「セスキ水」が掃除に便利!と聞いたことはありませんか?むずかしそうな名前なので、どんなもので、どんなときに使うものなのか、いまいちピンとこないかもしれませんね。
そこで今回は、「セスキ水」とは一体何か、作り方や使い方、アルカリ電解水との違いなどについて、詳しくご紹介します。
セスキ水とは?
セスキ水とは、「セスキ炭酸ソーダ水」の略称で、セスキ炭酸ソーダという粉を水に混ぜてつくったものです。
セスキ炭酸ソーダは半透明の細い結晶のような形をしています。セスキ炭酸ソーダは自然界にもある素材で、重曹をつくるときのもとになるもの。
セスキ炭酸ソーダは水に溶かすとアルカリ性の性質をもち、油汚れに代表される酸性の汚れを中和して溶かし落としやすくするはたらきがあります。
そのため、セスキ水をスプレーなどに入れれば、簡易な洗剤としてキッチンまわりのこまめな掃除などに使えて、とても役に立ちますよ。
セスキ水とアルカリ電解水との違い
セスキ水と一緒によく聞かれるのが「アルカリ電解水」。
アルカリ電解水も名前の通りアルカリ性の性質を持っていますが、水の性質であるpH(ペーハー)が異なります。pH8以上がアルカリ性の性質ですが、セスキ水は9に対して、アルカリ電解水は12〜13。
pH8〜11が弱アルカリ性、pH11以上が強アルカリ性なので、セスキ水は弱アルカリ性、アルカリ電解水は強アルカリ性といえます。アルカリ電解水の方が、より酸性の汚れを落とせますが、肌荒れを起こしやすいなどのデメリットも。
セスキ水のほうがよりナチュラルクリーニングに適しており、安心して使えます。セスキ水と重曹との違いは、関連記事を参考にしてください。
セスキ水の作り方
- 必須
- セスキ炭酸ソーダ
- 水
- あると便利
- スプレーボトル
- 洗面器などの容器
セスキ水の作り方はとっても簡単で、セスキ炭酸ソーダと水道水を混ぜるだけ。
分量は「水200mlに対してセスキ炭酸ソーダを小さじ半分(2〜3gほど)」。厳密に測る必要はなく、コップ1杯の水に子供用の小さなスプーン1杯分のセスキ炭酸ソーダを混ぜる、くらいを目安にすればOKです。できた液は気泡がはいったからか少し白っぽくなりました。
そのままセスキ水を洗浄液として使うのもいいですが、スプレーボトルにいれるとあちこちの掃除にも使いやすくなります。ほかにも、洗面器にためてつけおき洗いに使うこともできますよ。
セスキ水は無臭なので、スプレーにアロマオイルなども加えてよく振っておくと、掃除のあとに好みの香りが広がって気分も上がりますね。
セスキ水の掃除での使い方
セスキ水は「油汚れ」がついていれば、おうちのどこにでも使えます。たとえばどんなことができるのか、ここでは場所別の活用方法を簡単にご紹介します。
キッチンの油汚れ
油汚れといえば、すぐに思いつくのがキッチンのコンロ周り。今回は油がはねてべたべたする汚れがついたIHコンロを掃除してみます。
全体的に軽くセスキ水をスプレーし、使い捨てのペーパータオルで拭き掃除するだけでOK。すぐに油汚れを分解してくれるので、力を込めてこすったりする必要もありません。
拭いたあとは自然乾燥させればOK。セスキ水が乾いた跡も残らないので、水拭きなどで仕上げる必要もありません。
すぐに掃除できるので、キッチンにセスキ水のスプレーを置いておくといいですね。
リビングの手垢
リビングではおもに手垢などの「皮脂」を落とすのに使います。照明についたスイッチの黒ずみやフローリングのベタベタは身体から出た皮脂が原因の汚れ。
セスキ水を含ませた雑巾で簡単に拭き、水拭きで仕上げれば黒ずみはスッキリ。サラサラで気持ちいいさわり心地に戻せます。
セスキ水の効果をさらに高めるコツ!
セスキ水はそのままでも十分強力ですが、ちょっとした工夫でさらに効果を高められます。
3つのコツがあるので、ガンコな汚れがあるときは効果を高めて効率的に汚れを落としましょう。
コツ①|セスキ炭酸ソーダの濃度を調節する
市販の洗剤とちがって、セスキ水は自分でセスキ炭酸ソーダの入れる分量を変えれば、洗浄力を調整できます。ガンコな汚れには紹介した量の2倍ほどを入れ、濃い液をつくると汚れ落ちがアップしますよ。
ただし、濃くしすぎるとベタベタするので、水拭きやすすぎを念入りにするなどの注意も必要です。
コツ②|お湯で溶かす
油汚れは温めると溶けてふやけやすくなります。
キッチンの換気扇やコンロなどのギトギトに汚れたものには、お湯で溶いたセスキ水を使えば汚れを落としやすくなります。
コツ③|つけおきする
また、セスキ水は時間をかければかけるほど汚れになじんで油汚れをふやかします。大きめの鍋やボウルにいっぱいのセスキ水を用意し、汚れたアイテムを1〜2時間ほどつけおきしましょう。
熱いお湯と組みあわせてつけおきすれば、どうしても落ちかった油汚れがツルツルに分解されます。
セスキ水で落とせない汚れは?
セスキ水は家中で使えるとても便利な洗剤ですが、「油汚れ以外」を落とすのは苦手。次のような汚れはうまく落とせないので別の洗剤を使いましょう。
水垢
水回りにできる白くくもった汚れは「水垢」と呼ばれる、水道水のミネラル分が残ったもの。この水垢は、セスキ炭酸ソーダと同じアルカリ性の性質をもつため、中和されずうまく分解できません。
水垢を落とすには「クエン酸」を活用しましょう。セスキ炭酸ソーダと同じ並びで売られている場合が多いので、セットで揃えておくといいですよ。
焦げ付き
コンロの油汚れはうまく分解できますが、物理的に厚みのある焦げまでは分解できません。焦げ付きと油汚れが合体したガンコな汚れには、「過炭酸ナトリウム」を使うのがおすすめ。
「過炭酸ナトリウム」は酸素の力で汚れを分解して浮かせる、酸素系漂白剤の主成分です。ガンコな汚れは過炭酸ナトリウムを溶かしたお湯でつけおきし、ふやかしてからタワシなどでこすり落としましょう。
セスキ水を使って家中を掃除!
セスキ炭酸ソーダはこれまであまりなじみのなかったアイテムかもしれませんが、家中の掃除に使えるすぐれたアイテム。
「セスキ水」を入れたボトルをいくつか用意し、おうちのあちこちに置けば気になったときにすぐに掃除にとりかかれますよ。
目いっぱい活用してピカピカなおうちをキープしてみてくださいね。