料理・掃除・洗濯・片付けなど、避けては通れないのが日々の家事。できるだけラクにできたらいいですよね。

そんな方にお伝えしたいのが、「家事貯金」という考え方。人気ブログ『10年後も好きな家』を運営されているleafさんこと河内智美さんが提唱する「家事をラクにする」アイデアなんです。

日々の暮らしに取り入れたら、家事の悩みが解消できるかもしれない!と、コジカジ編集部が河内さんへインタビュー。すぐにできる家事貯金の始め方を伺いました。

家事が苦手だったから生まれた「家事貯金」

河内さん 家事貯金のイメージ
ーー河内さんが提案されている「家事貯金」とは、どんな考え方なのでしょうか。

河内さん:
「家事貯金」っていうのは、家事の負担を減らす仕組みのことです。家事の工程を分解して、作業自体を省いたり、少しずつ先回りしてやったりして、家事を貯金のように蓄積します。その結果、家事をまとめてやる必要がなくなり、結果的に毎日の家事に追われなくなるというわけです。

たとえば料理は、その日に献立を考えて買い物し、食材の下ごしらえをして、そこから調理してとゼロからやっている人も多いと思います。

家事貯金では、工程をわけてそれぞれで「献立はルーティン化する」「食材を週末にまとめ買いする」「買った日に洗ったり切ったり下ごしらえする」「味付け用のタレだけつくる」というように、「負担を減らす方法」を実践します。

こうすれば、いざ「料理する」ときには、食材を出してタレをかけて焼くだけですむなど、日々の料理に頭を悩ませることがなくなります。

ーー家事を細かく作業でわけるということなんですね。家事はゼロからやるのが「当たり前」と考えていたように思います。河内さん自身がその思い込みを捨てられたのは何がきっかけだったのでしょうか?

河内さん:
「普通に家事をしているだけでは、立ち行かない状態になった」というのが大きいです。

もともと結構なハードワーカーで、家に帰って寝るだけというような生活をしていました。家事自体も好きじゃないから、先延ばしにしがちで…。結婚してからも変わらずの生活でしたが、それだと完全に家事が回らなくなってきまして。「やれるときにやれることをやっておかないとどうにもならない!」と(笑)。

それで夜遅く帰ったとき、朝早く起きたときのちょっとした時間でやっておける家事はないか、と考えるようになりました。それで買い物して帰った日に野菜のヘタだけ取っておこうとか、そういうことからスタートしてちょこちょこやれる工夫を増やして今に至るという感じです。

家事貯金は「がんばらない」ための仕組みづくり

河内さん ダイニング
ーー家事貯金のアイデアを取り入れてみたいなと思う一方で、河内さんのようにできるか不安もあります。

河内さん:
家事貯金は私と同じようにする必要はありません。私の本『家事貯金』を読んでくれた方から、「家事貯金、がんばってやってみます!」というコメントをもらうことがあるんですが、それは違うんです。

家事貯金は、私自身が毎日の家事を「がんばらない」ために生み出したもの。各家庭で家事のやり方や考え方は違うので、私のやり方が「正解」ではありません。私のやり方を見て、「こうしなきゃいけない」と考えちゃうと家事貯金がかえって重荷になってしまいます。

自分が「がんばらない」で日々の家事ができるようにするための仕組みづくりなので、自分の暮らしにあわせた仕組みをつくってもらえたらと思います。

ーーがんばらなくていい、自分なりの方法でいいと考えると気持ちが軽くなります。そうなると、どうやって「自分なりの家事貯金の仕組み」を考えたらいいのでしょうか?

河内さん:
家事をしていて「負担に感じる」あるいは「面倒に感じる」作業がないかを振り返ってみてください。そういうストレスを感じるところに「家事貯金」のチャンスがあります。

家事の工程を分解して、「ここがストレスを感じるな」という作業を効率化していけばいいんです。毎日料理のメニューを考えるのが負担なら、そもそも考えずにすませるためにメニューをルーティン化しちゃうとか。

たとえば私なら食材をまとめ買いした日に常備菜をつくったり、下処理して冷凍保存したりしちゃいます。ただ、1週間分全部作り置きするのは息切れしちゃうのがわかっているので、3日分だけつくるようにしてるんです。まずは自分でできそうなことから始めてみてください。

自分がラクになるという観点で、日々の家事を見直してみることが家事貯金を始める第一歩なんですね。

次からは、河内さんが実践されている家事貯金をヒントに、家事の負担を減らすための「5つの視点」にわけて説明していきます。

- 家事の負担を減らすポイント -
① 家事の動作を減らす
② ルーティン化する
③ 行動をセットにする
④ 先回りして準備する
⑤ 頼れるところは道具に任せる

【家事の負担を減らすポイント①】家事の動作を減らす

家事の工程のなかで、負担に感じている動作は省けないかと考えてみます。

たとえば「洗濯」であれば、「洗濯する→仕分ける→干す→取り込む→たたむ→しまう」といった工程がありますよね。この工程を分解したあとで、ストレスを感じるものをなくしていきます。

河内さんの実践例を見てみましょう。

【収納】調理中のムダな動きを省く

河内さん キッチンの動きをへらす
河内さん:
調理中に動き回る作業を省くために、キッチンツールや調味料などは手を伸ばせば届く位置に収納。動きにあわせたキッチンをつくっています。キッチンに限らず、家事に使う道具類は使う場所で移動せず届くところに置くようにしています。

【洗濯】洗濯物はたたまない

河内さん ウォークインクローゼット
河内さん:
洗濯のなかでも「たたむ」「しまう」という作業が嫌いだったので、「たたんでしまう」作業をなくしました。たたむのは肌着とか下着、靴下くらいで、それ以外はハンガーで干してそのままかけています。

河内さん 洗濯物たたまない
あと、洗濯物を取り出したあと「外にもっていって干す」という動作も省いてます。すぐハンガーにかけられるように、洗面所内に物干し場を設置してあります。

【掃除】掃除道具を取り出す作業を省く

河内さん 洗面台の下に掃除道具を設置
河内さん:
掃除しようと思ったときに掃除道具を引っ張り出してという作業が面倒なので、掃除道具は目に見えるところに置いています。掃除道具が目に付けばすぐ手を伸ばせるため、歯磨きしながら洗面台を拭くなどちょこっと掃除がしやすくなりました。

自分がちょこっと掃除をしていると、それを見て家族もやってくれるようになりました。

【家事の負担を減らすポイント②】ルーティン化する

「考える」という作業は、家事のなかでも思った以上につかれます。ルーティン化させて「考える作業」を減らすことで、余計なことを考えずに体が動くようにします。

河内さんの実践例を見てみましょう。

【掃除】重めの掃除は月ごとで割り振る

河内さん 月ごとの掃除割り
河内さん:
どこを掃除したらいいかを考えたり、大掃除でまとめてやったりするのはとても大変。私は、キレイにしたい場所の掃除は月や週ごとに割り振ってルーティン化しています。大掃除は年末にするより、たとえば靴箱掃除は梅雨時にやったほうがいいなど、年1回場所にあわせて掃除したほうが都合がいいんです。

掃除場所によって、1年に1回でいいのか、半年で1回にいいのか、数ヶ月に1回でいいのかと考えてみてほしいです。私はこれを決めたらリスト化して、頭を使わずに掃除するようにしています。

【料理】定番の常備菜をつくる

河内さん 常備菜
河内さん:
ルーティンで作る、副菜をつくっておくと献立に悩むことがなくなります。朝も夜も出せるような副菜があると、使い勝手がよく便利ですよ。

おすすめなのがすっぱくないキャロットラペ。千切りにした人参をオレンジジュースやオリーブオイル、レモン汁などで味付けしたもので、簡単に作れて日持ちもして、彩りもよくなります。

【料理】タレ貯金をつくる

河内さん タレ貯金
河内さん:
よく使うあわせ調味料やソース類は多めに作って、瓶詰めしておきます。あえるだけ、かけるだけ、塗るだけなど、すぐに使えるので「今日は料理したくない」というときでもパパっとおかずが作れて便利です。

タレでお肉やお魚に味付けしておくだけでもメインができあがるので、定番常備菜とあわせれば調理時間はほとんどかかりません。

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【家事の負担を減らすポイント③】モノや行動をセットにする

同じような作業は一緒にする、あるいは一緒に使うモノはセットで置いておくと、無駄な作業がなくなります。家事のなかで一緒にできることやモノはないかを考えてみてください。

河内さんの実践例を見てみましょう。

【食器洗い】1日分の食器は夜にまとめ洗い

河内さん 食洗機でまとめ洗い
河内さん:
食器洗いは1日1回と決めています。食器洗いが好きじゃないので食洗機に任せていますが、それでも何度も洗うのは手間がかかるからです。一度にたくさん洗えるように、大きめの食洗機(ミーレの45cm)を導入しました。

夜まで洗い物はためておいて、翌朝に洗い上がるように設定。朝起きたら、食器類を片付けるというサイクルにしています。

【料理】一緒に使う道具や食材をまとめる

河内さん コーヒー豆と機械のセット
河内さん:
一緒に使うものは一箇所に。たとえば、コーヒーを淹れるときに使う道具は、豆から道具をセットにしておきます。セットにしておけば探す手間もなくなり、作業がスムーズになります。

【洗濯】ハンガーは洗濯用と収納用で統一

河内さん 洗濯&収納兼用ハンガー
河内さん:
洗濯物用と掛ける用でハンガーは同じものを使います。洗濯物はすべてハンガーに干して、乾いたらそのままクローゼットにかけるだけなのでムダがありません。

統一するために、濡れてもいいプラスチック製で、かつ滑り止めがついているハンガーを選んでいます。

【買い物】食材はまとめ買いをする

河内さん 食材のまとめ買い
河内さん:
献立を決めて、食材は1週間に1回まとめ買いします。基本的には3日分の献立を考え、お買い得品などもあわせて購入。ルーティンメニューなども含めたおおまかな献立を立てたらスマホなどにメモしています。

冷蔵庫とスマホを見れば何をつくるかがわかる状態にしています。常備菜作りはできないときでも、洗ったりカットしたりといった簡単な下ごしらえをするだけでも日々の調理がラクになりますよ。

【家事の負担を減らすポイント④】先回りして準備する

家事は先回りしてできることをやっておくと、その後の作業がとってもラクになります。事前にできる作業や作業の必要がなくなる準備など、細かくできることから始めてみてください。

河内さんの実践例を見てみましょう。

【忘れ物防止】持ってくものはドアノブにかける

河内さん 忘れ物防止
河内さん:
家を出たあとで忘れ物に気づいて取りに戻るってやりがちですよね。翌日必ず持ってかなきゃいけないものは、絶対に忘れないように前日の夜に玄関やドアの取っ手にひっかけておきます。こうすれば忘れることはありません。

ゴミ出しも朝まとめると大変なので、夜のうちにまとめて玄関においておくようにしています。

【料理】朝食の食器類は前の晩に用意する

河内さん 朝食の食器セット
河内さん:
朝食に食べるものはある程度決まっているので、使う食器類は前の晩に並べておきます。こうするとあとは盛り付けるだけなので、朝の作業を省けます

毎朝起きてから何を食べようかと考えることがなくなると、忙しい朝でもバタバタしません。

【掃除】掃除や手入れしやすいモノを選ぶ

河内さん 足つき家具
河内さん:
家事の負担を減らすには、家具や道具選びも大事なポイントです。たとえば、家具を選ぶときも足つきのものにしておくと、ホコリがたまりにくく、掃除するのがラクになります。

あとは、食器やキッチンツールなども食洗機が使える物を選んでいます。私はまな板なんかも食洗機が使えるものを選んでいます。

【掃除】汚れをつけない工夫をする

河内さん キッチンの油ハネカバー
河内さん:
掃除の手間を省くには、最初から汚さないことが一番です。たとえば、調理中は油ハネがないように壁を作るなどしています。炒め物や揚げ物をするときは、壁側のコンロを使わないといった工夫もしています。

ほかにもお風呂であれば道具は吊るす収納で水切れをよくして、汚れにくくしています。

【家事の負担を減らすポイント⑤】頼れるところは道具に任せる

家事で負担を感じる部分は道具で解消できることもたくさんあります。作業を減らしたり、先回りしてやったりすることができなくても、道具を使って自分の労力を減らすことはできます。最近は道具や家電は発達しているので、使わない手はありません。

高価な道具や家電を購入するのはハードルが高いと思う人もいるかもしれませんが、それによって毎日のストレスがなくなるなら安いものだと考えてみるのも一つの考え方です。

河内さんの実践例を見てみましょう。

【掃除】ダイソンとブラーバをフル稼働

河内さん ブラーバで床掃除
河内さん:
掃除機はダイソンのコードレスクリーナーを使っていて、気軽に掃除機をかけられるようになりました。水拭きは手間がかかる作業だったのですが、ブラーバのおかげで毎週水拭きされたキレイなフローリングをキープできています。

【掃除】窓掃除やお風呂掃除はケルヒャー

河内さん ケルヒャーで窓掃除
河内さん:
最近、窓掃除やお風呂掃除のために、ケルヒャーのバキュームクリーナーを導入しました。今まで水滴の拭き掃除などをしていましたが、ケルヒャーなら拭きムラがなく、水滴が取れてキレイになります。一回かけたらキレイになるので、今までの作業手間から解放されました。

【洗濯】小物はタオルハンガーで乾かす

河内さん タオルハンガーとサーキュレーター
河内さん:
小物類をピンチで一つひとつ干すのは手間なので、タオルハンガーに置いて乾かすようにしています。サーキュレーターを当てれば乾きが早くなるので心配いりません。

取り込むのもわざわざピンチを外すということもなくなります。

【料理】包丁のかわりにキッチンバサミ

河内さん キッチンバサミ1
河内さん:
包丁を使うとまな板なども必要になるので、食材を切るときは『キッチンスパッター』というキッチンばさみを活用しています。これならパパっと切れる上、取り外して丸洗いもできるので衛生的です。

河内さん キッチンバサミ3
分解したハサミは食洗機でも洗えるので、手入れの手間もありません。

自分なりの「家事貯金」で毎日を楽しく過ごして

河内さん ラテアート
ーー河内さんの実践例を伺い、自分も取り入れられそうと感じるアイデアがたくさんありました。真似できることは取り入れてみながら、自分なりの家事貯金を始めてみたいと思います。

それでは最後に、家事貯金を始めたいと考えている読者の方へメッセージを。

河内さん:
人によって家事の好き・嫌いがあります。自分がストレスを感じている家事があれば、どうすれば「やらなくてすむか」と考えてみるのが大事だと思います。

何をどうすればいいのかわからなければ、私の方法を真似してもらってもかまいません。ただ、ムリに続けるのではなく、やってみて負担に感じるなら別の方法を検討すればいいだけです。

家事には「こうしなきゃいけない」ということはないので、自分ががんばらなくてすむ方法を見つけてほしいですね。

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河内さんのお話を伺ってみて、「家事はこうしなきゃいけない」と自分の考え方に縛られていることがたくさんあるなと、気付かされました。なんとなくストレスを感じていても惰性でそれを続けてしまっていることは、いたるところにあると思います。

ぜひ家事の負担を減らす5つの視点で、日々の暮らしを振り返り、自分なりの「家事貯金」を始めてみてください。