毎日の食器洗いにかかせないキッチンスポンジ。日々手にしているとても身近なお掃除アイテムですが、なんとなく選んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなキッチンスポンジのなかから最近話題の商品を12種類選び、徹底比較してみました。
もくじ
そもそもキッチンスポンジとは?
1日の家事のなかで意外と時間を使っているのが、キッチンでの食器洗い。できるだけ手早く終わらせたいですよね。
食器洗い用のキッチンスポンジは消耗品のイメージが強く、あまりこだわって選ぶことがない道具ですが、これを見直すことで食器洗いの効率がぐんと上がります。
また、長持ちするスポンジを選べば交換のタイミングも少なくなり、経済的にもうれしい効果があるんです。
キッチンスポンジにはどんな種類がある?
続いてスポンジの種類についてもご紹介します。市販のほとんどのスポンジは次の4つのどれかに分類されます。
それぞれに持ち味があるので、どんな特徴があるのか、今回用意したラインナップとあわせて見てみましょう。
二層タイプのスポンジの特徴
もっとも見慣れたスタンダードなタイプがこの二層タイプのスポンジではないでしょうか。
片面には鍋やフライパン、刃物などを洗うの適した「不織布」と呼ばれるゴワゴワとした生地がついています。
もう片面には、少し厚めの「ウレタン」の生地がついていて食器や漆器を洗うのに向いています。
●『キクロンA』
●『スコッチブライト 抗菌ウレタンスポンジ』
一層タイプのスポンジの特徴
最近増えてきているのが、この一層タイプのキッチンスポンジ。ゴワゴワの不織布がないぶん、厚みがスッキリしています。
ウレタンのみで形成されているため使い心地が柔らかく、泡立ちと水切れもよいのが特徴です。
その反面、表面に突起があるものをこすると繊維がボソボソと落ち、劣化が早まってしまうため、ガンコな焦げなどをこするのには向いていません。
●『亀の子スポンジ』
●『サンサンスポンジ』
●『パックスナチュロン キッチンスポンジ』
三層タイプのスポンジの特徴
不織布の反対側に網目の大小ことなるウレタンが組み合わさっているのが三層タイプのスポンジです。
二層タイプよりも大きな網目のウレタンを使うことで泡立ちと水切れを改善しつつ、中央の小さな網目で洗剤をしっかりと保ち、泡持ちの手助けもしてくれるのが特徴。
不織布には「研磨粒子」と呼ばれる小さな粒が入っているものとそうでないものがあり、研磨粒子入だとガンコな汚れも剥がし落とせて便利です。
●『ラバーゼ スポンジ』
●『無印良品 三層スポンジ』
●『ダスキン 台所用スポンジ』
●『マーナ おさかなスポンジ』
●『スリーコインズ キッチンスポンジ』
ネットタイプのスポンジの特徴
こちらも馴染みのあるスポンジかもしれません。
不織布の代わりにウレタンのまわりをネットでおおい、その網目で汚れを落とすのが特徴。
曲げたり握ったりしやすく、使っていくうちにボロボロと出てくるスポンジの破片が散らかりにくいのもうれしいポイントです。
●『THE KITCHEN SPONGE』
●『スコッチブライト ハイブリッドネットスポンジ』
キッチンスポンジは素材で効果が変わる
たくさんの種類のキッチンスポンジが出回っていますが、使われている素材は大きく3種類あります。
ウレタン
一般的な食器洗い用のキッチンスポンジに使われている素材です。柔軟性があって、ギュッと握ってももとに戻る復元性があります。スポンジの気泡のサイズで目の粗さが決まり、目が粗いものは泡立ちがよく、目が細かいものはきめ細かく泡立つのが特徴です。
セルロース
天然繊維からできており、燃やしても有害物質が発生しない地球にやさしい素材です。乾いた状態は固く、水分を含むことで柔らかく滑らかな感触になります。泡立ちはウレタンほどよくありませんが、吸水性にすぐれていて傷が気になる食器をやさしく洗うのに向いています。
不織布
ゴワゴワした硬めの素材で、こびりついた汚れやコゲを落とすのに適していますが、傷つきやすい食器には不向きです。不織布単体のものより、スポンジの片面が不織布でできているものが多く出回っています。研磨剤入りタイプもあります。
キッチンスポンジの選び方!7つの項目で徹底比較
今回は紹介した4タイプのスポンジ計12商品を使って、次の7項目を比較しました。
② 泡立ち
③ 水切れ
④ 耐久性
⑤ 抗菌
⑥ 価格
⑦ カラーバリエーション
水切れは、水をたっぷりと吸わせたスポンジを5分ほど干し、しぼったときにどれくらい水が残っているか確認しました。
そのほか実際に握ったり、洗剤をつけてみたり、食器を洗ったときのヘタリ具合などをチェックし、◎、◯、△、☓の4段階で評価を実施しました。
どんなランキングになったのかさっそく見てみましょう。
【第1位】ダスキンのキッチンスポンジ
お掃除サービスで有名なダスキンから販売されているこの三層タイプのキッチンスポンジが第1位。
黒、茶、青と比較的落ち着いたカラーのほか、定番の赤、黄、緑など、カラーバリエーションが豊富です。
ウレタンがしっかりと洗剤を保持してくれるので、泡立ちは申し分なし。
洗剤をふくませ5回握ったときの泡立ちを確認しましたが、しっかり泡が立ちました。
不織布の面には研磨粒子が入っているため、フライパンの焦げ落としなどにも問題なく使えます。
ただ、その不織布の影響で新品だと触り心地が少し硬く、グッと力を入れても曲がらず握りにくい印象を受けました。使っていくうちに柔らかくなってくるので、最初のうちだけ少し使いにくさを感じるかもしれません。
それ以外は、とくに目立って悪い点が見当たらず、トータルでとてもバランスの取れたキッチンスポンジと言えそうです。
【第2位】サンサンのキッチンスポンジ
第2位は、情報感度の高いママのあいだで人気が高まっている「サンサンスポンジ」。
「そんなスポンジ売ってるの見たことない!」という人も多いと思いますが、それもそのはず。ネットショップでの購入がメインの珍しいスポンジなんです。
なんといっても特徴的なのがその見た目。従来のスポンジと比べると1 / 4ほどに圧縮されているため、大量買いしても保管に苦労しません。
開封すると5〜10分ほどかけて少しずつ空気をふくみ、膨らんでいきます。
ウレタンの目が少し粗目なので、すき間から水が抜けやすく、水切れは問題なし。
一層タイプなので泡立ちもバツグン。5回も握るとしたたるほど泡立ちます。
不織布がないので新品でも柔らかく、コップのヘリを洗うのはラクラク。しっかり密着してくれます。
黒というカラーもポイントで、ミートソースを洗ったあとでもすすげばこの通り。色が変わって見えないので、キッチンの見栄えを損なうこともありません。
ただ、1個220円ほどと少しコストがかかるのが欠点。
スペースを取らずにシンプルなカラーのスポンジを使いたい人におすすめです。
【第3位】亀の子束子のキッチンスポンジ
同率2位は、たわしの元祖である「亀の子束子」のメーカーから2015年に誕生したこの亀の子スポンジ。
サンサンスポンジと同じ一層タイプなので柔らかくて扱いやすく、泡立ちもバッチリ。グッと握るだけでも水がいっきに抜けていき、2回も握ればほとんどの水が切れます。
一番の特徴は銀イオンが全体に練り込まれている点。水切れのよさとも相まって「抗菌力」はバツグンです。
スポンジを使っていると気になるイヤ〜な臭いがまったくしません。
1個324円と高価な点は気になりますが、ニオイを気にせず長く使いたい人なら使って損はしませんよ。
【第4位】マーナのキッチンスポンジ
スーパーやドラッグストアなどでも目にする、おさかなの形が特徴的なキッチンスポンジが第4位。
実はこの形がポイントで、なめらかなカーブが女性の手にとてもよくなじみます。握りやすさは言うことなし。
不織布には研磨粒子が入っていないため柔らかく、新品でもちょっとの力で簡単につぶせます。
しっぽの部分は細くなっていて、
タッパーなどのふたの細い溝にもしっかり入り込んで汚れをかき出してくれます。
目の穴にヒモを通せべ引っ掛けて保管することも。
カラーバリエーションも10色と豊富なので、キッチンを彩り豊かにかわいらしく飾りたい人におすすめのキッチンスポンジです。
【第5位】ラバーゼのキッチンスポンジ
第5位はラバーゼのキッチンスポンジで、初めて見たという人も多いかもしれません。
料理研究家・有元葉子さんがプロデュースして作られたこだわりの商品で、ネットショップで購入可能です。
楕円形でウレタンを不織布と不織布で挟み込んだ三層タイプのスポンジ。
表面の不織布はナイロン製のため、肌触りがフカフカと柔らかく、手を傷めずによくなじみます。
泡立ちもバツグンで、今回比較した商品のなかで一番の泡立ちを発揮しました。
カレーの汚れがついたお皿も密着させてスッとスライドさせるだけで、すき間なくしっかり汚れを取り除いてくれます。
カラーが白だとさすがに黄色に汚れてしまいますが、黒などの別色もあるので、それを選べばスポンジの汚れも目立たなさそうです。
ただし、使っていくうちに不織布が剥がれてくる可能性があり、抗菌作用もないことから、長く使うのはむずかしそう。
そして、1個508円とかなり高価。
シンプルなデザインと使いごこちにこだわりたい人はこのスポンジがよさそうです。
キッチンスポンジを徹底解剖してわかった注意点
今回はTOP5に三層と一層のスポンジがランクインする結果となりましたが、そうなった要因や使いにくいスポンジの共通点もいくつか見つけられました。
ここでは、ほかのキッチンスポンジについても触れながら、気になった点をまとめてご紹介します。
研磨粒子入は握りにくい
キクロンやスコッチブライトなどの研磨粒子入の二層スポンジは、ゴワゴワと握り心地がよくありませんでした。
また、女性の手には少しだけ大きいのも減点。
一層タイプのスポンジよりもウレタンの繊維が細かいため、水切れもよくありませんでした。
ネットは水切れが悪い
ネットタイプのキッチンスポンジは握りやすく泡立ちもよいものの、水が自然と切れていくまでの時間が長く、清潔に保つのがむずかしそうな印象でした。
水をたっぷりと吸わせて5分ほど干し、その後にどれくらいの水が残っているか調べたところ、層になったスポンジよりも10〜20CCほど多くの水がしぼり出てきました。
ウレタンは粗すぎても細かすぎてもダメ
泡立ちを左右するウレタンの部分もチェックが必要で、無印良品から販売されているキッチンスポンジのように目が粗いと、食材カスがはさまりやすく、清潔に保てません。
反対に、キクロンや100均で販売されているスポンジのように目が細かすぎると、ミートソースやカレーといった色素の濃い汚れをたっぷりと吸い込んで、汚れやすくなってしまいます。
ウレタンは適度にすき間があいていて、泡立ちのよいものを選ぶと長く使い続けられそうです。
使い終わったキッチンスポンジは泡も水もキレイに落とそう
食器洗いが終わったあと、スポンジってどうしていますか?正しい洗い方と保管方法は次の通り。
しっかりすすぐ
泡が出なくなるまですすぎ、汚れや洗剤を洗い流す。汚れが残っていると雑菌が増えてしまう。
しぼる
ひねらずに両手でギュッと握り、水を切る。雑巾のようにひねってしまうと劣化が早まるので注意。
立てて置く
風通しのよい場所に立てて置けば完了。できるだけ接地面を最小限にするのが早く乾かすポイント。
洗剤を残してたほうが除菌できそうな気がしますが、それはNG。汚れが残らないよう、しっかり洗い流しましょう。
キッチンスポンジを複数もって使い分けるのもアリ
今回の結果から、日常使いでゴシゴシ使いたいなら三層タイプ、握り心地で選ぶなら一層タイプのキッチンスポンジが使いやすいことがわかりました。
スポンジは毎日使うものなだけに、食器洗いにかかる時間や月々のコストも左右する日用品。これを機に、食器用スポンジの見直しをしてみてはいかがでしょうか。