整理収納アドバイザーの水谷妙子さんが教える、整理収納の実践編。
今回は整理のあとに取り組みたい「収納」のお話です。InstagramなどのSNSで収納方法に関する情報があふれているなかで、水谷さんが考える具体的な収納のコツを教えてもらいました。
収納の基本は「使いやすく」すること
収納方法を考えるときにやりがちなんですが、「収納用品ありき」で考えるのは危ないんです。
Instagramなんかで紹介されている収納用品を見ると、見栄えがよくて真似したいって思っちゃうじゃないですか。でも、その方法はその人にあわせた収納方法なので、収納用品だけを真似するとかえって使い勝手が悪くなるというのがよく起こります。
だから収納方法を考えるときに大事なのは、それを使う自分の暮らしのなかで「使いやすい」かどうかということ。片付けに苦手意識がある人ほど、まずは使いやすさを第一に考えてほしいですね。
「出す→使う→戻す」の一連の流れをワンアクションでスムーズにできるのが使いやすい収納です。片付けが苦手な人ほど、機能的な収納を目指すことで暮らしはもっとラクになる、と水谷さんはいいます。
次からは水谷さんが実践している収納方法を参考にしながら、「使いやすい収納」づくりのポイントを紹介していきます。
【収納のコツ①】すぐ手に取れる・すぐ戻せる収納方法にする
「ワンアクションで」というのは、整理収納を考えるときの基本です。使う場所の近くに置き、そこからすぐに取り出せる・すぐに戻せる収納方法にすることを考えてください。
ちなみに「引き出しを引く」「扉を開ける」だけでワンアクションと考えるので、よく使うものは開いたらすぐに取れる状態にするのがベストです。なので、扉がある収納スペースのなかでは、蓋をつけたり収納用品を重ねたりしないのがポイントです。
【収納のコツ②】一緒に使うモノはセットで収納する
一緒に使うものを別々の場所に収納しているってよくやりがちなんですが、セットで収納しておいたほうが圧倒的にラクです。これを「グルーピング」といいます。
たとえば、お味噌汁をつくるときに使う「味噌」と「だし」って別々に収納している人も多いんじゃないでしょうか?味噌は冷蔵庫で、だしは乾物と一緒にみたいな感じで。
誰かからおすそ分けでもらったお味噌汁のグッズなんかもこれと一緒にしておけば、使わないうちに賞味期限が切れた…なんてこともなくなります。
【収納のコツ③】中身が見えるように収納する
扉や引き出しがついた収納スペースであれば、開いたときに一瞬でどこに何があるのかを見える化しておきます。
【収納のコツ④】スペースに余裕をもたせて収納する
収納スペースがあいていると不安になってしまうのか、できるだけビッシリつめこみたくなっちゃう人は多いんですね。
でも、棚にぴっちり収まるボックスを並べたり、ボックスのなかもぎっしり詰め込んでしまうと、中身が取り出しにくくなってしまう。収納するものを整理して、厳選したものを余裕をもって収めるのが使い勝手のいい収納です。
大切なのは「誰のための収納」なのかを考えること
水谷さんに読者の方々に伝えたいメッセージを伺うと、最後にこう付け加えてくれました。
収納を見直すときには、ぜひ「誰のための収納」なのかを考えてください。
たとえば、キッチンの収納を見直すのであれば、自分だけじゃなくて、キッチンに立つ人全員のための収納にしてほしいんです。よく「うちの夫はキッチンに立ってくれない」っていう不満を耳にすることがあるんですが、それは旦那さんにとって使いやすい収納になっていないからですよねと。あるいは「うちの子は片付けが苦手で…」というのですが、子供が片付けやすい収納になっていなかったりするんですよね。
使うものだけを整理しておいたり、使いやすく・片付けやすい場所に収納したり、内容物を感じる半透明のボックスやラベリングで何が入っているかをわかりやすくしたりすることは、家族みんなで家事ができる環境づくりにもつながるんです。
ぜひ家族みんなで見直して、自分以外の人でも家事ができる状態をつくってみてください。それだけで家事はラクになりますし、普段の暮らしも整うはずです。
水谷さんが教える「収納のコツ」まとめ
- すぐ手に取れる・すぐに戻せる収納方法にする
- 一緒に使うモノはセットで収納する
- 中身が見えるように収納する
- スペースに余裕をもたせて収納する