濃厚な旨味で高級食材としても有名なワタリガニ。春〜初夏にかけては雌が、秋冬は雄が旬を迎えます。
今回は生のワタリガニを下処理する方法をご紹介します。下処理で身を取り出しやすい状態にしておけば、どんな調理法にもすぐに使えて便利ですよ。
※包丁を持つ手が右手の場合で説明しています。もくじ
ワタリガニの下処理|手順や使う道具は?
今回は、新鮮なワタリガニを生でさばく際の下処理方法をご紹介します。手順としては甲羅を外し、胴を切り分けて内蔵を取り出せば完了。
特別な道具は必要なく、包丁とスプーンがあれば下処理が可能です。詳しい手順を下記で紹介していきますね。
ワタリガニの下処理|甲羅をはずす
ハサミや足を留めているゴムがあれば外しておきます。ワタリガニの腹側を上に向け、下部にある三角形の殻を手で開いてはがし取ります。
甲羅と三角形の殻を取った場所の間に親指を差し入れ、もう片方の手で胴を起こすようにして甲羅から引き剥がしましょう。
ワタリガニの下処理|胴・脚を切り分ける
ワタリガニの胴の左右には、灰色の筋状の「ガニ」と呼ばれる部分(えらにあたる部位)が付いています。この部分は食べられないので、残さず手でつまみとっておきましょう。口の部分も手でもぎ取ります。
胴の真ん中に包丁をあて、包丁の峰を立ていてカニを縦半分に切ります。
つぎに、脚を切り分けます。胴のみを少しつけて1本ずつ丁寧に切り分けましょう。
ハサミの部分は付け根から切り離します。切り離したはさみは、根本の硬い部分に包丁を当てて、峰を叩いて縦半分に断ち切ります。
ハサミの二股部分にも包丁を当て、同様に縦半分に断ち切ったら、手でぐっと開いておきます。
ワタリガニの下処理|卵巣・内蔵を取り出す
最後に、胴や甲羅の内側に付いている内蔵(みそ)を、スプーンですくって取り出します。雌の場合はオレンジ色の卵巣も取り出しましょう。
卵巣に付いている薄膜などは手で取り除き、キッチンペーパーの上に並べて水気を切ります。これで生のワタリガニの下処理は完了です!
ワタリガニの下処理|生で食べる場合の注意
生のワタリガニには寄生虫がいることがあるので、そのまま食べる場合はかならず一度冷凍するようにしましょう。
生のワタリガニを醤油ダレで漬けて食べる「カンジャンケジャン」などの料理がありますが、これも食べる前に一度冷凍することが必須です。
加熱しない場合は、くれぐれも注意するようにしてくださいね。
ワタリガニの下処理をマスターしておいしく食べよう
ワタリガニをはじめとするかに類は死後の劣化が非常に早いので、できるだけ生きている状態のものを購入するのがおすすめです。
選ぶ際は、裏返した側の殻の色が濃いもの、手に持ってみてずっしり重いものを選ぶといいですよ。下処理の方法をマスターして、ワタリガニの旨味を楽しんでくださいね。