鉄製のフライパンに興味があっても、「焦げ付きやすい」「手入れに手間がかかりそう」とネガティブな印象がある人が多いのではないでしょうか。
たしかに鉄製のフライパンは、テフロン加工のフライパンなどと比べると少し手間ですが、慣れてしまえば気にならなくなりますよ。
今回は、鉄製のフライパンに興味をもつ方のために、使い始めや普段のお手入れ方法について詳しく説明します。
でも、スキレットは一般的なフライパンとは作られ方が違います。この違いを知っておかないと、正しく手入れができず、スキレットの劣化を早めてしまうかもしれませんよ。
今回は、スキレットを長く使うために正しい手入れ方法を紹介します。正しい扱い方を覚えて、長く愛用してくださいね。
鉄製のフライパンの特徴は?普通のフライパンと何が違う?
一般的なテフロン加工のフライパンは鉄などの素材を薄く伸ばし、曲げたりつなげたりして作られているのに対し、鉄製のフライパンは溶かした鉄を型に流し込んで成型されています。そのため、フライパンに厚みがあり、ずっしりと重いのが特徴です。
鉄製フライパンは一般的なフライパンに比べて厚みがあるので、火がじっくりと行き渡る性質があり、それによって素材のおいしさを引き出すことができるといわれます。
鉄製のフライパンは表面がデコボコしているため、食材がくっついたり焦げついたりしやすいと思われがちですが、それは正しい手入れができていないからです。きちんと手入れをすれば、食材はくっつきにくくなります。しかも、テフロン加工のフライパンのようにコーティングが剥げるなどの劣化がないので、一生使い続けられるんですよ。
鉄製のフライパンの手入れ方法①|買ったら最初に油ならしが必須
鉄製のフライパンの表面はデコボコしていて、細かな穴が空いているので食材がくっつきやすくなります。そこで、その凸凹したところに油をなじませて食材をくっつきにくくする必要があります。
鉄製のフライパンを購入したら、最初に「油ならし」を行います。表面に油のコーティングをする作業です。
食器用洗剤で洗う
購入したばかりの鉄製のフライパンに塗られているサビ止めのワックスを洗い落とす。
水分を拭き取る
流水で洗剤をすすぎ、水分を残さず拭き取る。
すぐ火にかける
細かい穴に入り込んだ水分を飛ばす。水蒸気の煙がおさまるまで加熱。
火をとめて冷めるのを待つ
手で触れるくらいの温度まで冷えるのを待つ。
食用油をたっぷり入れて弱火で3分ほど加熱
だいたい2分の1〜1カップの食用油を入れて、そのまま弱火で3分ほど加熱する。
余分な油をとり、残った油を塗り伸ばす
オイルポットなどに余分な油をよける。残った油をキッチンペーパーで薄く塗り伸ばし、油を拭き取れば完了。
食用油は、オリーブオイルでもサラダ油でもOKです。この工程が終われば使い始められます。
鉄製のフライパンの手入れ方法②|使うときは毎回「油返し」をする
鉄製のフライパンを使うときは、毎回最初に「油返し」をします。
最初の油ならしだけでは、油が鉄製のフライパンになじんでいないので、追加で油に慣らしていく必要があります。食材がくっつくのを防ぐためにも、必ず油返しをしてくださいね。
フライパンを火にかける
最初に弱火にかけて2〜3分程度加熱する。
食用油をたっぷり入れて加熱する
だいたい2分の1〜1カップの食用油を入れて、フライパンの内側に油をなじませる。そのまま弱火で加熱する。
火をとめて余分な油をとる
オイルポットなどに余分な油をよければ完了。
油返しをしたあと、調理に必要な量の油をひいてから焼いてくださいね。
鉄製のフライパンの手入れ方法③|使ったあとはお湯でゴシゴシ洗う
鉄製のフライパンを使い終えたら、早めに洗うのが大切です。洗剤は使わず、お湯とタワシでゴシゴシ洗ってください。
汚れを落とす
お湯をかけながら、タワシなどの固い道具でこすり洗いする。
水分を拭き取る
流水ですすぎ、水分が残らないようにしっかり拭き取る。
すぐ火にかける
細かい穴に入り込んだ水分を飛ばす。水蒸気の煙がおさまるまで加熱する。
食用油を全体に塗る
内側と持ち手部分まで含めて、食用油をキッチンペーパーで薄く塗り伸ばす。塗り残しがないように。
油を塗り終わったら弱火で加熱する
弱火で5分ほど加熱すれば完了。冷めるのを待って保管する。
使い終わったあとにひどく汚れがこびりついているときは、水を入れて火にかけ沸騰させると汚れが浮いてきます。その後でタワシなどでこすればキレイに落とせますよ。
鉄製のフライパンを手入れするときの注意点は?
鉄製のフライパンを手入れするときには、次の点に注意しましょう。
油をしっかりなじませる
鉄製のフライパンを使いこなすには、油ならしや油返しが重要です。油をなじませるためにも忘れずにおこなってください。
調理時の油もたくさん使う
テフロン加工のフライパンに比べると焦げ付きやすいので、調理時の油の量も多めに使いましょう。
冷たい水では洗わない
冷たい水で急激に冷やすと、温度変化で鉄が変形してしまいます。鉄製のフライパンは冷ましてからお湯で洗いましょう。
洗剤は使わない
普段の手入れでは食器用洗剤は使わないでください。洗剤をつけるとせっかくなじませた油まで落ちてしまうからです。洗剤を使うのはひどく焦げついたときだけにしましょう。
濡れたまま放置しない
鉄製のフライパンは濡れたままにしておくと簡単にサビができます。表面の水を拭き取ったら、必ず火にかけて中の水分も蒸発させましょう。
鉄製のフライパンはメーカーによって加工されているものもあるので、使い方や手入れ方法はあらかじめ取扱説明書をチェックするようにしてくださいね。
鉄製のフライパンをきちんと手入れして長く愛用しよう
鉄製のフライパンを使いこなすには、使う前と使ったあとの手入れが不可欠。面倒に感じるかもしれませんが、その分、鉄製のフライパンで調理すると食材の美味しさが引き立ち、普段の料理の仕上がりが変わってきます。
使い続けるほどに手になじみ、手入れの手間も少なくなってくるので、興味のある方はぜひ手入れ方法を覚えてチャレンジしてみては?一生モノの鉄製のフライパンをぜひ使ってみてください。