胸元や腕についた大きなワッペンが特徴的な「カナダグース」。どんなに寒いときでも、これ一着で汗をかいてしまうほど暖かくなりますよね。
でもダウンのシーズンが終わると気になるのが、そのお手入れ。せっかく買った高級ダウン、少し汚れも目立ってきてキレイにしたいと思っている人も多いと思います。しかし、手入れを間違えてしまったらせっかく買ったカナダグースが台無しになってしまう...という不安もあるのではないでしょうか。
そこで今回は、カナダグースなどの高級ダウンのクリーニングに定評があるクリーニング店「ひらいしやクリーニング」の店主・渡邊隆徳さんに、カナダグースの正しい扱い方を伺いました。
カナダグースはクリーニングに出したほうがいいのか、自分で手入れする方法はあるのかなど、失敗しないためのポイントをまとめましたよ。
カナダグースはクリーニングが必須!自宅では洗濯できない
カナダグースのような高級ダウンはクリーニングに出すと料金も高いので、自宅で洗濯できないのかな?と考える人もいるかも知れません。
しかし、一般的なダウンは自宅で洗うこともできますが、カナダグースは極寒仕様で他のダウンよりも羽毛が厚く、自宅で洗える代物ではないんです。カナダグースの汚れを落とすには、必ずクリーニングに出しましょう。
また、着用していると襟や袖などに皮脂汚れがつき、内部の羽毛にも汚れが入り込みます。また、目には見えなくても表面にホコリや排気ガスなどの汚れもついています。汚れたまま置いておくと羽毛がヘタってきたり、汚れが酸化して変色したりするなどのトラブルにつながります。
長く愛用するならクリーニングの活用をおすすめします。
カナダグースに起きやすい白化はクリーニングで修復できる?染め直ししてくれる?
カナダグースでもっとも目立ちやすいのが、襟や袖、脇のあたりが白くなる汚れです。
これは「白化(はっか)」といって生地と生地が擦れたり、皮膚があたったりする摩擦で表面が毛羽立ち、色が落ちてしまう現象です。色が抜けてしまったものなので、汚れを落としても元には戻りません。
クリーニング店のなかにはこの白化の修復に対応しているお店もあります。汚れを落とした上で、部分的に染め直して対応してくれます。
ただ、白化の修復は技術的に難しいため、すべてのクリーニング店が対応できるわけではありません。そもそもカナダグースのような高級ダウンは、クリーニング後のトラブルを避けて取り扱っていないお店もたくさんあります。カナダグースを正しくケアするには、きちんと対応できるお店選びが重要です。
カナダグースはウエットクリーニングできるお店がおすすめ
カナダグースのクリーニングで失敗しないために、お店を選ぶときのチェックすべきポイントを3つ紹介します。
ウェットクリーニングすることを明記している
色あせの原因になる皮脂汚れをしっかり落とすには「水洗い」が必要です。クリーニング店では石油系洗剤を使ったドライクリーニングが一般的ですが、それでは皮脂汚れなどを落とし切れないからです。
ただ、ダウンをウエットクリーニングするには技術が必要で、高級ダウンを傷めずに洗うのは手間がかかります。高級ダウンを取り扱っているお店のなかでも、ウェットクリーニングで洗うと明示しているお店を選びましょう。
洗濯実績が明記されている
カナダグースのようにクリーニングがむずかしいアイテムを洗い上げるには、経験が必要です。そのためこれまでカナダグースのクリーニングをしてきた実績が明記されたお店を選ぶと安心です。
白化などの修復対応が明記されている
カナダグースを洗うだけではなく、白化などの修復に対応しているかもチェックしましょう。クリーニングとあわせて染め直しなども対応してくれれば、洗い上がりが新品のようになって戻ってきます。クリーニング後に別のお店で修復してもらうという二度手間にならずにすみます。
ちなみに、カナダグースの商品表示では「ドライクリーニング」が推奨されています。これはドライクリーニングのほうが生地への負担が少なくトラブルを避けられるためです。
しかしドライクリーニングでは、皮脂汚れなどをしっかり落とすことができません。さらに、ドライクリーニングによって羽毛の表面を覆う油分まで落として、ダウンのボリュームが減ってしまうこともあります。カナダグースをドライクリーニングで洗うお店に依頼する場合は、あらかじめ洗い上がりについてお店の人と相談しておきましょう。
カナダグースのクリーニングの料金はどれくらい?
カナダグースのクリーニングにかかる料金は、お店や選ぶコースによって違います。
一般的なダウンジャケットの相場は2000円前後ですが、カナダグースのような高級ダウンでは別料金がかかって1万円前後が相場になります。
ドライクリーニングで洗うお店では、一般的なダウンジャケットと同じ価格でカナダグースを取り扱うところもあります。ただ、さきほどお伝えしたようにドライクリーニングではトラブルの可能性も高くなります。
また、白化の修復などの補修をつけると値段が変わります。依頼するお店の料金表をしっかりと確認しておきましょう。
カナダグースのクリーニングは技術や経験が重要になるため、「料金が高いか安いか」ではなく、対応・実績を明示しているところを選んでくださいね。わからないときは不安なまま任せるのではなく、きちんと質問することもカナダグースをトラブルから守るために大切ですよ。
カナダグースをクリーニングに出す頻度は?
カナダグースは頻繁にクリーニングに出す必要はありません。1年に1回、シーズン終わりに出すだけで大丈夫です。
ただ、数回しか着てないし汚れてないからとクリーニングに出さないのはやめてください。一度着用すると、襟や袖に皮脂汚れがついてしまうからです。一度でも着用したら、シーズン終わりには必ずクリーニングに出しましょう。
クリーニングを依頼すると1週間ほどの時間がかかります。クリーニングに出したあとで「また寒くなってきた」ということのないように、十分暖かくなった4月以降に出すのがおすすめですよ。
カナダグースは普段のお手入れはどうすればいい?
クリーニングに出すまでの間、シーズン中のお手入れ方法も気になりますね。
カナダグースの普段のお手入れは、「ブラッシング」と「湿気をためない」の2つを心がけてください。
着用後のダウンには汗による湿気が多く含まれています。このままクローゼットなどにかけておくとカビの原因にもなるので、着たあとは陰干しして湿気を飛ばすようにしましょう。
また、着用後にブラッシングをするのもおすすめです。馬毛など毛の柔らかいブラシで表面や襟・袖をブラッシングすると、皮脂汚れが残るのを軽減できます。クリーニングに出すまでの間も汚れをためずにすみますよ。
カナダグースはクリーニングでキレイにして長持ちさせよう
カナダグースはできるだけ長く愛用したいですよね。
機能性が高いからこそ自分で手入れするのが難しいので、シーズン終わりにはプロの手に任せましょう。ただ、洗濯のプロでもカナダグースを洗うのは骨が折れる作業です。信頼できるプロに任せるためにも、お店選びのチェックポイントを忘れないでくださいね。
よいお店を見つけられたらあとは年1回クリーニングに出すことでしっかりケアができ、大事なカナダグースを長く愛用できますよ。