ふだん何気なく使う「整理整頓」という言葉。実は「整理」と「整頓」は違う意味を持つ言葉だって知っていましたか?ひょっとしたら、おうちがスッキリ片付かないのは、この2つの意味を混同していることが原因かもしれませんよ。

今回は、「整理」と「整頓」がそれぞれどういう意味をもつ言葉なのか違いに触れ、そのあとにおうちのなかでの実践方法についても合わせてご紹介します。

「整理」と「整頓」とは?それぞれの違いは?

書類の整理

「整理整頓」という言葉を耳にすると、「きれいに整える」イメージを連想するのではないでしょうか。

しかし、「整理」とは不要なものを取り除くこと、「整頓」とは順序立てて整った状態にすること、つまり「モノを減らす」と「置き場(収納方法)を決める」で全く別の意味なんです。

言葉の順番通り、「①整理→②整頓」のステップでまず家の中のものを減らして、工夫をこらしながら整頓していくのが片付け上手になるポイントなんですよ。

【整理整頓の考え方①】整理とは何をすること?

引き出し 収納 家具 リビング

整理はモノを減らすことだと言われても、何をどうするのかイメージがつかないですね。具体的には、以下のように進めていきましょう。

モノを全部出す

持っているモノの総量を把握するために、棚などに収納されているものを全部出す。

1つ1つの要不要を判断する

「好きなもの、よく使うもの」と「それ以外」などの基準をつくって不用品をわける。

不用品を処分する

いつか使うかも…と残しておかず、思い切って処分かリサイクルに出す。

整理をするには残すか捨てるかの判断基準がとても大切。「1年以上使っていないもの」「これからも使わなそうなもの」「傷や汚れがあるもの」など、基準を設けましょう。

また、整理は考えることが多く骨の折れる作業なので、1日1か所と場所を決めてちょっとずつ進めていくといいですよ。

【整理整頓の考え方②】整頓とは何をすること?

本棚 ソファ リビング

モノが減ってから、ようやく整頓に入ります。上手に整頓できるかどうかで、おうちのなかの見栄えが違ってきますよ。

考え方のポイントは「使う場所の近くに定位置をつくる」こと。

普段の生活を振り返りながら、使いたいときに手に取りやすく、使い終わったあとに元に戻しやすい収納場所を考えましょう。片付けやすい場所にモノを置けば、散らかることがありませんよ。

次からは、具体的におうちの場所別にどう整理整頓を考えていくのかご紹介します。

場所別に見る整理整頓のヒントは?

おうちのなかの場所ごとに整理整頓のコツは違います。特にゴチャつきやすい場所にしぼって整理整頓の仕方をご紹介します。整理の基準も紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

クローゼット

クローゼット

クローゼットには着なくなった要らない服がいっぱい収納されていませんか?着ない服に収納スペースを取られてしまわないように、整理を徹底的に行うとスッキリしますよ。クローゼット整理の基準は以下を参考に考えてみてください。

● 1年以上着なかった服
● 汚れやシミが気になる服
● デザインが古くなって似合わない服

整理ができてスペースが空いたら整頓です。服は、基本をハンガーに吊るす収納にするとたたむ手間が省けます。伸びやすいデリケートな服やズボン類だけたたむようにするのがおすすめです。

キッチン

キッチン

毎日の食事の支度に使うキッチンは、効率的に準備できるように使い勝手よくしたいですね。使っていないもので溢れているとゴチャゴチャと見た目にも良くないので次の観点から整理してみてください。

● 焦げの落ちなくなった鍋
● ずっと使っていない来客用の食器類
● 1年以上使っていないキッチンツール

整頓のコツは「使うものを使う場所に置く」こと。コンロ周りにキッチンツール、シンク周りに鍋を収納するなど、カスタマイズしてみてくださいね。

下駄箱

下駄箱

下駄箱に「いつか履くかも…」とついつい残しておいた靴がいっぱいありませんか?靴がいっぱい入っていると空気がこもって衛生的にも良くないので、全体の8割に収まるように整理するといいですよ。

● 1年以上履いていない靴
● 汚れや傷みのひどい靴
● サイズの合わなくなった靴

整頓するときは、下段に子供の靴、上段に旦那さんの靴といったように持ち主別に棚を分けるとどこに何があるかわかりやすいです。丈が短いサンダル類は重ねてケースに入れると場所を取りません。

押入れ

押入れ

使わないけど捨てるにはもったいないと、モノをついつい詰め込んでしまう押し入れ。不用品がいっぱいあるかもしれませんよ。この機会に念入りに整理しましょう。

● 他で代用できる家電、使っていない家電
● 何年も使っていない来客用の布団
● 遊ばなくなったおもちゃ

押入れの整頓は、「使う頻度」や「大きさ」で考えていきます。扇風機やストーブなど、季節ものの大きな家電は下段、頻繁に使う布団などは引き出しやすい中段に収納します。1年の間でも使う回数の限られる行事、季節用品は最上段がおすすめです。

覚えておきたい

エコなわざあり

整理整頓と同じような言葉はいろいろあるけど何が違う?

はてな 疑問

整理整頓のほかに「片付け」や「収納」など同じような言葉がいっぱいありますよね。

「収納」も、使ったあとに散らかったモノを元の場所に戻すという「整頓」の意味合いに似ています。「整頓≒収納」とおぼえておきましょう。「片付け」は、「整頓(収納)」で決めた通りに元に戻すことを意味します。

つまり、普段の家事は「整理→整頓(収納)→片付け→整理→…」の繰り返しだといえます。

整理整頓をこまめにする習慣をつけておくと、おうちのなかが散らかりにくくなります。片付けも楽になっていい循環が続きますよ。

「整理」と「整頓」の違いを知っておうちのなかをキレイにしよう

居心地のいい部屋

ひとことに整理整頓といっても奥が深いもの。どこから手を付けていいのかわからないですよね。

基本は整理してモノを減らし、整頓で収納法を決めるの2ステップだけです。

忘れがちな整理(処分)のステップがしっかりできていると、モノが減って掃除ももっと楽になり、家事にかかる時間が減らせますよ。