知的家事プロデューサーの本間さんに聞く「家事を時短にする方法」の後編です。

ここでは、本間さんのおすすめする具体的な家事の時短アイデアについてご紹介します。

家事を時短できる環境づくりのために、ぜひ参考にしてみてくださいね。

家事を時短したいなら環境づくりが大事

ひらめき ポイント

家事を時短するときのおすすめの方法が、本間さんが提唱する「知的家事」です。

「知的家事」は家事をラクにしたり効率よくしたりするための方法で、以下5つの視点で家事の仕組みを整えていきます。

● 生活動線にからめて家事をする
● 道具を使いやすく配置する
● 便利な道具を取り入れる
● 自分以外の人でもできる仕組みにする
● 家事自体を省く

日々の生活をしていくなかで、ここはムダだと感じるような部分に実行していけば、少しずつ家事にかかる時間が減り、とてもラクになりますよ。

今回は、家事を掃除・洗濯・料理・片付けの4つに分けて、具体的なアイデアをご紹介します。

家事を時短するアイデア〜掃除編〜

掃除は時間も手間もかかるので、少しでもラクしたいですよね。どんな工夫をすれば時短になるのか、おすすめのアイデアを教えてもらいました。

おうちのなかを移動しながら掃除する

クイックルでフローリング床の掃除

お掃除するとき「掃除をするぞ!」と決めてから動くのではなくて、生活動線を考えて掃除を組み込むといいですよ。

生活動線は汚れやすいので清潔に保てるだけではなく、わざわざ掃除時間を確保しなくてもよくなります

● 寝る前にフロアモップを持っていく

寝る前にリビングに置いているフロアモップを枕元に持っていく方法。朝起きたらそれで拭きながら洗面所まで行き、顔を洗う。それから洗面所の床やリビングの床を拭きながら戻せば完了。

● 洗顔のついでに洗面台を掃除する

洗面所で顔を洗ったら、手に残っている洗顔フォームの泡などで洗面台を掃除。顔を拭いたタオルで水を拭き取れば、あっという間に掃除が完了。

● 燃えるゴミの日に玄関掃除をする

玄関掃除は燃えるゴミの日だけにする。玄関のゴミを集めたら、燃えるゴミの袋に入れて、そのままゴミ出し。いつやろうかなと考えないですみ、玄関から出たゴミをおうちのゴミ箱へ持っていく必要もなくなる。

掃除道具をおうちの各所に置く

ハンディモップ 掃除

フロアワイパーなどあらゆる場所で使う掃除道具がありますよね。本間さんはそうした定番掃除道具を各部屋に1〜2本ずつ置いているそうです。

掃除道具置き場にまとめるのではなく、使うお部屋の隅など、おうちの各所に出し入れしやすく置くのがポイントです。

● チェストの最上段にハンディモップ

ハンディモップは、マガジンラックに差し込んでいるもののほかに、チェストの棚のいちばん上の段に収納。チェストの上には電話があるので、電話をしながらそのまま掃除ができる。

● フロアワイパーは見える位置に置く

フロアワイパーは掃除道具入れにしまわず、見える位置に置いておけば、汚れに気づいたときにササッと掃除できる。手に取りやすい場所に置いているので、家族にとっても使いやすい。家族を巻き込みやすくなって、一石二鳥。

汚れを予防して掃除を減らす

スプレーとスポンジ

そもそも汚れなければ掃除をする必要はなくなります。

最近では便利グッズなどもあるので、うまく活用して汚れない工夫をするのも時短のコツです。

● 棚の上に包装紙を敷く

背の高い棚などの上は、ホコリがたまりがちなので、いらない包装紙などを敷いて汚れを防ぐ。これなら汚れても包装紙を取り替えるだけで掃除が完了する。

簡単掃除グッズを使う

洗剤を吹きかけるだけで掃除が完了する…といったアイテムもあるので、取り入れられるものは試してみましょう。

本間さんからおすすめのアイテムを教えてもらったので、ぜひ試してみてください。

−本間さんのおすすめ便利グッズ−

●スクラビングバブル 超強力トイレクリーナー

「ジョンソン」の、粘度が高いジェルタイプのトイレ用クリーナーで、ブラシでこする必要なし。便器のフチ裏にも届きやすいデザインで、これ1本でトイレ掃除の時間が短縮できる。

●バスタブクレンジング

「ライオン」の、吹き付けて放置するだけで浴槽が掃除ができるスプレー。泡状ではなく、色付きのミストタイプだから、ムラなく掃除しやすいのもうれしいポイント。

●らくハピ お風呂の排水口

「アース製薬」の、排水口に置いておくだけでピンクヌメリを防止できるアイテム。置いておくだけで2ヶ月間効果が持続。

家事を時短するアイデア〜洗濯編〜

洗濯をするだけでかなりの時間を取られますが、時短するにはどんなアイデアがあるのでしょうか。

洗濯の動線を短くする便利グッズを使う

洗濯機 ランドリーバスケット 洗濯機 ラック 洗面所

洗濯には、「洗う」「干す」「しまう」の工程がありますが、それぞれの動線を近づけるとラクになります。便利グッズなどを活用するのがおすすめです。

● 洗濯機の近くにつっぱり棒

「洗う」「干す」の工程を近づけるなら、つっぱり棒を洗濯機の上に取り付けるだけでOK。頑丈なタイプを取り付ければ、落ちる心配もない。

● ホシ姫サマを取り付ける

ホシ姫サマとは、「パナソニック」から販売されている便利な物干しグッズ。室内に干す場所がない場合はおすすめ。普段は目立たないようにしまえるので、生活のジャマにならない。

家族が洗濯物を分類できるカゴを置く

カゴ

洗濯物にはタオルや色物、白いものなど分別が必要ですが、ちょっとおっくう。乾燥機を使っているおうちは、乾燥するものとそうでないものの分類があるかもしれません。

そこで、洗濯物を出すときに家族が自分で分類できるようにするとラクですよ。洗濯する前にわざわざ分ける手間もなくなり、時短にもつながります。

● 「乾燥機が使える」「使えない」「おしゃれ着」で分類

洗濯物を入れるカゴを「乾燥機にかけられる」「かけられない」「おしゃれ着」の3つにわけて設置。「自分でネットに入れて」と表記しておき、家族が自分のものは自分でネットに入れるようにする。

たたむ回数を減らす

洗濯物の干し方 タオル

洗濯物はたたむ必要があるのかを見直してみましょう。思い切ってたたまないという方法も取り入れてみてください。

● タオルはほぼたたまない

タオルなどはキレイにたたんでもどんどん使っていくもの。だからフェイスタオルだけにして、半分に折るだけに。たたむ回数を減らせば、同じ時間でたくさんの枚数片付く。

● ハンガーにかけたままクローゼットへ

洗濯物用のハンガーとクローゼット用のハンガーを一緒にして、洗濯物が乾いたらそのままクローゼットへしまう。細いハンガーを使うと収納量が増やせる。

家事を時短するアイデア〜料理編〜

料理は忙しいと負担になりますよね。だからこそ効率化して、どんなときでもラクに家事ができるようにしちゃいましょう!

セットにしてまとめる

キッチン 収納 引き出しコップ カラトリー

よく作るお味噌汁などは、だしや味噌などをセットにしてまとめておくと使いやすくて便利です。これを出すだけで調理が開始できます。

本間さんのおすすめのセットを教えてもらいました。

● カラトリーセット

スプーンやお箸などをまとめたセット。これさえ食卓に出せば、出し忘れてキッチンまで取りに行く手間をはぶける。

● お味噌汁セット

だしパック・味噌・乾燥わかめなどをまとめたお味噌汁のセット。残り野菜を入れる予定なら、その野菜も一緒に置いておけば、入れ忘れが防げて、具材を考える手間もない。

● 常温セット

朝食で食べるようなシリアルやバナナをまとめたセット。テーブルに置いておき、朝家族が牛乳を出せば準備は完了!

ほぼ調理のいらない献立を考える

壁 キッチンツール 吊る 調理器具

家族が口にするからと愛情を込めたくなりますが、「忙しくなりそうだな…」という日まで手のこんだ料理をつくる必要はありません。

そんなときのために、あまり調理がいらない献立を考えておくといいですよ。

● 冷凍葉野菜を使ったおひたしやナムル

小松菜や菜の花は、食べやすい大きさに切って保存袋に入れて冷凍しておく。茹でなくても自然解凍すればしんなりする。水気をしぼって、おかかと醤油をかけたり醤油とごま油で和えたりすれば一品が完成。おひたしやナムルができるので、忙しい日でもすぐに野菜を足せる。

● ホイル焼き

忙しくなりそうな日は、ホイル焼きが◎。朝のうちに鮭の切り身に塩コショウをして、きのことバターを入れて冷蔵庫に入れておけばOK。トースターに入れて焼けば、調理道具が必要なく後片付けもラクちん。

家事を時短するアイデア〜片づけ編〜

いくら片づけても散らかるおうちは、不要なものが多いのが特徴です。

まずは引き出し一段から整理してみましょう。いる・いらないで分類して、いるものだけを戻せば、それだけでラクになります

さらに使い勝手をよくしたいなら、収納を工夫するといいですよ。ここからは、収納のアイデアをご紹介していきます。

帰宅動線のなかに収納場所を設置する

レジ袋 野菜

本間さんは、帰ってきてからの5分間は魔の時間と呼んでいます。おうちの外から物がたくさん持ち込まれてしまうので、散らかりやすいんです。

それを解消するためには、帰宅動線中にいろいろなものの収納場所を決めるといいですよ。数分で片づけが完了できるので、くつろぐ時間ができ、慣れればそれが習慣化されます。

● 食材を買ったら調理台へ

買ってきた食材は床におかず、調理台の上に置く。常温の食材などはつい床においてしまいがちだが、調理台においておけば、料理をするために片づけなければならないため、置きっぱなしが防げる。

● 洗面所にアクセサリー置き場を作る

手を洗うタイミングでアクセサリーを外し、収納する。アクセサリーはなくしやすいものなので、紛失防止にもつながる。

動線を考えた場所に調理道具を置く

フライパン 鍋 蓋 収納

道具は、いつも使う場所の近くに収納するのがポイント。

収納場所は使用頻度の高いものから優先的に決めていくと、使いやすさがアップします。

使っているうちに「ここが使いにくい」と思う場所があったら、ほかのものと入れ替えて、使いやすい収納に少しずつ近づけていきましょう。

● 使う場所のそばに収納する

火を使うものはコンロの下に、水を使うものはシンクの下に収納する。取り出しやすい位置は、目から腰の高さなので、よく使うものから収めていく。

● 郵便物を捨てるゴミ箱をつくる

郵便物を捨てるゴミ箱を設置し、そこにハサミを置く。放置しがちな郵便物も、ゴミ箱の近くであけてしまえば、いらないと判断してすぐに捨てられる。

時短に挑戦するときは「好きな家事」から始める

はてな 疑問 ギモン 家のどこ?

たくさんのアイデアを紹介しましたが、どこからはじめたらいいか迷いますよね。コジカジ編集部のメンバーも、「時短したいけどどこから手をつけたらいいか…」と悩んでいました。

本間さんに相談してみると、意外にも好きなところから手をつけるのもひとつの手だと教えてくれました。

本間さん:
嫌いな家事から取りかかれるならそれがいちばんいいでしょうけど、むずかしければ好きな家事の効率化から始めればいいと思います。

私はいちばん嫌いな掃除にはなかなか手がつけられず、結局いちばん好きな料理からスタートしました。

はじめはキッチンツールが入った引き出し1段から、1日15分くらい使って整理していきました。そして1段、また1段…と広げていってキッチンが終わる頃には要領がつかめていました。そうしていくうちに、最終的には嫌いな掃除の環境も整えることができたんです。

たぶんみんな家事に好き嫌い・得意不得意はあると思うので、無理に苦手なものから手をつけるのではなく、好きなものから効率化していけば、だんだんと苦手な家事も効率化できるようになりますよ。

家事を時短するアイデアを取り入れよう

晴れた日に洗濯物を外干し

自分で時短するポイントを見つけるのはむずかしいですが、今回ご紹介したアイデアのなかに「これならできそう!」というものがあったのではないでしょうか。第一歩を踏み出してみると、徐々にやり方が分かってきて、慣れてくれば時短できる方法を自分で考えられるようになりますよ。

本間さんのアイデアを元に、ぜひ家事を時短する環境づくりを始めてみてくださいね。

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