大切に着ていても、洋服にシミ汚れはつきものですね。とくにウールの服につくと困ったもの。ふだんの洗濯すら慎重にしているのに、これ以上、何をどう気をつければいいのか悩んでしまいます。
そこで今回は、ウール素材の洋服の染み抜きについてくわしくご紹介します。条件さえ整えばおうちでも簡単にできますよ。
染み抜きできるウールの見極め方
ウールは羊の毛を織って生地にしたものです。ふわふわして保温性がある反面、「型崩れが起きやすい」という弱点があります。
そのため、ウールのなかでも極端に型崩れしやすい洋服は、おうちでは染み抜きできません。
おうちで洗濯できるウールかどうか、まずは洗濯表示を見て確認しましょう。
洗濯表示に「洗濯機で洗える」「手洗いできる」などの、「水洗いできる」マークがあれば、染み抜きも問題なくおうちでできます。
ウールの染み抜きのポイントは?
ウールを型崩れさせずに染み抜きするには「洗剤の選び方」と「洗い方」がとても重要になってきます。
ウールは強い力がかかると縮んだり、固くなったりする素材。負担を軽くするためにも、できるだけウールに対応した洗剤を選びましょう。
さらに重要なのが「洗い方」。もんだりこすったりするのはNGで、水に長くつけるのもダメ。ササッと手早く染み抜きするのがポイントです。
具体的にどんな洗剤を選び、どんな洗い方をすればいいのか、次から見ていきましょう。
ウールの染み抜きに必要な洗剤ってなに?
- 必須
- 『エマール』などの中性洗剤
- タオル2枚
- ティッシュ
ウールの染み抜きに使う洗剤は『エマール』や『アクロン』などのおしゃれ着用中性洗剤。洗浄力はそれほどありませんが、毛玉や縮みが起こりにくいため、ウールの染み抜きに安心して使えますよ。
おしゃれ着用の洗剤がなければ、『キュキュット』などの食器用中性洗剤でも大丈夫です。
ウールの染み抜きの基本的なやり方は?
ウールの染み抜きは「強い力を加えない」がポイント。もんだりこすったりして縦横に伸ばすのはNGで、シミだけを叩くように部分的に染み抜きしましょう。
大まかな汚れを取る
シミがついてすぐであれば、ティッシュでつまんでできるだけ取り除く。
洗剤をなじませる
濡れタオルに洗剤を数滴たらしてもみ込み、シミの部分を軽く叩いてなじませる。
タオルを敷く
シミ部分にタオルをあて、裏返し(裏地が見える状態)にしてテーブルに置く。
裏から叩く
シミの裏から洗剤を含んだタオルでふたたび叩き、汚れをタオルに移していく。
洗剤を除く
タオルをすすぎ、固く絞ってシミの部分を水拭きする。トントン叩いて、洗剤を取り除く。直接流水に当ててもOK。
タオルドライする
もう1枚の乾いたタオルを押し当て、水分を取る。
干す
それぞれの服にあった方法で干して乾かせば完了。
ニットなどは伸びやすいので平干し、パンツなどはシワを防ぐために吊り干しで乾かしましょう。
汚れにあわせたウールの染み抜き方法!
ウールのシミはほとんどが基本の方法で対処できますが、汚れの原因がわかっているときは、それぞれにあった方法を選べばもっと落としやすくなりますよ。
紅茶などの水性の汚れ
紅茶やワイン、醤油などは水性の汚れ。水に溶けやすいので落とすのはむずかしくありません。
おすすめはシミの裏から直接流水をあてる方法です。軽く洗剤をつけてもみこんでから、水で流すだけで十分キレイになりますよ。
口紅などの油性の汚れ
口紅やカレーなどは油分を多く含む油性の汚れ。そのまま水で洗おうとすると、油分が水を弾いてしまうので、「油分を溶かす→シミを抜く」の順に落とします。
使う洗剤は同じでも、最初に「ぬるま湯で油をゆるめておく」のがポイントです。そのあとに先ほどの染み抜きをしましょう。油性のシミは輪ジミになりやすいので、少し広めに染み抜きすると跡が目立たなくなります。
洗濯できないウールの染み抜き方法は?
ウールの洋服のなかには、レーヨンやカシミヤといったさらにデリケートな素材を混ぜて織り込まれていることもあります。
その場合は「水洗い不可」の洗濯表示がついていて、おうちで染み抜きできません。部分的に水で濡らすだけでもむずかしいんです。
そんな洋服はクリーニングに依頼するのが無難。少々費用はかかりますが、プロの手であれば型崩れなく、スッキリ汚れを取り除いてくれますよ。
ウールは洗濯表示をもとに手早く染み抜きするのが正解
大切なウールの服にシミができると、どうしていいかわからず困ってしまいますね。
ポイントは生地にあった方法で染み抜きすること。シミを取り除くのは大切ですが、ウール自体を傷めてしまうと元も子もありません。
「おしゃれ着用中性洗剤を使う」「シミ部分だけを叩く」などウールにあった方法で染み抜きすれば、失敗は格段に減らせます。できるだけ時間をかけずに、ササッと手早くシミを落としましょう。