優雅な雰囲気が素敵なシルク素材のアイテム。大事に使っていたはずなのに、食べ物や飲み物をこぼしてシミがついた…なんてこともありますよね。

どうやったらキレイになるのかと不安に感じてしまうかもしれませんが、条件さえ整えばおうちで染み抜きすることができますよ。

シルクの特徴は?どうしてデリケート?

スカーフ

「シルク」は蚕(かいこ)のマユからとった糸でつくった生地のこと。日本だと「絹」の名前の方が有名かもしれません。美しい光沢があってドレスや着物、スカーフなどのおしゃれ着としてよく使われています。

シルクがデリケートといわれているのは「水に弱い」のが理由です。普通に洗濯すると生地が傷んで、せっかくの雰囲気が台無しになってしまうほど。なので、染み抜きのときは注意が必要なんです。

条件が整わないとおうちでの染み抜きはできないので、まずは洗濯表示を確認してみてください。

シルクで染み抜きできるのはどんなとき?

染み抜きができるのは、服の「生地」とそれについた「汚れの種類」にそれぞれ条件があります。

染み抜きできる「生地」は?

洗濯表示 水洗いの可否

シルクは水に弱いので基本的に洗濯はできませんが、手洗いであれば家庭で洗えるものもあります。

洗濯表示を確認し「水洗い不可」のマークがついていないことをたしかめましょう

染み抜きできる「汚れの種類」は?

シミ汚れ

水洗いできることが確認できても、とてもデリケートな素材に変わりはありません。そのため、染み抜きできるのは軽度な汚れだけ。ガンコな汚れを染み抜きすると、シルクが変色するなど傷んでしまいます。

「皮脂の黒ずみ」「ついてから時間のたっていないシミ」であればキレイにできるかもしれません。

シルクの染み抜きのやり方は?

手洗い

用意するもの
必須
『エマール』などの中性洗剤
洗面器
洗濯ネット
タオル

シルクにできたシミを抜くときは刺激の少ないおしゃれ着用の中性洗剤を使います。汚れをよく落とせる漂白剤などを使いたくなりますが、シルクの生地を傷めてしまうので避けましょう。

ほかには手洗い用の洗面器と洗濯ネット、色落ちチェック用のタオルを用意したら準備完了です。

色落ちチェックする

濡れタオルに洗剤を含ませ、目立たない場所に当てる。タオルに色が移らなければ染み抜きOK。

洗浄液をつくる

洗面器にぬるい水を張り、少量の中性洗剤を溶かす。

つけおきする

シミのある部分だけを浸し、5分ほど浸けておく。

押し洗い

シワができないように広げ、指の腹でやさしく押して汚れを溶かし出す。

すすぐ

キレイな水に入れ替え2回ほどすすいで洗剤を流す。シミの裏から流水で押し出すと落ちやすい。

脱水

たたんで洗濯ネットに入れ、洗濯機で15秒ほど脱水する。スカーフなどの小物なら脱水しなくても大丈夫。

干す

手でシワを伸ばし、日陰で干して乾かせば完了。

シルクはとてもデリケートな生地。染み抜きは慎重に、かつ手早くおこないましょう。

洗濯表示で水洗いできるとわかっていても、色落ちチェックで柄が落ちてしまうことがあります。必ずチェックすることを忘れないでください。

「水洗い不可」のシルクを無理やり染み抜きするとどうなる?

注意 禁止 バツ

「水洗い不可」のマークがついたシルクのアイテムをムリに染み抜きすると、次のようなトラブルの原因になります。シミを抜くどころか逆効果になりかねないので注意してくださいね。

脱色する

濃い色の物は水洗いで色落ちすることがあります。色落ちすると元に戻すことはできないので気をつけましょう。

風合いが損なわれる

水洗いできないシルクを洗うと、生地が傷んでツヤがなくなったり、黄色く変色したりといったトラブルが起こります。

シワができる

シルクはシワがよりやすい素材でもあります。アイロンである程度元に戻せますが、その分傷みやすくもなってしまうんです。

染み抜きできないシルクはプロに任せよう

水洗いできないシルクや、とくに大切にしているアイテムならクリーニングに出すのが一番安心です。

変色を起こしているとプロの手でも元に戻すのがむずかしい場合はありますが、まずは相談してみることが大切。落とせそうであれば依頼してみましょう。

何のシミかわかっている場合はクリーニングに出す際に伝えておくと、汚れにあわせた対処がしやすくなるので仕上がりがよくなります。

シルクの染み抜きは適したやり方で!

シルク スカーフ

シルクはとても高価でデリケートなアイテムです。おうちでムリに染み抜きすると傷んで使えなくなってしまうので、適した方法を選ぶことが重要。

「迷ったらプロに相談」と考えておけばトラブルを最小限に防げます。シミがスッキリ取れれば大切な日でもまた気持ちよく使えますよ。