大切な着物は愛着をもって長く着たいからこそ、収納するときは気をつかいますよね。「たたみ方を間違えてシワになっちゃったらどうしよう…」「どんなふうに保管するといいのかな?」と不安はつきません。
そこで今回は、ケースはどんなものを使ったらよいか、どんな用意が必要かなど、着物をキレイに保管するための収納方法をご紹介します。
着物収納の基本は3ステップ
着物を頻繁に着ている人なら問題ないかもしれませんが、ときどき袖を通すくらいだと、どうやって収納したらいいかよくわかりませんよね。
慣れていないとむずかしそうに思えますが、大切な着物を傷めないように収納するのはたったの3ステップでできるんですよ。
そのステップは「干す」「たたむ」「いれる」だけ。それぞれのステップを順番に詳しくご説明します。
① 【着物を干す】着物を収納する前に湿気をとばす
収納する前の最初のステップは、着物を干すこと。
着物を脱いだらすぐにたたまず、和服用のハンガーにかけてひと晩ほど風を通してあげるだけです。
このときに、たたむ準備もあわせてしましょう。たたむ場所をキレイに掃除してゴミやホコリがつかないようにしておきます。
② 【着物をたたむ】収納できるように折りたたんで、たとう紙で包む
着物は傷めないようなたたみ方があります。たとう紙という保管用の和紙を使って包むと収納しやすいですよ。
襟を左側に向けて置く
襟を左側に、裾が右側にくるように床に着物を広げる。
「おくみ線」に沿って下側を折り返す
手前側の襟をおくみ線に合わせて手前に折り返す。
左右のおくみをあわせる
上側の襟を内側に折り、もう片方と合わせる。裾やおくみが合うように重ねる。
脇と袖を重ねる
背中を中心にして縦半分に折る。脇や袖がしっかり重なるように注意。
たとう紙のサイズに合わせて裾を折り返す
たとう紙をあわせ、身頃を二つ折りか、三つ折りにします。
袖を折り返し、たとう紙に包む
上にある袖は上、下の袖は下に折り、たとう紙に包んで完了です。
③ 【着物を入れる】虫食いと湿気に注意し収納場所へ
着物がキレイにたためたら収納します。
収納場所は浅めの引き出しがおすすめ。なければ市販のケースでも大丈夫です。クローゼットの天袋などジャマにならない場所に収納できますよ。
収納のポイントは「防虫」と「湿気」の2つ。着物のなかには虫食いされやすい素材で出来てるものもあるので、和服用の防虫剤を必ず入れるようにしましょう。
湿気対策は、定期的に干したり引き出しの中を換気するだけでも大丈夫ですが、面倒なら除湿剤を入れておくのもいいですよ。
帯や腰紐など着物の小物の収納法
本体の収納が終わったら、帯や小物の収納をしていきます。こまごまとしているので、空き箱などにまとめて収納すれば、引き出しやケースに入れた「着物」と「小物」の2つの管理だけになります。
腰ひもの収納
腰ひもはシワがつかないように5角形になるよう折っていきます。端を斜めに折って五角形の形をつくったらそれにそって折ります。
帯締めの収納
帯締めは先端の部分がほどけてきやすいので注意が必要です。適当な長さに丸めたら、たとう紙などの和紙に包んで保管しましょう。
帯や長襦袢はたとう紙にくるむ
帯や長襦袢は着物と同じようにひと晩ほど風を通し、たとう紙に包んで収納します。
着物の収納に便利なグッズは?ケースやバッグがある?
着物の収納に便利なグッズはたくさん販売されています。桐でできた専用のものがなくても、手軽に用意できるケースがあるので安心ですよ。
『着物用 きものハンガー』(あづま姿)
着物などに使える和服用のハンガーです。大きな生地の着物は普通のハンガーでは干せないので、専用のハンガーを用意しておくと便利です。
『たとう紙 きもの用』(美濃和紙)
着物をたたむときに使う「たとう紙」です。和紙でできていて、たたむときに間に挟むと湿気を吸収してくれる働きがあります。
『炭入り消臭着物一式収納ケース』(アイメディア)
着物や帯など一式をまとめてしまえる収納ケースです。引き出しに収納しなくても、クローゼットの奥にしまえるようになるのがうれしいですね。
『自立する着物バッグ』(Onta well)
持ち運びたいときにおすすめなのが、着物収納バッグ。草履の収納袋とハンガー2本ついているので、着物一式を収納して持ち運べるようになります。
『ムシューダ 防虫剤 和服用』(ムシューダ )
収納するときに忘れずに入れたいのが「防虫剤」。着物は虫に食われやすい素材でできているものもあるので注意が必要です。1つ入れておけば1年間防虫効果が続きます。
『除湿剤 シートタイプ』(ドライペット )
密閉された引き出しなどで収納する場合は、除湿剤も入れておけると完ぺきです。除湿・防カビ・消臭の3つの効果があるのも安心ポイントですね。
覚えておきたい
いらなくなった着物の処分の仕方は?
衣替えなどで、着なくなった着物を処分したいと思うこともありますよね。
まだ使えそうなものはリサイクルショップに売ったり、パーツに分ければリメイクする手もあります。
もう着れないような汚れやキズなどがある場合は、自治体の分別に従ってゴミに出します。燃やすごみか資源ごみかで分かれるので、各自治体に確認してみてくださいね。
大切な着物は防虫・湿気に注意して収納すれば長持ちする
高価で大切な着物、いつまでも長く着ていたいですよね。着物の収納のポイントは防虫・湿気対策。ていねいにたたんだら、防虫剤などを忘れないように入れておきましょう。
市販のアイテムを活用すれば、デリケートな着物も長持ちさせられますよ。