包丁などの刃物が「少し切れにくくなってきたな…」と感じたときに、まっさきに思い浮かべるのが砥石を使った作業ではないでしょうか。ただ、使い方がわからない…という人も多いと思います。

そこで今回は、砥石の使い方を写真でわかりやすくご紹介します。

砥石とは?使い方はどれも同じ?

砥石のアップ

砥石(といし)は、刃物などの金属を研磨する道具のことです。

ほとんどの砥石が、おうちのさまざまな刃物に対応していて、料理包丁やナイフ、彫刻刀、ハサミなどに使えます。ただ、なかには「鎌用砥石」など専用のものもあるので、購入時に用途を確認すると安心ですよ。

さらに、目の粗さでいくつか種類があり、大きく「荒砥石」「中砥石」「仕上げ砥石」の3種類に分けられます。

目の粗さは「番手」と呼ばれる数字で表され、数字が大きくなればなるほど目が細かくキレイな仕上がりなります。砥石の分類と番手の関係はおおよそ次の通り。

● 荒砥石:200〜400番
● 中砥石:1000番前後
● 仕上げ砥石:6000番〜

砥石の番手

市販の砥石がどの種類かは、パッケージに上の写真のような記載があり、「#1000」などが番手を表します。数字を細かく覚えておかなくても大丈夫ですよ。

砥石はどう使い分けるといい?

砥石に種類があるのは、それぞれ使う目的がちがうためです。ここでは荒砥石、中砥石、仕上げ砥石の違いを説明しますが、おおまかに把握ができていれば問題ありませんよ。

手元の刃物をどう磨きたいのか確認し、その目的にあった砥石を選びましょう。

荒砥石の使い方

字のごとく目が荒い砥石のこと。目が荒いということは、1回こすっただけでも削れる量が多く、その半面仕上がりが少しガタガタに。欠けてしまったり、摩耗で変形したりした包丁の、形を直す最初の研磨で使います。

中砥石の使い方

荒砥石よりも目が細かい砥石で、削れる量はそれほど多くありません。仕上がりがなめらかなので、デコボコになったところを平面にする役割があります。

仕上げ砥石の使い方

名前の通り、仕上げに使うほど目が細かく、キレイに磨ける砥石。細かい傷なども消し去る砥石です。

切れ味をよくするだけなら「中砥石」があればOKです。さらにキレイに仕上げたい人は「仕上げ砥石」も用意を。

欠けた刃を研ぎ直す場合は「荒砥石」も準備しましょう。

砥石の使い方|準備する道具は?

包丁を砥石で研ぐときの道具

必須
包丁
砥石
布巾
あると便利
洗面器

今回は荒砥石と中砥石、滑り止め付きの研ぎ台がセットになったこの商品を使って、包丁の研ぎ方を紹介していきます。

『 KAI コンビ 砥石セット』(貝印)

砥石の使い方|基本的な研ぎ方

包丁やナイフなど、刃物全般を研ぐときは基本的に次の順番で進めます。

ステップ①|砥石を水に浸す

砥石を洗面器の水に浸す

砥石には吸水タイプと吸水しないタイプの2つがあります。この砥石は吸水タイプなので、あらかじめ水に浸しておく必要があります。洗面器などに水をはって砥石を浸けてください。

吸水しないタイプなら、このステップは飛ばしてOKです。研ぐときに軽く水をかけながら進めれば大丈夫。

水に浸した砥石から泡が出る

泡が出なくなるまで10〜20分ほど放置します。泡が出ないことを確認したら取り上げましょう。

砥石

使う面を上にし、研いでいる最中に砥石がずれないよう、研ぎ台に乗せます。

研ぎ台がない場合は、下に濡れ雑巾などを敷いておくと安全に作業できますよ。

ステップ②|刃を砥石に当てる

包丁の研ぎ方

ここが一番のポイント。職人さんによっても好みが分かれるほど「包丁」と「砥石」を当てる角度は重要です。

紹介する方法をおおよその目安とし、好みにあうよう調整してみてくださいね。

包丁を砥石に45度で当てる

体の正面にまっすぐ砥石を置き、その砥石に対して包丁を45度ほど傾けてセットします。

砥石に包丁を当てる角度(10円3枚分)

さらに、その状態で包丁を15度ほど起こします。10円3枚が入るくらいが目安。角度をつけすぎると刃先が削れ、もっと切れ味を悪くしてしまうので注意しましょう。

ステップ③|研磨する

砥石で包丁を研磨する

包丁のセットが終わったらあとは研ぐだけ。包丁の柄と腹の2ヶ所を押さえ、10回ほど前後に動かします。

奥側に押し出すときに力をいれ、手前に戻すときは軽く力を抜きましょう。

包丁を研ぐ順番

刃の長さによって、作業を2〜3分割してそれぞれ10回ずつ磨くといいですよ。

包丁の反対側も砥石で研磨する

片面を磨いたあとは刃先に「かえし(かえり)」と呼ばれる目には見えない細かな突起ができるので、裏返してそのかえしも研ぎ落とします。包丁を逆向きにして同じ要領で研ぎましょう。

研いでいると泥のようなものがついてきますが、この泥は洗い流さなくOKです。どうしても気になるようなら、軽く水で濡らすくらいにしてくださいね。

ステップ④|布巾で拭き、乾燥させる

包丁を水洗いする

研ぎ終わったら、いつものように食器用洗剤などを使って水洗いし、表面をキレイにします。

洗い終わった包丁を拭く

仕上げに乾いた布巾でしっかり水分を拭きとり、乾燥させれば完了です。

切れない包丁でトマトを切る

切れない包丁だと、トマトを薄く切るときに皮まで巻き込んで、潰れてしまっていますが、

研いだ包丁でトマトを薄切りする

研ぎ直した包丁ならこの通り。薄切りしてもキレイに切れるようになりました。

砥石の使い方|簡易砥石を使った簡単な研ぎ方

包丁研ぎ器で包丁を研ぐ

包丁をもっと簡単に研ぎたい人には、簡易砥石と呼ばれるアイテムを使うのをおすすめします。

別名「包丁研ぎ器」ともいい、包丁を当てて手前にサッとスライドさせるだけで簡単に刃先を磨けます。

本格的に磨きたい人は砥石、ラクに磨きたい人は簡易砥石(包丁研ぎ器)を活用しましょう。

砥石の保管方法は?

砥石のアップ

砥石の保管方法は簡単です。砥石を使ったあと水気をきって室温と同じ環境に置いておくだけ。包丁の数が多く研ぐ機会が多い人は包丁の近場に置いておくのもおすすめです。

砥石を使って真ん中部分がすり減ってしまったときは面直し用砥石などを使って、平らになるまでキレイにしてから水気を切るようにしましょう。そうすると次に使うとき安定して包丁が研げます。

砥石を使うとき注意点

ステンレスとセラミックの包丁

砥石を使うときには刃物の素材に注意しましょう。

包丁だと「鋼(ハガネ)」「ステンレス」「セラミック」の3つの素材がよく見られ、このうちセラミック素材の包丁には砥石を使うことができません。というのも、セラミックの方が砥石よりも固いため、うまく磨けないんです。

セラミック素材の場合は、専門の道具を用意するか、メーカーや刃物店などのプロに依頼することをおすすめします。

砥石の使い方をマスターしよう!

砥石で研いだ包丁を拭く

刃物を磨くのに欠かせない砥石。なにやらむずかしそうなイメージがあって敬遠している人も多いと思います。

ただ、目的にあった砥石の種類を把握し、あとは磨くときの角度さえ注意すれば、それほどむずかしいことはないんですよ。

砥石の使い方をマスターして、刃物を快適に使いましょう。