日用品の「たわし」について、メーカーである亀の子束子西尾商店さんに疑問をぶつけてきた本特集も、いよいよ最終回。

【後編】では、たわしの使い方について具体的にお聞きしました。

これまで、いまいち使いどきがわからなかった…という人も、これを読めばバッチリ。スポンジと使い分けることで、食器や調理器具などをキレイに保てますよ。

亀の子束子西尾商店が説く、たわしとキッチンスポンジの使い分け

キッチンシンクに亀の子スポンジ

たわしメーカーの亀の子束子西尾商店につとめる志垣(しがき)さんに、前編では亀の子束子の魅力を、中編では種類についてをうかがいました。

たわしにだいぶ詳しくなってきたところで、あとは実際にどう使うのかが気になるところ。たわしってどんな場面で使うものなのでしょうか?

志垣さん:
たわしがスポンジと大きく違うのは、「隙間の汚れをかき出す」ことができる点です。

スポンジは平面にピタッとくっついて汚れを落とすのに便利ですが、たわしは凹凸の多いものを洗うときに効果を発揮します。スポンジでは落ちない汚れを都度都度落とせるのが利点です。

たとえば、まな板についた包丁の細かいキズの隙間に入り込んだ汚れを落とせます。ほかにも、ザルやフライパンといったキッチンツールを洗うときに便利です。

木目のまな板は「塩」と「たわし」の2つで十分キレイになる

亀の子束子でまな板を洗う
まずはたわしとスポンジの違いを理解し、使い分けることがポイントとのこと。

実際の使い方もたわしとスポンジでちがうのでしょうか?

志垣さん:
食器やキッチンツールを洗う場合、基本的な使い方はスポンジと同じです。ただ、たわし自体に洗浄力があるので、洗剤を使う場合は、少量でOK

木製のまな板なんかは「塩」と「たわし」の2つだけでも十分キレイになりますよ。塩をパラパラっとまいてたわしでこすると、塩の粒が包丁傷の隙間に入り込んで、たわしがその塩の粒と汚れをまとめていっしょにかき出してくれます。

亀の子束子西尾商店が教えてくれたたわしの使いみち

亀の子束子
たわしを使っていない人からは、「もっと具体的にどんな場面で使うのか教えてほしい…」なんて声も聞こえてきそう。どんなシーンで活躍するのでしょうか。

志垣さん:
たわしって取り扱いがむずかしいイメージがあるかもしれませんがコップでも、ザルでも、すり鉢でも、たいていのモノに使えて万能なんです。

たとえば、
● フライパンや鍋の油汚れ
● ガスコンロの五徳の焦げ
● まな板の包丁傷の汚れ
● かごバッグの隙間のホコリ
● コップの茶渋
● 野菜についた泥
● ワイシャツの襟の黒ずみ
といった汚れを落とす場面では、たわしの出番。

凸凹があるなら、とにかくスポンジよりもたわしを活用しましょう。お風呂のタイル掃除に使っているお客さんもいますよ。「亀の子束子じゃないと汚れが落ちない!」なんて言ってくれます。

小さいサイズでもしっかり使える亀の子束子西尾商店のたわし

亀の子束子
サイズが小さいからといって侮るなかれ。店内で販売されているたわしはキーリングがついているものも含めてすべて、掃除や洗い物に使えるのだそう。

志垣さん:
小さいキーホルダータイプのたわしも、日常使いのものにキーリングがついているだけ。持ち運びに便利なので、アウトドアやスポーツをしている人に向いています。

たとえば、靴についた泥汚れをキレイに落とせます。キャンバス地の靴や足袋(たび)とかに使えるので、お店の近くで工事している人なんかが、帰り道によってくれることもあるんです。

ほかにも、出先で洋服についたコーヒーやカレーのシミ汚れを落とすときに、水で濡らしてチョチョチョチョとこすると、軽い汚れはキレイになりますよ。

使ったたわしの手入れについて

亀の子束子をこすり合わせる
使ったあとのたわしのケアについても気になるところ。どんな手入れが必要なのか聞いてみました。

志垣さん:
たわしの手入れは、たわし自体に「汚れをためない」ことと、「水を早く抜いてあげる」の2つがポイントです。

汚れは、流水でキレイに洗ってください。

たわしの繊維にカスが入り込んだ場合は、たわし同士を時計まわりにこすりあわせてカスをかき出すのも有効です。2個あっても無駄にはなりませんよ(笑)。

亀の子束子を天日干し
志垣さん:
水を早く抜く方法は、2〜3回パッパッと振って水分を飛ばすだけ。吊り下げたり、縦に置くことでも水分が抜けやすくなりますよ。

しっかり除菌しようと煮沸消毒を考える人もいるかもしれませんが、たわしの場合その必要はありません。耐熱温度が90℃なので、むしろ、繊維がもろくなって劣化する可能性があります。

気になる人は天日干しをおすすめします。週末とか時間に余裕があるときに天日干しするといいですよ。

亀の子束子西尾商店のたわしは使うほど味が出てくる

亀の子束子
たわしについて聞いていくなかで、志垣さんのとても印象的な言葉がありました。

志垣さん:
使っていくうちにたわしも育ってくるんですよね。もともと生きていた植物を、生きている人間がたわしに作り変え、それを使うのも人。使い続けると、たわし自体もどんどん変化していきます。

買いたてで硬かった繊維が、使っていくうちに少しずつ柔らかくなじんでいく姿を見て、愛着もわいてくるかもしれませんね。