はじめまして。「家事シェア」を広める活動(!)をしているNPO法人「tadaima!」の代表・三木智有です。

「家事シェア」とは「家事をきっかけに助け合いの関係を築いていくこと」で、これが広まれば世の中の暮らしはもっと快適で豊かになると考えています。

まだまだママが家事の中心を担っていますが、最近ではパパの家事参加が増えてきました。とてもよい変化なんですが、実はそれにともなってママたちの間では新しい悩みが生まれているようなんです。

今回は、家事を巡るママの新しい悩みと、それを解消するヒントについてお話ししたいと思います。

「家事はしてくれるけど...」という悩み

「家事シェア」を広める活動のなかでいろんなママさんたちと話をすると、「うちのパパは家事をしてくれるんだけど、なんだかモヤモヤするのよね」という悩みを耳にします。

少し前までは「うちのパパは家事をしてくれない」というシンプルな悩みでしたが、最近はパパも家事をするようになったことで悩みが変化しているようです。

ママたちからは

「言えばやってくれるけど自発的には動かない」
「やってくれてもいろいろ中途半端」

こんな声が聞こえてきます。

パパが家事をしてくれるようになっても、ママたちの悩みは尽きません。これは一体、何が原因なのでしょうか。

パパは「家事」で競争している?

夫婦で家事競争
パパ向けの家事講座を開いたとき、こんな話をしてくれた方がいました。

「ぼくの方が、妻よりも家事するのが早いんですよ。家事は仕事と同じような感覚で、とにかくさっさと終わらせてしまったほうがいいんです。その方が有効に使える時間も増えますから」

「妻を見ていると、なにをそんなに考えているのかな、って不思議に思います。疲れているなら外食でいいのに、『やっぱり作ったほうがいいんじゃ』って悩んでいたり。掃除だって汚くてイライラするならやればいいだけなのに。ぼくなら、子どもがいてもパッパと掃除しちゃいますよ」

こんなふうに「ママよりも自分のほうが家事ができる」と、競争意識で考えているような発言を何度か耳にすることがありました。どうやら「家事」を「できるだけ早くこなすべきタスク」とだけとらえているのかもしれません。

ママは家事の根っこに「思いやり」を感じている?

そんなパパとは対照的に、ママは無意識のうちに家事に「家族への思いやり」を抱いている人が多いようです。

ごはんを作るときは「野菜不足してないかな?おいしいって食べてくれるかな?」と考える。「いま洗濯しないと、明日の着るものに困るな」とか「掃除して気持ちいい部屋でゆっくりできたほうがいいよね」と考える。それはいちいち家族に対して言葉で伝えるわけではありません。

こうした見えない感情の部分をママは大事に思っていたりします。家事を機械的にこなしたり、パッキリと切り分けて家事分担をしていると、こうした感情部分はついつい見落とされがちです。

このママが無意識に抱く「思いやり」を、パパに汲み取ってもらえないことが、モヤモヤを引き起こしているのではないでしょうか。

家事シェアで「思いやり」を育む

夫婦 家事シェア
では、このズレを解消するにはどうしたらいいのでしょうか

「思いやり」が大事だからといって、いちいち「これはあなたのため」と言ったり、「これは自分たち家族のためにしてくれたんだ」と察し合ったりする必要はありません。

大事なのは「家事をシェアする」ことです。

家事シェアは、家事分担とは違います。家事分担は、たとえば主に家事を担っているママが家事全般をパートナーにお願いするようなイメージですよね。これだと、家事をタスクとしてこなすので「思いやり」部分のすれ違いは平行線をたどりやすくなります。

でも、家事シェアは、すべての家事を夫婦二人で一緒に担うイメージです。料理や洗濯、掃除など、状況に合わせてできるほうがやります。そうすると、家事のやり方は「自分が動きやすく」ではなく、「お互いに動きやすく」と考えるようになります。

家事を「分担するもの」ではなく「シェアするもの」と捉えれば、互いに相手のことを思いやって行動し始めます。家事をシェアすることで「わたしたち、お互いに助け合えてるよね」という感覚が芽生えてくるんです。

「家事を一緒に」&「感謝は態度で」

「行動をともにすること」が、なによりもお互いの思いやりの気持ちを育みます。

やらされてるのではなく、一緒にやっている。それが夫婦をひとつのチームのように感じさせてくれるのです。

そこで最初は、同じタイミングで家事をしてみてください。同じ家事を一緒にするのではなく、「私がごはんを作ってる間に、ベッドのシーツ外して洗ってくれる?」「私が掃除している間に、洗濯物を干しておいてくれる?」と別の家事を頼んでみること。これを続けていくと、いつかパパが自ら「掃除してくれてる間に、息子つれて買い物行ってくるよ」なんてパターンも生まれるかもしれません。

一緒に家事をするという行動を通して、この連帯感や思いやりを育んでみてください。家事は誰かがひとりでするのではなく、家族が協力し合いながら終わらせるものなんだという意識が芽生えてきます。

一緒に家事をするようになったら、できれば感謝の気持ちを言葉だけでなくしっかり態度で示してあげてください。

わが家では、相手に負担をかけたなと思ったら足マッサージをしてあげたり、おいしそうなアイスをお土産に買って帰ったりします。娘と一緒に感謝の手紙を書いたりもします。このように行動で表すことで、感謝の気持は何倍にも伝わりますよ。

家事シェアするときは「いつ(When)」が大事

そうはいっても家事が苦手・主体的じゃないパパと家事シェアするにはどうしたらいいのか?と感じるかも知れません。

そんな方にぜひ覚えてほしい家事シェアのコツが、「いつ(When)」ならパパは家事ができるかを確認し合うことです。

家事シェアで失敗しやすいのは、一緒に家事するときのタイミングのズレです。

ママは自分が家事を始めるときに「いまお願いしても大丈夫かな?」「これくらい自分で気づいてやってよ!」と考えてイライラ。反対にパパは、「急に頼まれても、こっちの都合がある」「あとでやればいいかな」と受け取りがち。

頼んだ段階で、お互いがピリピリしていたらどっちにも感謝の気持ちが芽生えません。だから、「この時間は家事をお願いするからね」と共有しておくのです。これだけで一緒に家事をするハードルがグッと下がります。

「いつ」の共有は、

● 土日の午前中は家事ができる
● 平日の朝は出勤前に家事ができる

というくらいで大丈夫です。そして、そのなかでお願いする家事の内容はその時々で変わってかまいません。細々とやり方を押し付けないようにだけ気をつけてください。

「家事シェアは、むつかしい」そう思っている方は、家事を「いつ」できるかを共有してみることから始めてみてはいかがでしょうか?

ママはパパに「助け合えてる」と思えていますか?
パパは「ちゃんと頼られてる」と感じられていますか?