「油が酸化する」って耳にしたことはありませんか?馴染みがない言葉なので、「どんな状態のこと…?」「酸化した油を料理に使うと何か問題があるの…?」と疑問は尽きませんよね。

そこでコジカジ編集部は、東京都台東区にある油専門店「金田油店」さんにこの疑問をぶつけました。

油の酸化について伺うと、実は油のしまい方や管理方法に関係があることがわかりましたよ。

「油の酸化」ってどんな状態…?

金田油店 外観
「菜種」や「ごま」など、原料ベースで約30種、全体で60種の油を取り扱っている金田油店さん。今回は、店長の青木さんに「油の酸化」について伺いました。

ーー油が酸化するっていうのは、つまりどういうことなのでしょうか?

青木さん:
油が酸化するというのは、油と空気中の酸素が結びつく反応を指します。油を扱ううえで、基本的には「避けられない現象」です。

油を一度開封したあとはフタを開けるたびに容器内に酸素が入るので、見た目に変化がなくてもゆっくりと酸化は進みます。

みなさんが気にしていないだけで、油は開封と同時に酸化が始まっているんですよ。

「油の酸化」は「油が腐る」ことではない

油 シミ汚れ
ーー「油が酸化する」と聞くと悪いことのような気がして、そのまま料理に使っていいものか不安になります。「油の酸化」と「油が腐る」は同じ意味と考えてよいのでしょうか?

青木さん:
「油の酸化」=「油の劣化」のことで、決して腐っているわけではありません。なので、酸化が悪いわけではなく、どれくらい酸化(劣化)しているかの「程度」のほうが大切です。

正しく保存していれば、酸化は少しずつ進んではいきますが、賞味期限までは問題なく使い続けられます。ただし保存方法をあやまると、賞味期限を待たずして酸化(劣化)が進みすぎて使えなくなることもあります。臭いが出てきたり、色が黒くなったり、加熱すると泡立ったりと、目に見えた変化があるので、そうなったら料理などに使うのは避けましょう

酸化しすぎた油を食べると、体質にもよりますが、胃がムカムカする、お腹を壊してしまうといったことがあります。

油が酸化が進むのを防ぐには?

金田油店 店内風景
ーー油の品質を保つにはできるだけ酸化を進行させないことが大切ですね。油の酸化を進行させないために、できることはあるのでしょうか?

青木さん:
油は「光があたる」と「高温になる」と「空気に触れる」という3つのうち、どれか一つの環境におかれるだけで酸化が進むので、これを防ぐことが大事です。

まず、光と熱を避けるためにコンロ下などの冷暗所で保管しましょう。手が届きやすいからといって、ガス台のまわりに置くと酸化が進みやすくなります。

また、空気に触れすぎないようにフタをしっかり閉めておくのもポイントです。半開きだと空気が入って酸化が進みますよ。

ちなみに、未開封でも明るくて熱いところで保管すると酸化が進みます。夏場は気温が高いので注意してくださいね。油はむやみにストックを用意せず、できるだけ量が少なくなってから買い換えるなど工夫しましょう。

揚げ油はさらに酸化が進む

オイル 油 料理 揚げ物
ーー家庭で揚げ物をよくする人もいると思います。揚げ物に使った油と酸化の関係はどうなっているのでしょうか?

青木さん:
揚げ物に使った油は、確実に酸化が進んでいます

つねに空気に触れていますし、さらに肉汁や衣から食材の成分も染み出してしまっています。使えば使うほど酸化が進むと考えましょう。

天ぷら屋さんも一晩でけっこう油を入れ替えているんですよ。

家庭で揚げ油を使い回す場合は、揚げたあとすぐにこして油と残りカスを分離するのがポイントです。

酸化する前に油を使い切ろう

料理の油
取材の最後に青木さんからアドバイスをいただきました。

青木さん:
酸化の状態を把握することはできないので、開封後は3ヶ月を目処に使いきるよう心がけるとよいと思います。

管理方法を見直して酸化予防につとめ、早めに油を使い切りましょう。