マフラーを編むときなどに行う「棒編み」。2本の玉付きの棒を使って編んでいく手法ですが、難しそうなイメージがあり、「何から始めたらいいか分からない」と悩むことも。
そこで今回は、初心者向けの棒編みの基本的なやり方をご紹介します。
もくじ
棒編みに必要な道具は?
棒編みするときに必要な道具は次の通り。
- 必要なもの
- 棒針(玉付き棒針、本針、輪針)
- 糸
- とじ針
- はさみ
- あると便利なもの
- アイロン仕上げ用ピン
- まち針
- 段数マーカー
- 目数リング
- 棒針キャップ
- 目数・段数カウンター
- ほつれ止め
まずは必要な道具を用意して、作るものに応じて道具を揃えていきましょう。
棒編みの基本|① 作り目を作る
棒編みの最初の段のことを「作り目」といいます。
いくつか作り方がありますが、ここでは初心者向けの「指で糸をかける方法」をご紹介しますね。
① 糸端を引き出す
糸玉の中心に指を入れ、中心にある糸端を引き出しましょう。
② ループを作る
引き出した糸端から、編む幅の3.5倍くらいの長さのところでループを作ります。例えば10cmくらいの幅で作るときは、35cm~40cmくらい糸を出しておきましょう。
③ ループに糸端を通す
作ったループの中から糸端側の糸を引き出し、輪を引き締めます。
④ 棒針を通す
2本の棒針を右手で持ち、できたループに通します。ループが余るので、糸玉側の糸を引っ張って輪を締めましょう。
⑤ 糸を指にセットする
糸端側の糸と糸玉側の糸を左手の薬指と小指で挟むように掴みます。手をかえし、2本の糸の間に左手の親指と人差し指をくぐらせ、糸を指に引っかけましょう。
このとき左手の親指に糸端側の糸、人差し指に糸玉側の糸が引っかかっていることを確認してください。
⑥ 棒針に糸を引っかける
右手で持っている棒針を親指に引っかかっている手前の糸の下から通します。そのまま人差し指の手前の糸を上から引っかけましょう。
さらに親指にできた輪に上から入れ、親指の糸を外します。糸端側の糸を引っ張って、棒針にかけた糸を引き締めたら1目完成です。
⑦ ⑥を繰り返す
⑥を繰り返して必要な目数作ります。うまくできていると、棒針の側面に「く」の字が連続してできているのでチェックしてみましょう。
完成したら1本棒針を抜いて、作り目の完成です。
棒編みの基本|編む
作り目ができたら、本体を編んでいきます。本体の編み方にはいろいろな種類がありますが、基本的には「表目」か「裏目」です。それぞれご紹介しますね。
基本の編み方① 表目
まずは持ち手を整えましょう。作り目がある棒針を左手で軽く持ち、糸玉側の糸を棒針の下から奥側に回します。
糸玉側の糸を薬指と小指の間に挟み、人差し指に糸をかけて、ほかの指で棒針を軽く持ちましょう。
右手にも軽く棒針を持てば、これで持ち手は完成です。
一番先の作り目に、右針(右の手で持った棒針)を入れましょう。作り目の通っている針の後ろ側に下から斜めに差し入れ、糸玉側の糸を上からひっかけます。
それから右の棒針にかけた糸を手前に引き出し、作り目から完全に出しましょう。
左の棒針から作り目を外してください。
新しく作った右の棒針の編み目がゆるまないよう、左の人差し指で糸を引っ張ります。
これを繰り返して編んでいきましょう。
基本の編み方② 裏目
裏目は、表目とは反対に、糸玉側の糸を手前にして、右針を作り目の通った棒針の手前に通して編んでいく方法です。
まずは持ち手から。
作り目がある棒針を左手で持ち、糸玉側の糸を手前にします。
糸玉側の糸を薬指と小指の間に挟み、人差し指に糸をかけて人差し指以外で棒針を軽く持ちましょう。右手でも棒針を持ちます。
一番先の作り目に、右の棒針を通しましょう。右針が手前になるよう上から通し、作り目に棒針を入れたまま糸玉側の糸をかけます。
右の棒針にかけた糸を奥に押し出すようにし、作り目から完全に出せたら、左の棒針から作り目を外しましょう。
右の棒針にできた編み目がゆるまないように、仕上げに左の人差し指で糸を引っ張ってください。
棒編みの基本|③ 伏せ止め
編み終わってからほどけないようにするために処理することを「目を止める」と言います。
ここでは一般的な止め方「伏せ止め」をご紹介しますね。
① 端の2回分を表目で編む
必要な分まで編めたら、2回分表目で編みます。
② 編み目をかぶせる
1回目の編み目を2回目に被せます。これを端まで繰り返しましょう。
最後は糸を10cmくらい残して切り、糸端を引き抜きます。
棒編みの基本|④ 糸始末
残りの余った糸を目立たないよう、「糸始末」をして編み目に入れ込みましょう。
編み終わりに残っている糸端をとじ針に通し、端から5つ目くらいの編み目に針を通してとじ針を引き抜きます。
ほつれを防ぐため、さらに隣の列の3つ目くらいの編み目に、逆方向からとじ針を通しましょう。
さいごに、とじ針を引き出して残った糸を切ったら完成です。
棒編みの基本的の編み地にはどんなものがある?初心者向けはどれ?
編み物は、表目と裏目のパターンを変えることでできあがりがかなり変わります。代表的な編み地と特徴は次の通り。
●メリヤス編み
編み地が表目だけの最も基本的な編み方。裏目だけで編んだものを裏メリヤスと呼ぶ。薄めに仕上がり、セーターや靴下、手袋など幅広く使われる手法。
●ガーター編み
1段ずつ交互に表目と裏目が連続する編み方。編み地に厚みが出て、丸まりにくくなるメリットがある。
●1目ゴム編み
表目と裏目を決まった回数ずつ縦に交互に編む編み方。1目であれば表目と裏目1回ずつを交互に繰り返す。伸縮性が出るので、セーターや小物など、幅広く使われる手法。
●かのこ編み
表目と裏目を縦横交互に編む方法。ぼこぼこと立体感が出やすいのが特徴。
初心者向けなのはメリヤス編みとガーター編みです。段ごとの編み方がすべて同じなので、編んだ回数を数える必要がなく簡単ですよ。
まずはこの2パターンで慣れてから、ほかのパターンを習得していきましょう。
棒編みで気を付けるポイントは?
平面のものを編むときには、編む方向に注意が必要。1段編み終わったら持ち手を変えて編んでいきます。
「往復編み」と呼ばれ、持ち手を変えると表裏と編む向きが逆になるので、右から左に編んでいたものは左から右に編むことになり、表目は裏目で編むことになります。
何も考えずに編んでしまうと、完成イメージと異なるパターンができてしまうので、注意してくださいね。
難しいパターンなどにチャレンジするときは、カウンターなどを使って、何回編んでいるかをチェックしながら編んでいきましょう。
棒編みの基本を覚えて編み物を楽しもう!
棒編みの基本は表目と裏目です。この編み方のパターンを変えることでいろいろなデザインを編めますよ。
最初はメリヤス編みやガーター編みなどの基本の編み地から始めてみましょう。棒編みの基本を覚えて、ものづくりを楽しんでくださいね。