな板を使っている場合。木製のまな板よりも素材が固いため、包丁の刃先も傷みやすいんです。
丸まった刃先を再び尖った状態に戻すため、2〜3ヶ月に1回ほどのペースで定期的に包丁を研ぐ必要があるんですよ。
包丁の研ぎ方は4通り!
包丁を研ぐ、というと砥石でシャッシャッとこするような専門的なイメージがあるかもしれません。
たしかに、包丁を研ぐ場合には砥石を使うのが一般的ですが、実はおうちにあるものを使って切れ味を復活させる方法もあります。
ここでは、次の4種類の研ぎ方を順番にくわしく説明していきます。できそうなものからチャレンジしてみてください。
②「研ぎ器」を使う
③「アルミホイル」を使う
④「陶器」の底を使う
【包丁の研ぎ方①】砥石で研ぐ方法は?
包丁を研ぐ方法で、もっとも一般的なのが「砥石」を使った方法です。自分にはできないかも…と思っている人も多いと思いますが、やり方を覚えさえすればそれほどむずかしくはありませんよ。
ここでは、写真つきでわかりやすく5ステップで解説していきます。
ステップ①|道具をそろえる
- 必須
- 包丁
- 砥石
- 布巾
- あると便利
- 洗面器
用意するのは包丁、砥石、布巾の3つ。初心者がとくに困るのが、「どんな砥石を用意すればいいの?」という点ではないでしょうか。
砥石は目の細かさによって「荒砥石」「中砥石」「仕上げ砥石」の3種類にわけられ、切れ味をよくするだけなら「中砥石」「仕上げ砥石」のどちらかがあればOKです。
欠けた刃を研ぐ場合は「荒砥石」が必要になります。
ステップ②|砥石を水に浸す
砥石には吸水タイプと吸水しないタイプがあります。パッケージに記載があるので、まずは確認してみましょう。
吸水タイプの砥石を使う場合は、あらかじめ水に浸しておく必要があります。作業時に水をかけてもすぐに吸ってしまうためです。洗面器などに水をはって砥石を浸けてください。
吸水しないタイプなら、このステップは飛ばしてOKです。
泡が出なくなるまで10〜20分ほど放置します。泡が出ないことを確認したら取り上げて、机などに置きましょう。
研いでいる最中に砥石がずれないよう、下に濡れ雑巾などを敷いておくと安全に作業できますよ。
ステップ③|刃を砥石に当てる
砥石を使うときの一番のポイントが「包丁」と「砥石」を当てる角度にあります。
ただし、職人さんによっても好みが分かれるほど、その持ち方はさまざま。神経質になりすぎず、おおよその目安と考えてくださいね。
体の正面にまっすぐ砥石を置き、その砥石に対して包丁を45度ほど傾けて寝かせます。
次に刃先が砥石にあたるように包丁を15度ほど起こします。10円3枚が入るくらいが目安です。
この角度を一定に保った状態で包丁を研ぐことがとても重要です。
ステップ④|研磨する
包丁のセットが終わったらあとは研ぐだけ。包丁の柄と腹の2ヶ所を押さえ、10回ほど前後に動かします。
ポイントは奥側に押し出すときに力をいれ、手前に戻すときは軽く力を抜くこと。
刃が長く、1回で刃全体が砥石にうまくあたらない場合は、作業を2〜3分割してそれぞれ10回ずつ磨きます。
刃先に「かえし(かえり)」と呼ばれる不要な突起ができるので、裏返してそのかえしも研ぎ落とします。反対の面も同じ要領で研ぎましょう。
研いでいると泥のようなものがくっついてきますが、この泥は水で洗い流さなくてもOK。どうしても気になるようなら、軽く水で濡らすくらいにしてくださいね。
ステップ⑤|布巾で拭き、乾燥させる
研ぎ終わったら、いつものように食器用洗剤などを使って水洗いし、表面をキレイにします。
仕上げに乾いた布巾でしっかり水分を拭きり、乾燥させれば完了です。
この通り、トマトを薄切りしてもキレイに切れるようになりました。
【包丁の研ぎ方②】専用の研ぎ器で簡単に研ぐ!
砥石の次に有名なのが、「包丁研ぎ器」と呼ばれる専用のキッチンツールを使う方法です。ホームセンターなどで簡単に手に入りますよ。
ステップ①|道具をそろえる
- 必須
- 包丁
- 包丁研ぎ器
用意するのはたった2つ。作業自体もそれほど時間をかけずに終えられます。
ステップ②|研ぎ部を水で濡らす
まずは研ぎ器の包丁を研ぐ部分を水で軽く濡らします。
ステップ③|包丁を差し込む
次に包丁を研ぎ器の溝に差し込みます。研ぎ器にたいして、ちょうど直角になるように包丁をセットしましょう。
ステップ④|奥から手前に引く
あとは10回ほどこするだけ。前後に動かすのではなく、一方向に手前に引くのがポイント。
ステップ⑤|荒→中→仕上げの順に進める
今回使用した研ぎ器には溝が1つしかありませんでしたが、なかには「荒砥石」「中砥石」「仕上げ砥石」と溝がいくつもあるタイプが販売されています。
その場合は、荒砥石から順に同じ回数を研いで、どんどん目の細かいもので仕上げていけば完了です。
ガタガタだった刃先がキレイに整い、切れ味も復活しました。
【包丁の研ぎ方③】アルミホイルで簡単に研ぐ!
砥石や研ぎ器がない…という人は、おうちにあるもので包丁の切れ味を復活させましょう。使うのは「アルミホイル」。
アルミホイルは融点が低いため、ちょっとした摩擦でも溶けてしまいます。その特徴を応用し、包丁の刃先にアルミホイルの成分をくっつけて、切れ味を復活させる技です。
ステップ①|道具をそろえる
- 必須
- 包丁
- まな板
- アルミホイル
用意するのはアルミホイルとまな板。そのほかには何も必要ありません。
ステップ②|アルミホイルを2つ折りにする
まずは適当な長さでアルミホイルをカットします。20cmほどあれば十分。
そのアルミホイルを2つ折りにして、まな板の上にセットします。
ステップ③|包丁で切る
あとは数回包丁で細長く切るだけ。切り進めるとどんどん切れ味が増していきます。
ただし、この方法は効果が一時的なもの。砥石や研ぎ器を使ったときのように、切れ味は持続しないので注意してください。
【包丁の研ぎ方④】時短で済ませたい人は「陶器の底」を活用!
最後の方法は、陶器でできた食器の底の部分を使う方法。
これもアルミホイルと同様に、応急処置のような方法ですが、手元にあるもので簡単に切れ味を戻せるのがメリットです。
ステップ①|道具をそろえる
- 必須
- 包丁
- 陶器の器
お茶碗やマグカップ、どんぶりなど、丸い底(糸底)の陶器であれば何でもOK。少しザラザラしたものが好ましいです。
ステップ②|包丁を当て、手前に引く
底の部分が見えるよう、机に陶器を置きます。ずれないようしっかり手で支えましょう。そこに包丁を当て、そのまま手前に引きます。これを数回繰り返すだけ。
反対の面も同じように数回こすれば完了です。
ステップ③|陶器と包丁を洗う
包丁を研いだあとは陶器の底が少し汚れるので、しっかり洗いましょう。
注意!包丁の種類によって研ぎ方はちがう!
包丁の研ぎ方を4通りご紹介しましたが、実は包丁の素材によっては研げないものもあります。
現在、包丁の素材は「鋼(ハガネ)」「ステンレス」「セラミック」が主流。そのなかでもセラミック素材の包丁は、一般的な砥石や研ぎ器では研げません。
あらかじめ包丁の素材をチェックをし、研げるものか確かめておきましょう。
ワンポイント!
包丁の研ぎ方がよくわからない場合は?
なかには「そもそも刃が欠けて直せないかも…」「うまく研げるか自信がない…」と感じた人もいると思います。
そんな人は、メーカーや刃物店の「研ぎ直しサービス」を活用するのが◎。包丁を研いでもらい、その後返却してもらう方法です。依頼先にもよりますが、1000円ほどで研ぎ直してくれますよ。
困ったときはプロに依頼してみてくださいね。
包丁の研ぎ方は簡単!
切れ味の悪い包丁を使い続けるのは、ストレスがたまるもの。料理の見栄えが悪くなり、イライラすることもあると思います。
今回紹介した研ぎ方をマスターして、定期的に包丁を研いでみてください。毎日の料理がはかどりますよ。